2014年6月30日月曜日

第2回吉祥寺コミュニティデザイン大賞(訂正あり)

こんばんは。
W杯に熱中したくても、どうしても起きていられず、肝心な場面を見逃してしまうtantakaです。

前回取り上げた吉祥寺バウスシアターがとうとう5月末日をもって閉館してしまいました。
そんなに頻繁に行っていた訳ではないですが、
こうやって少しずつ地域の特徴が失われて行ってしまうのかと思うなんともさみしい気分です。
さて、今回の投稿もそんな吉祥寺のネタをひとつ。

みなさんは「吉祥寺コミュニティデザイン大賞」というものをご存知ですか?
これは新たなアイディアを競い合うコンペティションのひとつで、
昨年に引き続き、第2回目が今年も開催されます。

今年のテーマは『「新しい公共」によって吉祥寺を活性化する』です。
舞台は吉祥寺や武蔵野市に限る必要はなく、
行政がしていたことを市民自身がする、企業がしていたことを市民自身がするなど、
様々な分野での「新しい公共」のあり方を提案するというのが、今回の課題でした。

応募資格として代表が女性に限られ、また発表するのも女性に限られているという、
少し変わった条件があるコンペで、審査委員はわりと建築分野に偏ってはいるものの、
かなり自由度の高いものと言えると思います。

昨年は応募を諦めたこともあって、今年は絶対に参加しようと思っていた私ですが、
慌ただしさに何度もくじけそうになっていました。
ただ今回のテーマはどうしても参加したいものであり、
なんとか、なんとか期日ぎりぎりに提出することができました。
そして先日一次審査の結果の連絡を受け、無事公開審査会にも参加できることも決まりました。
2週間後に開催される公開審査会では、一次審査を通過した10作品について、
各自が5分以内でプレゼンテーションを行います。
どんなプレゼンテーションの形式をとってもいいため、
昨年は確か寸劇のようなものをあったと記憶しています。
私も今、そのプレゼンテーションに向けて準備を始めていますが、
どのようにアピールするか、かなり頭を悩ませています。

このようなコンペティションも地域活性化のひとつの手段だと思います。
ひとりひとりが地域に関心をもつことから始めなければ、
その地域には変化すらも生まれないでしょう。
私も今回のアイディアを練るために、改めて吉祥寺や武蔵野市について調べ直し、
新たな一面を知ったり発見、失望もあったと思います。
地域を動かすには少し遠回りの方法かもしれませんが、
こうやっていろいろなアイディアをぶつけ合うのも有効な手段だと私は信じています。

さて、プレゼンテーションです…今から緊張している私ではありますが、
お時間の許す方はぜひ見にいらしていただければと思います。
詳細は以下の通りです。

第2回吉祥寺コミュニティデザイン大賞 公開審査会
日時:7月12日(土)12時30分~15時30分(開場12:00)
場所:グランキオスク
   〒180-0004  東京都武蔵野市吉祥寺本町1-33-10 丸二ビル2F

コンペについての詳細は以下URLを確認してみてください。

(tantaka)

知的財産管理技能検定の勉強をしています

今週末の受験に向けて、
知的財産管理技能検定3級の勉強をしています。

なぜ知的財産権について勉強しようと思い立ったかというと、
私自身他者の発想を取り入れるという問題に関心があったからです。
人の考案することは大部分において外部からの情報に依存するわけで、
複雑に絡み合ったその関係をどのように法律で扱っているのか興味がありました。
そして何より、この検定に申し込んだ進学前の3月には、
今頃こんなに忙しくしているとは予想だにしていなかったのです(笑)

知的財産権の問題は、パロディという一種の創造分野と拮抗します。
パロディは、既に世の中に出た商品や作品の本質的な部分を残しながら
部分的に作り変えるもので、多くの場合人びとの関心を誘うものであると思います。

たとえば、有名な話としては吉本興業のお土産「面白い恋人」が挙げられます。
言うまでもなく北海道土産の超定番「白い恋人」をもじったものです。
「白い恋人」を製造販売する石屋製菓は当初「面白い恋人」を黙認していたものの
発売から1年以上経過し「面白い恋人」が販路を大幅に拡大したことを受け、
提訴に踏み切りました。裁判は両者の和解で幕を閉じました。

「面白い恋人」は既存物に材を取った創造的な商品開発の結果であるともいえます。
元となった「白い恋人」は認知度も高く、一般名詞に近い地位にすらあるため、
そのパロディを生産することに対しての敷居が低かったのかもしれません。
石屋製菓は「デザインが似ているので間違って買われる」と主張しましたが、
実際ありえないと思いますし、石屋製菓の売り上げを害するとも見えません。
しかし石屋製菓側としては、あまりに吉本興業が大きく出るようになったので
その態度が目に余り裁判に持ち込むことになったといえます。
パロディをめぐる合法/違法の判断はこのように曖昧なものに留まります。

一方で、フランスではパロディが法律で認められています。
パロディを広くひとつの文化のあり方として受け入れているのです。
確かにパロディには、くすりと笑われてくれる絶妙な面白さがあります。
人間の創造的表現の一形態として保護されることには賛成です。
ただ、上で述べたように、原案者の気分を害するものや、利益を害するものは
認められるべきでなく、その線引きが課題となります。

パロディは文化なのか違法行為なのか、裁判では決着が着きませんでした。
簡単に言ってしまえばモラルの問題でもあるように思いますが、
今後制度としてどう扱っていくのか、注目していきたいと思います。

というわけで、まったく受験勉強していないので、これから始めます(笑)

(risaia)

参考URL:http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3312_all.html

2014年6月28日土曜日

デジタルアーカイブ関連で色々と

カレントアウェアネス・ポータル NPO長野県図書館等協働機構、県立長野図書館等、信州地域史料アーカイブを公開』 Posted 2014626日)http://current.ndl.go.jp/node/26437

