2013年8月31日土曜日

見よ、これが食文化創造都市の力だ



8月も最終日となってしまいました、
時間がたってしまいましたが8月22日~25日山形県鶴岡合宿からただいま!
pugrinです。
 
食文化創造都市ってなんだ
それはどんなところで何を食べているんだ
誰がそれを盛り上げているんだ
そこに住んでいる人はどう思って何をしているんだ
 
そんな疑問と、ネットで調べる限り「なんだか鶴岡ってすごそう」という思いを胸に
われわれ小林ゼミ生は鶴岡へ行ってまいりました。
 
きっと皆さんいろんな角度からブログに感想を書かれると思いますので
わたしからはまず
 
何もかもが美味しかった!!!!!!!肥えた!!!!!!!
 
 
ということを声を大にして言いたいと思います。
 
まずは雲間から朝日差す輝ける庄内平野。

 
前日から宿坊入りしていたメンバーは朝から山伏の宮下さんに畑を見せてもらいました。
 
 
こういうものが
夜こうなります!!+ごはん、汁物、スイカ
(↑野菜はほとんど隣の畑産)
 
そして翌朝はこう
 
右上の茶色いお椀は「力餅」です。
甘~いあんこたっぷりの、いわばお汁粉です。
朝から山伏はお餅です。もちろん白米も食べます。
精進料理、ガッツリ。
 
名物では百けん濠さんにて「麦きり」を食べました。 
右上のうどん状のこれは、うどんではなく、「絹」が入っているのです。
鶴岡で絹工業が盛んだった名残。
絹を食べるなんてちょっと贅沢気分じゃないですか。
 
 
北国とはいえ暑かったので、名物アイスも食べました。
加茂水族館のクラゲアイス。コリコリしてナタデココみたいです。
 
 
観光物産館にしかないだだちゃ豆ジェラート。
山伏宮下さんによるとこれを食べたくて通うお客さんがいるそう。
見たまんま豆がふんだんに入っていて、豆豆しくて美味しいです。
 
 
             オプション最終日にはこんなオッシャレ~♪なものも。
          駅前の青森屋さんのフルーツタルト。自然な甘さで大行列でした。
 
 
 
そして
何より感動したのが
 
農家の宿 母屋で夜出していただいた
白米おむすび
 
です。
 
が、なぜ写真がないかというと、
 
 
 
 
夢中で食べたから。
 
 
 
 
「白」米っていうか半透明米で、口に入れた瞬間あまい。
なんというか、清浄なあまさ。
あ、お米って聖なる食べ物なんだ、と直感するようなおむすびでした。
 
 
「お客さん」に出す「商品」がある程度美味しいのは当たり前かもしれません。
しかし市の職員の方にインタビューしたときも
「食文化創造都市といわれても、これまで食べてきたものばかりだからぴんと来ない」
ということでしたし、
農家の宿でいただいたお料理はシンプルで
決して真似ができないような難しいものではありませんでした。
 
その無自覚さや、素朴な地元の食への愛着
何気ない一品料理に入っている在来野菜
そんなものが鶴岡を食文化創造都市足らしめる根拠として
飾り立てるでも急ごしらえするでもなく、
脈々と受け継がれているのだと感じました。
 
ちなみに母屋の夕食でほかに出していただいたのは
・庄内豚のぶたしゃぶwithモロヘイヤ・根菜グラタン・うりのあんかけ・刺身・茄子の洋風煮びたし
もちろん完全に食しました。
 
 
もしかして地元のスーパーに行ってみても面白かったかも、とも考えつつ
こんなに美味しいものが自然に並んでいるならば
鶴岡、また行きたい!とか帰りたい!と思うし、
この食べ物、それを育てる風土が大きく変わってほしくない!と思いました。
 
そんな食への思いが、人と人をつないでいるのかもしれない、
それが食文化創造都市の持ちうる力なのかもしれない、
というのがわたしの感想です。
 
ではでは

2013年8月18日日曜日

新宿発バス原始感覚美術祭号のお知らせ

ご無沙汰しております、M.Oです。

先般から話題にあがっている長野県大町市で開催中の原始感覚美術祭について、お知らせです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「バス・原始感覚号」

来たる8月23日(金)の朝に
長野県・木崎湖で行われている「原始感覚美術祭」
に向けて、新宿発のバス「原始感覚号」が出ます。

関東にお住まいで、お時間があるという方、
なかなかアクセスしにくい会場の木崎湖まで、ぜひ一緒に遊びに行きませんか?

