2012年6月9日土曜日

現代における「花街」のまちづくり

先日、芦原温泉の取り組みについての記事を更新したのですが、いわゆる「花街」の現状については、かねてから興味を持ちつづけてきました。今回は、私自身が以前からおもしろいなと感じていた、東京・神楽坂のまちづくりについてご紹介したいと思います。

神楽坂とは、東京都新宿区の地名で、早稲田通りの一部にあたります。「東京神楽坂ガイド」によれば、外堀通りの「神楽坂下」の交差点から、坂を上り、大久保通りの「神楽坂上」の交差点までを「神楽坂通り」と呼ぶそうです。坂道の途中には、若宮八幡神社や毘沙門天善国寺などの神社仏閣も残されています。このあたりのエリアは、江戸時代には毘沙門天参拝のための茶店が軒を並べており、明治期に入ると花街としての機能を果たすようになりました。大正期ごろがその最盛期で、昭和期になると神楽坂はん子※という芸者歌手が活躍、神楽坂の名前を全国区にしました。(※代表曲は、『ゲイシャ・ワルツ』。江里チエミの『テネシー・ワルツ』に対抗してリリースされたそうです。)

東京神楽坂ガイド
http://kagurazakaguide.web.fc2.com/

しかし、戦後の流れの中で、次第に「花街」というものが日本の社会の中での役割を変え、神楽坂の町も次第にその活力を失っていきました。こうした状況に対し、地域の独自性を生かしたまちづくりの取り組みとして、平成3年に「神楽坂地区まちづくりの会」が結成されます。現在では「NPO法人粋なまちづくり倶楽部」と名前を変え、町あるきツアーや住まいづくりに関する市民講座を始め、さまざまな活動が行われています。平成19年には、NPOから派生して「株式会社 粋まち」が設立され、まちづくりに関する事業をさらに推進しているようです。

NPO法人粋なまちづくり倶楽部
http://ikimachi.net/

株式会社 粋まち
http://www.ikimachi.co.jp/

NPO法人では、随時ボランティアを募集しており、2か月に一度、第一土曜日に説明会が行われています。私は3年近く前から関心を持ってきたのですが、なぜか毎回別の予定が入ったり、病気になったり、一度などは電車が止まって会場にたどり着けなかったりと、一度も参加することができておりません…次回は2012年7月1日(土)13時~17時とのことです。私も是非行きたかったのですが、なぜか法事が入ってしまったので、関心をお持ちの方はぜひ足を運んでみてください。

追記:
本記事を書くために各ホームページを見直していたところ、意外な発見がありました。神楽坂には、かつて若狭小浜藩(現在の福井県)の藩邸があり、その縁で毎年秋に「越前若狭まつり」が開催されているそうです。芦原温泉のある福井県とつながりがあるとは、ちょっとした驚きを感じました。

ドーンと福井 in 神楽坂 越前若狭まつり(2011年)
http://www.fukuishimbun.co.jp/kagurazaka/


(mio.o)

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