カレントアウェアネスの記事で紹介されていて気付いたのですが、信州地域資料アーカイブ(https://trc-adeac.trc.co.jp/WJ11C0/WJJS02U/2000515100)というものが公開されたようです。

長野県図書館協会を母体に平成252月に設立された「NPO長野県図書館等協働機構」が中心となり、構築されたもののようです。“学識者・専門家・市民等が参加し、県立及び市町村立図書館、県立歴史館、博物館、文書館等と連携協働して事業推進している”(県立長野図書館 『「信州地域史料アーカイブ」を公開しました』 http://www.library.pref.nagano.jp/shinshu-archive)とされていますが、具体的にどのような個人・組織が関わっているかはよくわかりません。


特色については次のように記されています:

   「信州地域史料アーカイブ」の特色は
 (1) 原本や写本が見られる。
 (2) 翻刻文・読下し、現代訳や解説が付いて、誰でも読むことができる。
 (3) フルテキスト化しキーワード検索ができる。
 (4) 目録・パスファインダーもついていることです。

(『NPO長野県図書館等協働機構について』 https://trc-adeac.trc.co.jp/Html/Etc/2000515100/topg/setumei.html


現在公開されている7つの史料は、2つが県立長野図書館所蔵、3つが個人蔵、1つが松本市文書館所蔵、1つが上田市立図書館所蔵、となっているようです(信州地域史料アーカイブ 『公開中の史料』 https://trc-adeac.trc.co.jp/Html/Etc/2000515100/topg/koukai.html)。(各資料の目録データのところに所蔵機関の記載があります)。


また、長野県市町村史誌目次情報データベース(http://misuzu-mokuji.net/)というものもあるようです。


他に、地域資料のデジタル化に関して、
カレントアウェアネス・ポータル 『図書館振興財団、平成26年度提案型事業「郷土資料・貴重資料等のデジタル化および公開事業」を公募(募集期間:2014512日から711日まで)』 Posted 2014430日) http://current.ndl.go.jp/node/26048
というものがあったようです。


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香港は朝夕にしか走れません

先週東京を抜け出し、さらに蒸し暑い香港に入りました。
普段はCity University of Hong Kongで、世界文学にまつわるレクチャーを受けています。
たとえば非英語圏の文学が世界文学として認められるときにはどんな力学が生じるのか?
大型ショッピングモールにあるフードコートの中華料理が現地の中華料理と同じではないように、文学においても「日本文学らしさ」「中国文学らしさ」が求められる出版マーケットになっていないかなど、文学に限定せず広く文化の問題として捉えられる話題が多いです。


昨日は講義の代わりに、The Hong Kong University of Science and Technologyを見学してきました。開校23年しか経っていない校舎には涼しい海風が吹き抜けます。図書館では学生が映像の撮影・編集を行えるスタジオが併設されていたり、アジア圏のアーティスト自ら寄贈した彫刻や絵画があちらこちらに。窓からは海や小さな無人島が望めます。
 
本館では16~19世紀にかけて欧米で作成された中国の古地図180点をデジタルアーカイブ化し、ネットで一般公開も行っています。 最上階のギャラリーでは特殊フィルムで保護された実際の地図を眺めることができます。世界地図を見ていたツアー参加者(世界文学セミナーの講師)がクック船長のオセアニア航海と時計の関係にまつわるミニレクチャーを始めるということも起こり、研究者に囲まれているという思いを新たにしました。
海上の航海では、グリニッジ標準時間とその場の時間の差を計ることで現在地を把握することができます。そのためかつてのイギリスにおいて、精密な時計の開発は急務だったそうです(正確な地図作製は海上の軍事力に直結するため)。
 
図書館見学後は買い物客でごった返すTsim Sha Tsui周辺へ。喧騒を横目に(涼も求めて)九龍公園内のHong Kong Heritage Discovery Centre(香港文物探知館)に入ります。香港の考古学・建築学的遺産を紹介するこの施設は、入館料無料にしては見ごたえがありました。香港ディズニーランド建設に際して建設予定を調査したところ出土した大量の陶器を床に敷き詰めるなど、展示方法がなかなか面白かったです。
公園内には鸚鵡が喧しい「百鳥園」や香港漫画のキャラクター像がずらりと並ぶ一角があり、ワゴンで売っているソフトクリーム(9HKD=約130円)を食べながらの散策がお勧め。
最後に訪れたのは同地区にあるK11というショッピングモール兼美術館です。若者向けの洋服店を通り抜けた場所にメインギャラリーがあり、ここ数年間に若手作家により発表された作品が並びます。香港よりは中国本土からの出展が圧倒的に多いのは気になりました。
ギャラリーに行かなくても、店舗と作品が並存している作りとなっていますが、最も目立っていたのは入り口広場の巨大ロボットパンダでした。

一日観光しただけですが、美術館以外にもアートを気軽に見る場所は案外多い印象でした。来週はその美術館及び劇場に行く予定です(演劇に関する内容も次回に)。
 
 
(東京のスーパーで70円だったドラ焼きは30HKD=約390円だと知ったN.N.)
 
 

2014年6月25日水曜日

ヘブンアーティスト

M1のRaeです。
以前から、上野公園にいるストリートパフォーマーの横に置いてあるホワイトボードは何なのだろう、と思いつつ素通りしていたのですが、先日吉見俊哉先生等が編集された『路上のエスノグラフィ』を読んでそのささやかな疑問が氷解しました。
これは2002年から東京都が文化事業として始めたヘブンアーティスト制度によるものなのです。この制度は、ライセンスを得た「ヘブンアーティスト」達が定められた場所と時間でパフォーマンスを行う(投げ銭可)という仕組みですが、ライセンスの認定と審査が存在します。(昨日上野公園に行って確認したところ、あのボードにはしっかりと「ヘブンアーティスト」と書いてありました。)
映像音声資料による一次審査、都庁前都民広場における実演一般公開の二次審査があって、大衆芸能の専門家が審査をするようですが、「明確な審査基準がなく」、場所、時間(夜間は×)、公序良俗に反するもの、趣味のレベルは×等の規制も多いようです。
そのため、『路上のエスノグラフィ』に出ているアーティストたちのインタビューでは「やりにくくなった」というところがあるようで、間違いなくこの問題は文化資源学で取り扱えるものだな…と思いました。
海外では路上パフォーマーが楽しげに(何時間でも)やっていますよね。ここまで多くの事例で似たようなことがあると、日本の国と芸術の関わりの先が見えるようで、少し息苦しいです。