今年は、昨年までと比べて規模も大きくなり、国内外から
参加する作家も増え、より力強い作品が美しい湖畔のまわりに並んでいます。

異界の空気が漂うどこか浮世離れした木崎湖で、
自転車にのって宝探しのように作品を巡り、暑くなったら
気ままに湖に飛び込み、夜は流れ星を見ながら参加作家とともに
桟橋でお酒を呑み……という体験を、この夏、ぜひ。

8月23日からの3日間は、「海ノ口まれびと祭3days」と題して、
ライブ、縄文土器づくりやおやきづくりのワークショップ、暗黒舞踊のパフォーマンス、
夜のアーティストトーク、などなど盛りだくさんのイベントが開催されています。
http://cosphere.files.wordpress.com/2013/08/3days1.jpg
http://cosphere.files.wordpress.com/2013/08/3days2.jpg

また、会場へ向かうバスのなかでも、尾引浩志さんによる倍音ワークショップ
(アルタイの地に伝わるホーメイという声で倍音を鳴らす演奏方法を学びます)
があったり、写真家の本郷毅史さん、舞踊家・雪雄子さんのトークがあったりと、
かなり濃密な移動時間になりそうです。

お時間のある方は是非是非、不思議な夏休みを過ごしに来て下さい!!

新宿発 8:00 木崎湖畔13:00着(予定)
料金 5000円(税込)
予約・問い合わせ先 bus.genshi@gmail.com
(予約の場合、お名前、参加人数、電話番号、住所、23日お昼のお弁当の要不要をお知らせください。)

○23日昼のおいしいワンコイン弁当(500円)予約できます。
○宿泊については各自ご予約をお願いします。
○今年は、帰りは各自でお好きな時に帰ってもらう形になります。

信濃大町駅から安価なバスや、特急電車「あずさ」でも帰れます。
アルピコバス→http://www.alpico.co.jp/access/express/hakuba_shinjuku/

木崎湖の民宿
・あたらし屋(0261-22-1899)
・大登 いろり荘(0261-22-0654)

美術祭の宿泊アート体験
・「原始感覚の間」「浅井の間」「墓家」「まれびとの家」
http://primitive-sense-art.nishimarukan.com/stay2013.html

また、9月7日(土)、8日(日)には、
「原始感覚美術祭プレミアムツアー」と称して、
田口ランディさんがコーディネートする原始感覚体験型ツアーも行われます。
日程が合いそうな方は、ぜひともこちらにもご参加ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

残念ながら小林ゼミ生は合宿と重なっているので参加出来ませんが、学生の方には学割もあるそうです。
詳細はこちらのページでもご確認頂けます。
http://cosphere.wordpress.com/2013/08/16/%E5%8E%9F%E5%A7%8B%E6%84%9F%E8%A6%9A%E5%8F%B7%E3%80%81%E3%81%B5%E3%81%9F%E3%81%9F%E3%81%B3%E3%80%82/

(M.O)

2013年8月14日水曜日

高山村「文化振興セミナー」参加の2日間!一挙報告

こんにちは。久しぶりに投稿のMubeです。

私も高山村に行ってまいりました。小林先生がいらっしゃるにもかかわらず天気は晴天!お昼に長野駅に集まり、高山村村役場の方々に案内していただき高山村に入りました。

長いレポートになりますが、現地に行っていないゼミの方々との情報共有ということで、ご容赦を。お時間のある時に読んでみてください。


 89日(金)

