2012年6月6日水曜日

埼玉県富士見市①ー文化振興条例制定に際して


M.Kさんご投稿「文化振興条例の現在」記事内で話題にあがっていた埼玉県富士見市。「埼玉県内で政令市を除いて初の条例制定都市」(同県ではさいたま市に続く)として、並々ならぬ意気込みで取り組んでいるそうです。
そこで、これから注目すべき市の一つとして、富士見市の概要を複数回に渡って投稿してみたいと思います。
<基礎情報>
面積:19.70平方キロメートル(県全体の面積に対し0.51%)
立地:埼玉県の東南部、首都30キロメートル圏に位置。東は荒川を隔ててさいたま市に、北は川越市・ふじみ野市に、西は三芳町にそれぞれ接している。
南西部武蔵野台地の大半は住宅地・畑作地帯で、北東部荒川低地は荒川と新河岸川の2つの一級河川を擁する水田地帯。南西部は東武東上線沿線から発達した市街地がある。
人口(平成24年年4月1日現在):107,243人(男性53,271人/女性53,972人/世帯数45,402世帯/人口密度5,444人/km²/ うち外国人登録者割合約0.015% /流入人口10,749人/流出人口41,727人)
※但し、流入人口(他地域に常住し富士見市に通学・通勤)と流出人口(富士見市に常住し他地域に通学・通勤)は平成17年国勢調査より。
※人口は増加しているが、平均年齢も上昇傾向が見られる。
産業(平成18年10月1日現在):非農林漁業従業者が大部分を占める。従業者数は多い方から、卸売・小売業、サービス業、医療・福祉、飲食店・宿泊業、製造業、建設業の順。
<市の歴史>(下線部:行政区域の変遷)
明治22年4月:町村制が施行され、鶴瀬、南畑、水谷の各村が出来る
昭和31年9月30日:「昭和の大合併」により鶴瀬、南畑、水谷の3村が合併し富士見村が発足
昭和32年11月:日本住宅公団による東武東上線沿線初の公団団地、鶴瀬第一団地の入居開始(230世帯)
昭和37年7月:日本住宅公団鶴瀬第二団地の入居開始(1,070世帯)
昭和39年4月1日:富士見村が町制を施行し、富士見町が発足
昭和41年9月13日:人間尊重都市宣言
昭和45年:人口増加率で全国2位を記録
昭和46年4月:学校3校(勝瀬小学校、上沢小学校、本郷中学校)が同時に開校、町の予算の54%が教育費(=学校建設費)に充てられる
昭和47年4月10日:富士見町が市制を施行し、富士見市が発足
昭和48年8月:現庁舎完成、同年9月3日から業務開始
昭和52年9月30日:スポーツ振興健康増進都市宣言
昭和57年4月10日:市制10周年、富士見市民憲章、市の木及び市の花の制定
昭和57年7月:第一回ふじみ市民まつり開催
昭和62年7月19日:富士見市非核平和都市宣言
平成12年4月10日:環境に優しい都市宣言
平成14年11月1日:富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ開館
平成17年10月:「ふじみ市民まつり」が「産業祭」「環境フェア」と統合し 「’05富士見ふるさと祭り」に
そして今年4月10日は市制40周年!
※「平成の大合併」では上福岡市、入間郡大井町(現ふじみ野市)、入間郡三芳町との合併が協議され、住民投票の結果、富士見市では合併賛成が上回ったが、上福岡市・大井町では住民投票成立の条件とした投票率が規定に満たず不成立、三芳町では住民投票は成立したものの合併反対が賛成を上回ったため、合併協議は中止。
※市章は、中央に富士を置き、周囲に3本の川(荒川、新河岸川、柳瀬川)と旧3か村(鶴瀬、南畑、水谷)の合併を意味した円を配し、富士見市を象徴したもの。(昭和41年制定)
<諸宣言>(以下宣言年順)
昭和41年9月13日「人間尊重宣言都市」
概要:健康で、人を尊重し社会への貢献を果たす町民形成を目指す
昭和52年9月30日「スポーツ振興健康増進都市宣言」
概要:健康で明るいまちづくりを目指し、健康増進と交流・連帯の輪醸成のため市民が主体的にスポーツに親しむ都市を宣言
昭和57年4月10日「富士見市民憲章」
概要:自然の恵みと永い伝統に育まれた人情豊かな富士見市民は、ふるさとの限りない発展としあわせを願い、以下5点をまちづくりの心構えとして市民はたゆまず努力する。
1. 人の心といのちを大切にする、2. 自然を愛する、3. 健康で仕事に励みしあわせな家庭をつくる、4. きまりを守り、助けあい、平和なまちを作る、5. 教養を深め、文化のかおり高いまちを作る
昭和62年7月19日「富士見市非核平和都市宣言」
概要:広島・長崎の過ちを繰り返さぬ様、平和憲法を大切にし、世界の平和と安全を脅かす核をもつ全ての国に「今すぐ核兵器を捨てよ」と訴える富士見市民の宣言
平成12年4月10日 「環境にやさしい都市宣言」
概要:武蔵野台地と荒川低地が出会う豊かな自然の中で、人の営みと自然が調和した文化と歴史を育んできた富士見市が、近年の生活様式の変化に伴う自然環境の悪化に際し、人と自然の共生を目指す環境にやさしい都市を宣言
長くなってしまいましたので、続きはまた次回。

今回の投稿の最後に、条例に関する追記報告です。
富士見市は「(仮称)富士見市文化芸術振興条例(案)」に対し、平成24年3月21日~平成24年4月20日にパブリックコメントを募集し、7件の意見があったそうです。
内容としては、
・文化・芸術表現の振興とその内容への不干渉という立場を盾に、平穏な市民生活が阻害される場面(騒音問題等)に対する行政の対応がなされていない、何らかの留保措置あるいは市民生活擁護の言及が必要なのではないか:1件(市民の相互理解の中で問題が解決される事を望む、との富士見市からの回答)
・基本法35条を根拠にしているが、文化芸術振興条例を策定する意義が明確ではない:1件
・市民に「義務」を課しているように受け取れる:1件
・会議録によると、文化芸術振興条例等策定検討委員会の委員で出席が1回しか確認出来ない委員がいるが、そのケアをどのように行ったのか明記されていない;1件(対応しました、との富士見市からの回答)
・富士見市文化芸術振興条例等策定検討委員会の会議録が公開されたのが遅かったため、意見を出すのが困難だったという理由で募集期間の延期請求:1件
・意見募集のやり方が有効性を欠くという理由で募集のやり直し請求:2件
*上記の意見に対し、富士見市側に特別な対応は無し。
そして、今月行われる第三回定例会に議案第39号「富士見市文化芸術振興条例の制定について」が提出されます。


主要参考ウェブサイト
富士見市 http://www.city.fujimi.saitama.jp/index.html(2012年6月6日アクセス)

(M.O)

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