2014年6月24日火曜日

「これから」 の「生き方」と「あらゆるもの同士の関係」を考えよう。大町と一緒に。

セクハラ都議会のニュースやサッカーW杯の喧騒を聞きながら
 外出しづらさややりどころのない怒りを抱えたりしています、pugrinです。

先日友人がFBで以下の記事をシェアしていたので紹介いたします。

 エネルギー自給率が66%を突破、節電と発電を推進する長野県
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1404/23/news021.html

止まらない小水力発電の勢い、2020年にエネルギー自給率77%へ
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1307/16/news014.html

以前から水力発電の中心地である長野県では、今小水力発電にも積極的であり、
今後メガソーラーの開発にも注力していく姿勢があるようです。

黒四ダムとエネルギー博物館を擁する大町市にとってはまさに我が身のことと思います。
これからの電力の在り方と、それを実際に使用する暮らしを
もっと積極的に提示していけたら魅力的だなあ、と思うと同時に、
メガソーラーの用地を必要としている県にとっては、もしかして良きロケーションかもしれません。

県と事業者に工場跡地を提供する、という選択肢も無きにしも非ず・・・?とすると、
メガソーラーパネルの中にポツリポツリと家屋敷が立ち並ぶ大町を想像してしまいました。

平成22年度の市民調査に基づく提言では、市民の方々から
「早く工場や大企業を誘致してきてほしい、生活が厳しい」との声が多くありました。
100ページ近くにも及ぶそれを見たとき、
そんな大町で文化という概念を持ち出すにはあまりにハードルが高いのかもしれないと、
私にも暗い気持が伝播してきました。

しかし、経済的安定が望めるとはいえ、
工場や大企業、メガソーラーに埋めつくされた町に住み続けたいか?
ということは疑問です。
経済的安定とともに、そこに住み続けるための、
土地と人との結びつきを考え直すのがわたしたちの今やっていることだと思います。

例えば大町と言えばエネルギー!のように胸を張って言えたら、
21世紀最先端の暮らしが目に浮かぶ、そんな気がしました。



ちなみに今東京都現代美術館では
宇宙をテーマに「ミッション[宇宙×芸術] -コスモロジーを超えて」
という企画展が開催されています。(行く予定です!)
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/cosmology.html

もともと一つのものだったはずだと思いますが、
数世紀を超えて、今もまた科学技術とアートは赤の他人ではありません。
大町には原始感覚美術祭というフェスティバルもあります。
たくさんの文化資源が手をつないで新しく育っていけるよう、
わたしたちゼミ生も頑張っています。
次に大町へ訪問するのも楽しみにしています。今度は新しいM1も一緒に!

2014年6月20日金曜日

シンガポール最古のマレー墓地Jalan Kuborは守られるのか―多様なコミュニティの歴史が眠る墓地の記録調査

 今回はシンガポールの墓地の中でも、中心市街地に現存する最古のマレー墓地Jalan Kubor(マレー語で”墓地通り”の意)とその調査活動をご紹介します。Jalan Kuborは、日本人の間ではアラブ・ストリートの名で親しまれている歴史保存地区Kampong Glamにあります。観光地や学校等からもほど近く、目の前の通りにはバス停もあり、多くの人の目に触れているはずのJalan Kuborですが、その歴史や埋葬者についてはあまり知られていません。そして、これまでに報告してきたブキット・ブラウン華人墓地や登り窯と同じく、政府の計画では将来的に住宅地に再開発されることが予定されています。

写真1:紐で囲まれたエリアごとに各墓石を
ワークシートに記録していく。墓石は二つで一組。
遺体はHeadstoneとFootstoneと呼ばれる墓石
の間にメッカの方向を向いて埋葬されている。

 Jalan Kuborの設立年代ははっきりと分かっていませんが、1822年に英国植民地政府が作成した地図には既に”墓地”として登場しています。現在新規の埋葬は行われていませんが、新しいものでは1950年代に造られた墓石もあるようです。墓地は1819年に建てられたスルタンの王宮*近くに位置し、33,900㎡(サッカーコート五つほど)の敷地には15,000基の墓石があります。しかし木製の墓石は朽ちかけ、石造りの墓石も倒れたり地面に埋もれたりして劣化が激しい現状です。私がこの墓地の存在を知ったのは、昨年のブキット・ブラウン華人墓地を紹介する展覧会で行われた、Dr. Imran bin Tajudeen(シンガポール国立大学建築学部准教授)の講演でした**。当時Imran氏は個人的に墓地の調査を行っていましたが、シンガポールの歴史にとって重要な意味を持つ大量の墓石たちが調査されることもなく風化していく様に危機感を抱き、記録調査の必要性を訴えていました。その後、政府(国家遺産局 National Heritage Board)がImran氏ら専門家に記録調査を委託することを決定***。2013年12月からシンガポール国立大やマレー・ヘリテージセンター等の専門家と市民ボランティアによる調査が始まりました。

 毎週末ガイドツアーが行われているブキット・ブラウン華人墓地と異なり、一人では入りにくい雰囲気だったJalan Kubor。調査ボランティアとしてならじっくり内部を見物できると思い私も参加してきました。12月から4月まで行われた調査に参加した一般ボランティアは30名以上に上るとみられ、それに加えて周辺のイスラム系学校の生徒が学修の一環で参加することもありました。一般ボランティアにはマレー系の人々が多いように感じられましたが、地域の歴史や遺産に関心のある華人系やユーラシアン系市民の姿も見られました。
写真2:記録を始めるにあたりマレー・ヘリテージ
センターの学芸員が筆者の名前を例に書いてくれた
各文字の特徴。上からローマ字、ジャウイ文字、
ブギス語、ジャワ語。