◆村の目印
Pugrinさんのブログにもありましたが高山村の目印は「高山グランドキャニオン」(と、勝手に呼んでみました)。石の採掘がさかんなためこのような山肌になっています。
 
 

◆小林先生が二人いるような…
ご案内くださったHさんは、小林先生並みにパワフルな方で、昔高校の校長先生だったこともうなずけます。高速対話の小林ゼミにいても一瞬でなじめそうなすばらしいキャラクターの持ち主です。村の歴史にも詳しく、移動しながらたくさんの解説をいただきました。地元のおいしい菓子パンをご調達いただくなど、お心遣いに大感謝です。男子が夜、おいしそうに菓子パンをほおばっていました。

◆久保田村長と面会
早速に久保田勝士村長に会わせていただきました。「ワインをただ作るのでなく、ここに住んでいる人が潤うワインであってほしい」と、ワイン特区でもある村に「若手五人衆」を呼び込み、休耕地をワインぶどう用の耕作地にするため村が補助するなど、将来に向って村をどうしていくのか、非常に明快なお話をしていただき、皆聞き入りました。

◆アンチエイジング
ひきつづき久保田村長より、長野県全体の漬物の減塩運動、沖縄との交流、白澤卓二順天堂大学大学院教授との連携など、「ただ長生きなのでなく健康に長生き」ということで、高山村の環境が健康に非常によい要素がそろっているともうかがいました。実際、空気が澄んでいるためテレビランキングでも「星空の美しい村」で世界ランキング3位と放映されたそうですし、豊富な果物、金賞になったシャルドネワイン、きれいな風景(ほんとうにけばけばしい建物がなくて落ち着いた風景なのです)…ポテンシャルの高さに参加者一同「ここの村って魅力がある!!」と徐々に高揚感が増してくるのでした。

 

◆公民館
村役場の横に公民館があります。うかがう前に聞いていたように設備はだいぶ古くなってしまっています。講堂では昔、結婚式も行われていたそうで、装飾性の高い天井に、ふすまのような扉、ホリゾントの金屏風など、当時の方々が知恵をふりしぼってどうやって使おうか考えていた様子がしのばれます。それはそれでいとおしいというか、いろんな夢を抱いて設計したのだろうなと思います。今度また高山村の方々が新たな夢をかたちにしていく第一歩として今回の「文化振興セミナー」が開かれるわけです。
 
 
 
 
◆図書館
こちらも狭いながらも新着図書や本の紹介コーナーが設置されています。若手司書のTさんががんばっていらっしゃいました。訪問時は子どもたちが学校の宿題をしていましたが、学校図書館と並行しながらの利用だそうです。安易に他の図書館との比較でここの図書館を語るのではなく、村内の図書機能、隣接する他の自治体の図書館、アクセスなどを考えながら改善策を考えていくべきだなと思いました。
 
 
 
 
◆一茶館訪問
建築学科出身Tさんが「実際に見るとかなりすごい!」と声をあげていましたが、最高裁判所などを設計した岡田新一氏の一茶館は一茶の心情を表現して「曲がって」います。しかし、高山村の文化施設は全体的に山の稜線に沿ったシックなものが多いので、突飛に思えるこの一茶館も周囲になじんでいます。展示機能はすばらしく、ケースや照明も新しいです。館長さんが一茶の全20,000句を中学生のボタンティアとともにデータベースにするなど、ここでも地道な活動がきらりと光ります。展示物をみれば江戸時代から地元俳句結社による句が書き連ねられた奉納俳句の板書があるなど、文化的に豊かだった状況がうかがえます。映像「一茶・こころの旅」は時代劇ファンのわたくし好みの作りでなかなかしみじみします。アニメーション「父の終焉日記」は時間がなく見られませんでしたが、今度はゆっくり訪れたいところです。
 
 

 

◆高山村歴史民俗博物館
こちらは一茶館にくらべて展示設備なども古く、興味のある人には面白いけれどもなかなか人は訪れないかもしれない施設でした。2階には蝶のコレクションもあり、これがどれくらいの規模のコレクションかはわからないのですが、かなりの数の標本が置いてあります。その横に発掘品もケースに入ったまま棚に置かれているなど、やはり資料がもっと活用されるとよいな、という印象でした。