 今回の記録調査の目的は、墓地の歴史を明らかにし、個々の墓石を写真に収めてデータベース化するというもの。私の参加した回では各墓石の特徴をワークシートに記録していくという作業を行いました。シートには、墓石の大きさ、造形の特徴、素材、碑文の言語などの項目を記入するようになっており、一口にマレー墓地と言ってもその内部は多様性に富むJalan Kuborを実感することができました(写真1)。

 Jalan Kuborの埋葬者の全貌は明らかになっていませんが、スルタンの子孫のほか、リアウ、ジャワ、パレンバン等周辺地域からやってきてシンガポールで財を成した人々など多岐にわたると考えられています。墓石には19世紀の交易で使われていたブギス語の他、ジャワ語、ジャウイ文字(マレー語やインドネシア語を表すアラビア文字)、時には漢字も刻まれています(写真2)。墓石のデザインも、東南アジアのムスリム墓地に一般的な複雑な石彫とは異なり、簡素化されていたり、アチェ式とジャワ式の混ざったようなものも散見されます。

 Jalan Kuborはマレー系の遺産を象徴するKampong Glam地区とインド系を象徴するLittle India地区という二つの歴史遺産保存地区に挟まれた場所に位置します。保存地区の外にある墓地は都市再開発庁(Urban Redevelopment Authority)が1998年に発表したマスタープランでは、すでに再開発予定地区に指定されていましたが、なんとか今日までその姿を保ってきました。政府が調査に乗り出したことは地元の歴史・遺産愛好家に歓迎されましたが、同時に、「いよいよ墓地の開発が始まるのではないか」という懸念も強まった模様です****。小さな島国であるシンガポールでは国土利用は最重要課題の一つであり、これまでも”死者(墓地)は生ける世代(団地や商業施設等)に道を譲るべき”という考えのもと再開発が行われてきました。昨今の国民の遺産保護への関心の高まりを受け、政府も記録調査などの行動にでていますが、デジタル化されたデータベースだけでは、歴史の積み重なった現実の場所と同じ役割りを果たすことは出来ません。建築物の場合、リノベーションして別の施設として再利用する道も残されていますが、墓地はそうした使い道も難しく、公園化するにしても”誰の墓を残すのか”、”これまで行われてきた宗教儀礼はどうするのか”といった問題も生じると考えられます*****。

 ”何を残すのか”という議論では、Jalan Kuborはこれまで政府の文化政策で”マレー系遺産”としてひとくくりにされてきたKampong Glam地区の多様性を再考するきっかけとなりそうです。調査チームのImran氏は、現在シンガポールに見られる人種別区画(中華系、マレー系、インド系、その他)は人工的なものであり、実際には雑多な民族が共生していたことを指摘し、Kampong Glam地区を拠点に現在の国境線を超え交易を行っていた様々な民族の歴史を多層的に掘り起こそうとしています******。Jalan Kubor墓地の調査結果はいったん政府に手渡され、選別されたのちに一般公開される見込みで、調査ボランティアも不用意に墓石の写真を公開することは控えるように言われました。再開発の前にJalan Kuborの記録が残されたのは幸いですし、市民参加の調査で墓地の歴史がシンガポールの人々に共有されてきたのは喜ばしい出来事です。しかし今回の調査がどのような形で世に出るのか、そして墓地はいつその姿を消してしまうのか、といった課題も残されており、シンガポールの遺産保護をめぐる動きの一つとして、今後の動向に注目していきたいと思います(齋)。

*現在王宮はマレー・ヘリテージ・センター(2004年設立)として再利用されています。
**講演の概要と記録映像はこちらから見ることができます。  
***調査の様子を伝える地元紙Berita Harian(マレー語)の記事を紹介するシンガポール国立大のブログ
****市民の懸念を伝える地元紙Strait Times(2014年1月6日付)
*****Jalan Kuborの王家の墓は墓石に黄色い布が巻かれていることで識別できます。布は定期的に交換されており、今日まで墓参りを続けている人々がいることがうかがえます。
******Imran氏らは、シンガポールの歴史から見落とされている様々な物語を発掘するSingapura Storiesという活動を行っています。先月もシンガポール南部の島々にかつて存在した漁村の歴史を紹介するセミナーが行われました。機会があればこちらもご紹介したいと思います。

2014年6月18日水曜日

情報源を少しだけ追加

なんとなく追加です。

カレントアウェアネスの記事『国立国会図書館、歴史的音源(れきおん)に音源紹介「レコードによる浪曲の普及」、「聴く演劇」、「日本オペラ史の足跡」を掲載』http://current.ndl.go.jp/node/26369で紹介されていますが、

歴史的音源(れきおん)http://rekion.dl.ndl.go.jp/
1900年から1950年ごろのSP盤等のデジタル化音源”だそうです。

演劇などその辺りに興味のある人がいるようなので。現代ではなく歴史的なものですが。


近代デジタルライブラリー(http://kindai.ndl.go.jp/
“明治以降に刊行された図書・雑誌のうち、インターネットで閲覧可能なデジタル化資料”を検索・閲覧できるようです。

国立国会図書館が収集・保存しているデジタル化資料を検索するには、
国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/
図書や雑誌、古典籍、憲政資料など様々な資料が検索可能です。データベースの詳細についてはこちらhttp://dl.ndl.go.jp/ja/intro.html。明治161883)年72日から昭和271952)年430日までの官報(http://dl.ndl.go.jp/#kanpo)も検索できるようです。
「国立国会図書館デジタルコレクション」は「国立国会図書館サーチ」の検索対象データベースに含まれているようです(http://iss.ndl.go.jp/information/target/)。

外務省:外交史料館 日本外交文書デジタルアーカイブ
外務省が編纂した「日本外交文書」のデジタル画像と目次情報が閲覧できるようです。

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今九谷窯の個展@伊勢丹新宿店

私がこのネタで書いてしまっていいものか悩みますが、
とても感動したので、書いちゃいます。

昨日、我らが窯元Nさんの九谷焼の個展を見に行ってきました。
確か私の実家に九谷焼の湯呑みがあったような気がするのですが、
九谷焼というと幽玄、わびさび、といった渋いイメージでした。

しかし、中村元風さんの作品は、鮮やかな色彩のものが多かったです。
そうした色を出すのは独自の技法によるものだそうです。
詳しくありませんが釉薬というのでしょうか、その付け方にしても、
少し盛り上がるように焼き上げるのはかなり高度な技術だそうです。

もうひとつ印象的だったのは、洋物の作品が多かったことです。
今回個展に来ていたうち、湯呑みよりも圧倒的にカップが多かった。
デミタスコーヒーカップというのもあったし、面白かったのは、
大きめの容器でお抹茶を点てて、ティーカップに注ぎいれるというもの。
お抹茶をティーカップで飲むなんて!新鮮すぎて衝撃でした。
伝統的なお茶の楽しみ方が、変わってきているのですね。
この一式をお客様へのおもてなしに使っている料亭もあるとか。
海外進出にも注力されているようです。

たくさん説明していただいたのでその都度感動していたのですが、
特に印象的だったことにしぼって書かせていただきました。
伝統は大切にしつつも新しい挑戦に躊躇しない姿勢に感銘を受けました。
欲しいー!なんて思いましたが、ちょっと手の届くお値段ではありませんでした(笑)
それだけが残念です。また出直します。

個展に行った後同じく伊勢丹のカフェでお茶をしてみますと、
エスプレッソもアイスコーヒーも湯呑みに注がれて出てきました。
紅茶を頼むと、南部鉄器みたいな急須で出されるようです。
さっきの個展の逆バージョンだなと面白く感じました。

今月24日まで伊勢丹新宿店本館5階で開催中です。
是非皆様もいらしてみてください。

(risaia)

2014年6月14日土曜日

日光東照宮に行ってきました。

修論と葛藤しているMengfeiです。

先週末、先々週末も、日光に行ってきました。
いろいろ刺激があって、四回ぐらい書かせていただきたいです。

日光東照宮ずっと行きたかったんです。
Coaldrake先生の授業で、みんなで行ったことを聞いたとき、すごく羨ましかったです。
1999年に「世界遺産」に登録された日光の社寺は「二社一寺」となっています。
東照宮、二荒山神社、輪王寺のなかに、東照宮が一番若いわりに、一番知られているかもしれません。

あいにく、「日本を代表する最も美しい門」陽明門は平成の大修理のため、何も見えませんでした。
修理終わるのは5年後!最近、宇治の平等院が再公開され、姫路城大天守(写真を見て、本当に真っ白になって、びっくりしました)の修理が進行中、仕方ないですね、修理がどうしても必要ですね。
でも、東西壁面の羽目板の下に隠れた壁画が今しか見れないです。ラッキーでした。

他に神厩舎(しんきゅうしゃ)の三猿、眠り猫も見ました。
猿や杉、猫、ここのお守りやすごく品種が多くて、驚きました。
「眠り猫」への道、たくさん案内の看板があって、まさかに、眠り猫より大きい印とは!

ちょっとミュージアムの展示を思い出しました。
修論で、いつも考えているのは、最近の博物館・美術館「分かりやすさ」を目指す傾向があって、それはなぜでしょう。
難しいもの、難しいまま放っとくのがエリート主義でしょうか。
「分かりやすすぎる」というのはないでしょうか。
まさに、探さなくても、「はい、眠り猫だね」と矢印がさしているところにふむふむ、それで満足し、帰るのが理想でしょうか。

この疑問を抱えて、これからもじっくりと考えていきたいです。

最後は鳴竜のところでした。
すごい商売上手の案内人・お坊さんがいました。
鳴竜の説明して、最後に「ぜひ今年新色のむらさきの鳴竜お守りをお求めください」と。
なんだか、最近、日本のお寺や神社も商業の匂いがぷんぷん。

帰ってから、分かったんですが、客殿・社務所が丹下健三設計しました!
まったく気づきませんでした!今度工事完成したとき、また行きたいです。

いろいろな考えを修論にも反映させたいんですが。
まだまだ勉強不足で、答えをつかめるまで、こらからもっと頑張らなければなりません。

2014年6月11日水曜日

【イベントのご紹介】文化セミナー どうなってるの? 文化政策 ~芸術文化に公費を投入する根拠と戦略~

毎日突然の雨に降られて驚いていますが
みなさま体調を崩さずにお元気にお過ごしでしょうか?
夏が待ち遠しいです。
今日はイベントのお知らせです。
 
先日職場にいらした方からご紹介いただいたセミナーなのですが
平成29年秋オープン予定の小田原市の芸術文化創造センターについてです。
キーワードは「公共施設」「文化政策」「公費投入」とまさにこのゼミにぴったりの内容。
講師は静岡文化芸術大学教授の片山泰輔先生です。
公共ホールはいざ作ろうとしても、資金面においてもなかなか進まないこともありますが
一番は公的資金投入の根拠を見せることなのではないかと思います。
そんな中、現在進行中のタイムリーなこのテーマ、事前申し込みも不要のようですのでお時間があればぜひ。

 

■日程 平成26628日(土)

■時間 14001630

■場所 小田原市民会館 第3会議室

■詳しくはHPにも載っています⇒
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/field/lifelong/culture/event/130929culture-seminar-4.html