ゆかりの人物に森鴎外と同期の東大薬学部教授勝山教授がいる(Webでは調べきれませんでしたが)、展示物の立体地図?なるハリボテ風な地図は土地争いの裁判訴訟で使用されたとして東大法学部の教科書に掲載されているなど、レアな情報もいただきました。
 
 

◆保健福祉総合センター「チャオルの森」
介護保険の導入にともない建設が検討された施設です。子ども(チャイルド)からお年寄り(オールド)までということで「チャオル」と命名されているように、子育てやボランティア支援関連室、健康管理センター、高齢者福祉センター、障害者等訓練作業場などが広い平屋建ての施設の中に併設されていて、ここにくれば一度に用事が済ませて機能的です。

施設の真ん中に「ふれあいホール」があり、中庭も美しく、ふんだんに天然木が使用された内装はすばらしいものです。しかし肝心のアクセスの足であるバスの運行がまばらであったりするので、利用がそんなには多くないとのことでした。隣には高齢者福祉施設が広がり、都会の施設を見慣れた者としてはうらやましい限りですが、高齢化の進行により施設維持が難しくなることは、ここ高山村でも将来問題になるのだろうなと思いました。

You游ランド
垂涎の施設です。光降り注ぐ大きなプールの水はすべて「温泉」。ちょっとしたジムやマッサージマシン、食堂を兼ね備え、夏休みのためおじい様とお孫さんが楽しく泳いでいます。まさに泳いでアンチエイジング…料金も安いのですが、Hさんによると県外利用者が多い、高山村の人々は働いているのでそんなには来られないとのことでした。確かにお盆前の時期、プールにいたのは高齢者と子どもさんだけでした。
 
 

この施設の外には広々とした芝生公園とちいさな野音(日比谷野外音楽堂)?!みたいな素敵な野外ステージがあったり、屋内ゲートボール場(これも素晴らしい曲木の建築!)があったり、「野外演劇とかできないかな」とみんなから次々とアイディアが湧き出てしまうほどゆったりとした施設環境になっています。

信州高山アンチエイジングの里スパイン
高山村研究でゼミのみなさまにもその名が知れわたっている「スパイン」。
なんといっても「アンチエイジングジュース」、スペシャルブレンドを全員で頼みます。そして名物「にらせんべい」も併せてオーダー。いただいた感想は「いつも走っている小林先生やゼミ生にこそこの飲み物が必要!!」と思えるくらい体にしみいりました。にらせんべいも絶品です。ビールに合います。

高山村の名産物や案内が置かれている施設ですが、山田温泉郷の中にあるので、宿泊客が気軽に立ち寄るかんじで、ちょっとした温泉街のバールみたいで素敵でした。
 
 
 

◆山田温泉
いい湯です。でも非常に高温です。かつてないほど高温でした。筏流しの歌が飛び出すほど、湯冷ましに必死でしたが、ほんとにいい湯です。おすすめです。

天才栽培家 佐藤宗一さん登場
夜にはワインぶどうのカリスマ栽培家、佐藤さんが宿に来てくださいました。シャルドネとピノノワールのワインぶどうとワインをご持参いただき、栽培の難しいピノノワールで世界一になる!高山村もすごいことになる!と大いに夢を語っていただきました。留学生Mさんの質問も冴えわたり、たくさんのお話をしていただけました。人生に必要なのは「執念 信念 理念」の名言も。運転手で来てくださった若手栽培家の女性もこれからの期待の星で、次世代の人材も育ちつつあるワイン産業に期待大の感触がありました。

 

 8月10日(土)

◆山田牧場
この日は朝8時から移動し、山田牧場、カリヨンホールを見学しました。カリヨンホールは牧草地の中の野外ステージです。しかしここで音楽祭などのイベントをしても車内泊だったり、テントで宿泊してしまったりで、地元への還元があまりないのが悩みだそうです。
キャンプの人たちにも使いやすい清潔な公立トイレも設置されていました。キャンパーにとってはありがたいことです。牧場の牛と開放的な風景につられて男子メンバーふたりはしばしどこかに行ってしまいました。