Nobu

2014年6月9日月曜日

雨の日は、著作権ビジネスに携わっていた頃に立ち返って

こつこつと、修論の準備で日々が過ぎているM2のpugrinです。

わたしの研究の主な登場人物に円谷プロダクションがあるのですが、
円谷プロダクションという会社は今、株式会社フィールズという「パチンコ屋さん」
の子会社となっています。
フィールズがどのような企業で、どのように円谷プロダクションと関わっているかは
修論の発表に置いておくとして、わたしは会社勤めをしていたときに、
まさに「パチンコ屋さん」との契約業務を行っていたので、
今回はそのときの経験を書こうと思います。

パチンコといえばじゃんじゃんバリバリ大きな音で、
中高年の男性のもの、しかも田舎に多いもの、というイメージが強いのではないかと思いますが、
2004年ごろからアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」とタイアップした機種が出てからは
いろいろなアニメや漫画、タレントとタイアップした機種が増加しました。
その機種でしか見られない映像や、その中でしか聞けない音楽があることにより、
若い男女のファン、そしてパッケージの売れなくなった映像・音楽業界をも惹きつけてきています。

わたしはそのような音楽・画像を携帯電話に配信するために
権利元のパチンコ機の製造・販売業者と「著作物利用許諾契約」を交わしていました。

いわゆるJ-popを配信する場合と違い、そのような企業との契約は
非常に時間のかかるものでした。
まず契約書初稿(ドラフト)のやり取りですが、先方は初めての音楽ビジネスのため
契約書ひな形を持っていない。
すると自社のひな形に条件を記載して送付するのですが、
かなりの時間が経ってから、真っ赤に修正を入れられて返ってきます。
内容としてはあれもこれも権利を許諾しない、ということで、
著作物の利用を制限したい気持ちはわかるのですが、
配信そものもができないほどにNOを出してくる。
つまりやろうとしているビジネスの中身と、法律の兼ね合いが理解されていないようでした。

もちろんその業務をやっていたのは2009年頃のことなので、
まだ著作権に詳しくない業者さんも多くて仕方がなかったことと思います。
わたしはそれらのNOに対して、一つ一つ
「ここはこのような理由でOKしてもらわないと配信ができません。
もしリスクがあったとしてもこのように対処するのでご迷惑はおかけしません」
とコメントを入れていました。どの会社でも同じようなことが起こるので、
コメントのテンプレートができるほどでした。

時間はかかるものの、きちんとプロセスを踏めば契約は締結できたのですが
2010年に暴力団排除条例が施行されたのが問題でした。
東京都では暴力団と関係のある企業との取引は行わないよう努力義務が課せられたため、
「わたしたちの契約には暴力団は一切関わりません」というような内容を
契約書に一文入れなくてはならなくなりました。

ここでも他の企業であればすんなり通る契約書が、パチンコ屋さんたちの反発を招いたのです。
上記の文面に真っ赤に削除線を引いて返してきた企業もありました。
「私たちは暴力団と関係があるのだから、このような文言は入れられては困る」
ということが丸わかりでした。
簡単な契約書のはずなのに、ビジネスは進もうとしているのに、このようなやり取りのおかげで、
「それほど時間と手間をかけるなら、儲けとつりあいが取れなさそうだから辞めよう」
となった企画もいくつかあったと思います。
わたし自身、本当に進めたい企画ならなんとか締結できないものかと思いましたが、
どうにも難しいようでした。

途中から、そのような画像や音楽を配信する場合に、
他のレコード会社などが間に入って取引を行う例も増え、
直接にパチンコ屋さんとやり取りをすることは少なくなったように記憶していますし、
彼らも著作権について対応を検討したと思うので、
今ではそのような理由でダメになってしまう取引は減っているのではないかと予想します。

パチンコ自体の是非を問うつもりはありませんが、
こうした経験から、円谷プロダクションの地域での活動を読む際に
親会社との関係がどのように影響を及ぼしているか、
注意しながら研究を進めていきたいと思っています。
関係各社の会社情報を読みながら、なんだか懐かしい調査をしている、と思い出しました。

2014年6月5日木曜日

初の試み!サザンセト・ロングライドinやまぐち



私の出身地は山口県柳井市ですが、瀬戸内海を挟んだお隣に周防大島町というまちがあります。
人口は18000人ほどで静穏な港町です。週末にたまにドライブに出掛けたものです。
しかし65歳以上の高齢者が半数近くを占めていることからも、若者がいつかない町でもあります。

そんな周防大島町で今年11月に「第1回サザンセト・ロングライドinやまぐち」が開催されます。
地元民としてはなんら目新しい言葉ではありませんが、サザンセトとは勿論「南+瀬戸」の造語です。
参加定員は1800名、参加費9000円、コースは150kmのロングライドコース。
競技レースではなく、「瀬戸内の知られざる名ルートを走る」という趣旨のようです。


美しい景観を誇る大町にも「アルプスあづみのセンチュリーライド」がありますよね。
先月開催されたセンチュリーライドでは定員の1600名がサイクリングを楽しみました。
センチュリーライドは2009年より始まり、初年の参加者は136名でしたが定員の増枠もあって参加者は毎年うなぎのぼりでした。
今年の参加費は高校生以上は900019000円。高くない?というのが素人の率直な感想です()
こうしたイベント開催時ではない平常時に自分で走れば無料なんですよね。
それだけの付加価値があるのか、私が調べた限りでは分かりませんでした。
いずれにしても、素人からすればサイクリングにこれだけ支出するのは高額に感じられ、
素人も巻き込むというよりはサイクリング好きのためのイベントのように思われました。
コースは40km160km5種類が用意されていて、昨年は半数以上が160kmコースに参加しています。
また昨年、長野県からの参加者(396名)に匹敵する東京都からの参加者(376名)があったことは注目すべきことだと思います。
大町の自然の清々しさとサイクリングコースとしての相応しさを知る人が、それだけ東京にいるということでしょうか。
逆に言えば、長野県内からの参加者が相対的に多くないことは残念なことのようにも思います。


さて、周防大島町の話に戻ります。
2つのサイクリングイベントの公式サイトを見てみた印象ですが、
大会概要のページに関して周防大島のものはセンチュリーライドより面白くなさそうでした。
重要なことではありますけれども交通規制の話や時間制限の話が細かすぎて、
自然に包まれながら自転車で島をめぐる、という乙な楽しみ方を一切感じなかったのです。

私は最初この周防大島のサイクリングイベントを知ったとき、今年119日帰省しようかな!と思っちゃったりしました。
というのは周防大島は海も山も本当に綺麗な島ですし、11月という麗らかな季節にそこでサイクリングを楽しめることは贅沢だと思ったからです。
しかし、費用が意外と嵩むことに加え、サイトに細かい規則ばかり書いてあるのを見て、ダブルパンチで気持ちが沈んでしまいました。
もっと敷居の低く参加しやすいサイクリングイベントであればわざわざ帰省したのに、と残念に思います。
そして、引いた場所から「あーあ、参加者が一人減っちゃったよ」と勿体なく思っている自分もいます。

とはいえ、私は地元が大好きです。
離れた東京にいても、地元の人たちが楽しく暮らせることを願っています。
このサイクリングイベントも、初年なのでまだ実績はないわけですが、
そのための一助とまではならないにしても、なにかを引き起こす可能性はあると思います。

高齢者の人口比が高い現状が悪いと断定できる根拠を私は持ち合わせていません。
しかし、このサイクリングイベントによって若者が周防大島の良さを知り、
離れようとした人が留まったり、離れた人が戻ったり、新しく移住する人が出てきたり、するかもしれません。
そうして新しい風が吹き込めば、周防大島はもっといきいきするのではないかと思うのです。 

おそらく、というか間違いなく、今年は1600名も応募があるはずがありません()
アルプスあづみのセンチュリーライドの場合は、長野県で開催されるわけですから、東京都から少し足を延ばしたサイクリングファンの参加も見込めたのです。
山口県は本州の端っこです。ふらっと行ける立地では決してありません。
ですが、開催を重ねるごとに徐々に参加者も増え、良い島だなと思ってくれる人が広がっていけばいいと思います。
私の感覚では、周防大島の人は自分の土地に十分愛着を持ち誇りを持っているように思われます。
ですから、地域への誇りを持てているかという点では、特に心配していません。
しかし外から来る人と触れ合い自分の島への感想を聞くことや、自身も改めて自分の島を自転車で巡ってみることで、
新しい良さに気付けるきっかけとなるかもしれません。

risaia 

2014年6月4日水曜日

イベントのご案内:第2回多文化アートプラットフォーム コミュニティ・ワークショップ

私が毎週のように訪れている「小金井アートスポットシャトー2F」という場所で、
「第2回多文化アートプラットフォーム コミュニティ・ワークショップ」が6月8日(土)に開催されるそうです。

以下、フライヤーより抜粋です。

多文化アートプラットフォームは、「グローバル化」「アイデンティティ」「故郷」「帰属場所」をテーマとして創作活動を行ってきたリュウルーシャンをファシリテーターとして迎え、多文化社会における課題と展望について考える領域横断的な表現の場を目指しています。
第2回 多文化アートプラットフォームでは、「多文化とメディア」の問題に焦点を当て、多様な文化的背景を生きる人々の声を発信していく新たなメディア実践の可能性について探ります。多文化とメディアに関心がある方、移住を経験したことがある方、外国にルーツを持つ移住者の方、ワークショップでともに語り合い、あなたの考えを表現してみませんか。

今日私がまちなかを歩いているだけでも、何人もの外国人の方とすれ違いました。
ゼミにも何人も留学生が参加しています。
国境を越えることがふつうになった中で、私たちの文化とは、国とは、何を意味するのでしょうか。
日本の中にいると、なかなか多様性とか多文化ということを意識しないかもしれません。
しかし、少し視野を広げてみると、そこにはたくさんの文化が溢れていると思います。
国とは、国境とは、文化とは何を意味するのでしょうか。
そんなことを考える機会になるのではないかと思います。

直前のご案内になってしまい恐縮ですが、
ご興味のある方は、下記リンクにて詳細を参照いただき、お申し込みください。
http://chateau2f.com/news/index.php?itemid=115


(tantaka)

2014年6月3日火曜日

横浜開港祭 ザブラスクルーズ~日本の吹奏楽発祥の地 横浜で楽しむブラス一色の一日~

 
ひさしぶりの投稿になりました。
気が付けばもう6月に入り、すでに夏を感じさせるような暑い日が続いており
驚いています。
今日、6月2日は横浜の「開港記念日」でした。
公立の学校はお休み、りんこうパークでは横浜開港祭が開催され
夜には港から花火も打ちあがるにぎやかな一日です。
そんな華やかな横浜開港祭の中でも印象的なイベントをご紹介します。
 
横浜開港祭ザブラスクルーズ2014は今年15回目を迎える吹奏楽の大きなフェスティバルです。「-日本の吹奏楽の歴史は、横浜から始まった」というキャッチフレーズに負けない実力ある団体が一堂に会す豪華なブラスイベント。今年は61日に開催しました。
HPはこちら⇒http://www.the-brass-cruise.org/
 
横浜は高校の吹奏楽部のレベルも高く、吹奏楽コンクールでの入賞常連校も多数あります。
横浜消防隊のブラスバンド、警察音楽隊、カラーガード、マーチングバンドなど
港町らしいブラスバンド活動もたくさんあります。
ブラスバンドに参加している方の一番の共通点は「みんな吹奏楽が大好き」なこと。
ステージの演奏者はもちろん、裏方で手伝っている方も、動線案内の方も学生からご年配の方まで世代を問わずみなさんとても生き生きしているのが印象的です。
吹奏楽の魅力は一人では成しえないところ、同じ熱意の人が集まって形になることなのかもしれません。
なにより吹奏楽のはつらつとした迫力のある音を聴いていると自然に元気になります!
きっと発信している一人ひとりの熱意が「横浜は日本の吹奏楽発祥の地」という歴史を支えているのだと思います。
毎年恒例のイベントなので、今年聴き逃してしまった方もぜひ来年にご期待ください!
 