◆雷滝


渓谷のはざまに出来た滝は、片方の谷から飛ぶように水が落水する…と書いてもわからないくらい面白い落ち方をしています。滝の裏を見てから正面を見ることができます。滝好きの方は必見です。圧巻の情景で、しばし見とれます。高山村にはこのほかにも八滝や七味大滝があります。今度はそちらも見てみたいです。
 

 

そののち村内の中学校、小学校、保育園、コミュニティーセンターをさっと巡りました。

◆高杜神社
古式ゆかしいお社で、秋祭りには7つの集落の神楽がここに結集するそうです。神楽殿をそなえ、諏訪大社系の神社であるため御柱があります。しかしながら神楽の継承も大変とのこと、若手不足がここにもひびいてきます。
 
 

そののち福島正則にまつわる史跡、江戸時代に飢饉にそなえるための「郷蔵」などもご案内いただきました。


◆小布施 まちとしょテラソ
午後の事例報告にも出てくるので、無理にお願いして隣町小布施の「まちとしょテラソ」にも連れて行っていただきました。高山村からの利用者も多いとのことで、新しい図書館として注目を集めている施設を見学できたことは、今後の高山村の施設を考える上でも参考になりました。ひとつ、食事のできるテーブルがあったのですが、案外これが重要で、飲食禁止の従来の図書館の場合、厳冬期に学生などが食事を屋内でできないのは酷なことだそうです。雪や寒さに閉ざされる時期がこの地域にはあることを忘れてはいけないと考えさせられるエピソードでした。

◆買い物について
小布施には大手スーパーが進出し、「6次産業センター」という地元産の食品を取り扱った施設もあります。須坂にも大きなスーパーがあるそうで、高山村の方々はそこに行って買い物するそうです、もしくは農協の宅配、村でひとつだけの魚の移動販売があるとのこと。コンビニも乱立せず、派手なスーパーもないのは景観として外部者にとってはきれいだなと思うのですが、村民の方は不便なこともあるでしょう。高齢者の買物難民の話も出ました。

何がよいかは簡単に論じられませんが高山村のような生活もあるわけです。

こののち午後から文化振興セミナーが行われました。その報告はPugrinさんのブログをお読みください!
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
 
このようにして、非常に短時間のうちに、たくさんの施設、史跡、観光スポット等をご紹介いただきました。今回の文化振興セミナーを企画され、それに伴い私たちの案内コースを計画し、アテンドしてくださった職員の皆様、当日のセミナーの運営でお世話になった皆様に心より感謝申し上げます。貴重な体験をさせていただきました。そしてまた高山村を訪れたいと思いました。どうもありがとうございました。

////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
 
そしてゼミのみなさまにも、ゼミでの入念な調査のおかげで高山村組は発表にこぎつけることができました。ご協力をありがとうございました。
 
/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

 

 

 

 

 

 

 

2013年8月13日火曜日

行ってみた!発表した!in高山村報告

今年一番の暑さを更新し始めた8月9日、10日
わたくしpugrinはじめ5名のゼミ生は
小林先生とともに長野県高山村に訪問してまいりました。

その5名にて高山村に関するブログをアップしますので
わたしからは高山村訪問のメイン
「まり先生の一言セミナー」での発表について記載いたします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

セミナーのテーマは「公共施設を活用した美しい村づくり」で、
村長、教育長からのお言葉の後小林先生からの講演、
次いでゼミ生からの事例発表、最後に意見交換会という流れでした。