余談ではありますが
学生時代に吹奏楽部に入っていたら、あんな一体感に参加できたのかなと、ちょっと残念に思っていたところ、(ちなみに高校時代はのんびり茶道部でした)
意外なお誘いでP-BONEというプラスチック製のトロンボーンを吹く会に参加することになりました!とてもキッチュな色合いのプラスチック製で、私はピンクを購入。
 
これが音を出すのがとても難しく、大苦戦。管楽器を演奏できるってすごいことだと今更ながら実感しました。ちなみにこの「P-BONEの会」は結成飲み会以来、お休み中…。レッドとイエロー、ピンクまではいるので、そろそろブルーかグリーンを勧誘してがんばりたいと思います。
Nobu
 
 
 

 

2014年6月2日月曜日

情報源とデジタルアーカイブを少しと

情報源に関しては総合図書館の「情報探索ガイダンス」に行くのが一番良いとは思いますが、自分用の備忘メモも兼ねてまとめてみます。だいぶ偏っています。

東大に所属していて学術情報を探すならまずここ、と言われていました。
最近TREE (UTokyo REsource Explorer)http://tokyo.summon.serialssolutions.com/という電子ジャーナルなどを一括して検索できるところができたようですが、自分ではあまり使いこなせていません。とりあえず名前だけ挙げておきます。

東京大学OPAChttps://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/
東京大学図書館の蔵書検索。検索結果画面の詳細表示で資料に付与されている件名から検索するのが割と楽しいです。自分で思いつくキーワードだけで検索すると、その言葉がタイトルなどに含まれている資料しか出てきませんが、件名検索であれば直接その言葉が含まれていない場合でも同じテーマの資料が見つけられるので便利です。件名がつけられてない資料は出てきませんし、図書館の本棚に行って背表紙を眺めてみた方が使える資料が見つかる場合もありますけど。

国立国会図書館の蔵書検索。

国立国会図書館 リサーチ・ナビ(http://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/
不慣れな分野を調べるときなど、どのような情報源に当たれば良いのかわからない場合に最初のとっかかりとして。

国立国会図書館 リサーチ・ナビ 公共図書館パスファインダーリンク集
都道府県立図書館と政令指定都市立図書館が公開しているパスファインダー(調べ方案内)のリンク集。郷土資料や地域資料など、公共図書館での所蔵をもとに、それらの情報を調べるときにどのような資料に当たれば良いかがわかるので便利かと思います。ビジネス支援サービスの一環として規格や企業などビジネス関連情報の探し方についての情報を提供しているものもあります。

国立国会図書館サーチ(http://iss.ndl.go.jp/
様々な情報源を一括して検索できるところ。
 検索対象データベース一覧(http://iss.ndl.go.jp/information/target/
 デジタルアーカイブなど色々な機関の情報が検索対象となっているようです。

カーリル(https://calil.jp/
全国の図書館の蔵書を横断検索できるところ。

CiNii Bookshttp://ci.nii.ac.jp/books/
大学図書館の本を探すときに。

CiNii Articleshttp://ci.nii.ac.jp/
日本の論文を探すときに。

国立西洋美術館 研究資料センター 学術情報案内
美術分野の文献を探すときに。カタログ・レゾネや一過性資料(エフェメラ)、展覧会、来歴の情報などの調べ方も載っています。
ここで紹介されているものを2つほど取り上げると、

 Art Libraries’ Consortium 美術図書館横断検索http://alc.opac.jp/
 美術館付属の図書室のOPACを横断検索できるサイト。検索対象は、東京国立近代美術館、国立新美術館、東京都現代美術館、横浜美術館、国立西洋美術館、東京都写真美術館、東京国立博物館、江戸東京博物館、神奈川県立近代美術館。美術関係のカタログなどの文献は普通の図書館よりもこのような美術館付属の図書室の方が多く所蔵されている場合があります。開室日や利用条件はそれぞれ異なるので、訪問する際はあらかじめ調べてからが良いでしょう。

 Weltausstellungen im 19. Jahrhundert
 19世紀の万国博覧会に関する資料を検索できるようです。

他にも色々と。オンラインとオフラインの両方の情報源が紹介されています。


法令データ提供システム(http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi
憲法や法律、政令、省令などを調べるときに。

政府統計の総合窓口(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/eStatTopPortal.do
統計情報を探すときに。

インターネット版『官報』。最近30日分のみアクセス可能です。

カレントアウェアネスで『『インターネットで文献検索』2013年版がプレ公開』http://current.ndl.go.jp/node/23437と紹介されているものですが、
図書・雑誌探索ページ(http://biblioguide.net/index.html
インターネットで文献検索2013年版(http://biblioguide.net/inet2013/
文献の探し方ガイドとしてこういうものがあることも知っておくと便利かと思います。



デジタルアーカイブ関連(2つだけ)

北摂アーカイブス(http://wiki.service-lab.jp/lib_toyonaka/
北摂地域の情報で、写真を主に提供しているアーカイブ。NPO知的資源イニシアティブ編『デジタル文化資源の活用――地域の記憶とアーカイブ』(勉誠出版、2011年)という本の中で紹介されています。

Flickr: The Commonshttps://www.flickr.com/commons/
様々な機関が参加している写真アーカイブ。日本図書館情報学会研究委員会編『図書館・博物館・文書館の連携』(勉誠出版、2010年)という本の中で少し紹介されています。
関連するカレントアウェアネスの記事に『英国図書館がFlickr Commonsで公開した画像コレクションへメタデータ付与するゲームが公開http://current.ndl.go.jp/node/26091というものがあります。

デジタルアーカイブは色々なところで色々な形で行なわれているので、なかなか把握しきれていません。大規模なものや有名なのもありますが、文献の中で紹介されていたものをとりあえず2つだけ。


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