発表しました内容はざっと以下のとおりです。
※ゼミ生の皆様には後ほど発表資料を共有いたしますので、
具体的な施設名は省略させていただきます。

【新しい図書館の模索】:
ただ本を貸して読むだけではない新しい図書館スタイル例の提示。

【文化ホールの持続可能な運営に向けて】:
持続可能な文化施設の運営には地元の人的資源の活用が肝という例の提示。

【カリスマを探せ!】:
特徴ある事業や運営にはリーダーが必須だが、外からつれてこなくとも
地元にもそれは眠っている、という例の提示。

皆様熱心に聴いてくださり、
意見交換会のためにお渡ししたフセンにも
たくさんの気づきがメモされておりました。
特に村長は細かくメモを取りながら聞いてくださったそうですし、
参加された皆さん、講演会の前より、終わった後のほうが
とても生き生きした表情をしていらしたようなので
がんばって準備してきて、本当によかったなあと
高山村訪問チーム全員が
かえって元気をいただいて帰路に着くことができました。

図書館がほしい、ホールがほしいなど
住民の方たちの中にさまざまな思いがあると思いますが、
それを通そう、とするのではなく
お互いに村全体の将来のためを考えて協議すること
すなわち「我(が)をなくす」ことだと小林先生からの金言も出て
わたし自身その言葉を肝に銘じていこうと思いました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて、ここからは少し個人的な高山村の感想です。
高山村が「美しい村」だ、というのは
ホームページでも見て知ってはいたのですが、
わたしははっきり言ってそれをちゃんと理解していませんでした。

しかし実際に訪問してみて、美しい、絶対なくしたくない風景だ、と思えました。
あの見慣れた四角張ったどこにでもある商店や建物が一切ない、
なんというか物語に出てきそうな村なんです。

延々と広がる生食葡萄とリンゴの木、
フランスと見紛うような一面のワイン葡萄棚。
遅れて咲いたアジサイの青にマリーゴールド、ダリアの黄色、
早めに咲いたコスモスのピンク。
お祭りのちょうちん、激しく流れ落ちる滝、
そしてなんといっても長野駅からも見える高山グランドキャニオン
(山の禿ている部分あってが、似ているのですw)。
 


トンボやカエルを見つけては
「いた!」とはしゃぎたくなる、
そんな眩しい夏をすごせそうな村でした。


二日間高山村の空気を吸って、
すっかりアンチエイジングできたような気がします^^

小林先生が高山村に呼ばれて、
ゼミ生として訪問できるチャンスを得られて本当によかった。
うれしいことに、村の方たちが最後に
笑顔で「また来てください!」と言ってくださったので
ぜひぜひ、また行きたいと思います。

2013年8月12日月曜日

National Day Parade 2013―鉄道跡と墓地で祝すシンガポールの独立記念日

 89日はシンガポールの独立記念日。こちらではナショナルデーと呼ばれ、独立以来毎年この日を祝うパレード(National Day Parade / NDP)が開催されています(公式サイトで当日の動画配信中)。当初は市街地を行進していたパレードは現在観光名所のマリーナ・ベイ・サンズ・ホテル近くの野外会場(15万人収容)で行われています。老若男女の市民によるパフォーマンスもあるのですが、見どころは軍隊の行進と空軍の航空ショー、そしてクライマックスを飾る花火です。シンガポール在住の日本人からちょっと物足りないという声が漏れている花火は15分ほど続き、イルミネーションが輝く高層ビルの立ち並ぶ夜空を彩るものの、戦闘機の騒音と相まってあたかも戦争が始まったかのような物騒な雰囲気を感じざるを得ません。毎年異なるテーマのもと実施されるナショナルデー・パレードですが、国民に国軍の強さと愛国心を再認識させる舞台となっているのです(今年のテーマは「私の物語、一つのシンガポール」)。今年はそんな喧騒から離れて一味違ったイベントに参加しました。以前ご紹介した旧マレー鉄道路線跡の散策と、道路建設で一部が破壊される華人共同墓地ブキット・ブラウンの特別ツアーです。


枕木が撤去された鉄道路線跡。
まさに緑の回廊。
 シンガポールとマレーシアを結んでいた鉄道の廃線を機に市民団体の保存活動を行い、現在シンガポールの中心部を縦断する全長約26キロの路線跡がウォーキングとサイクリングのための緑の回廊(Green Corridor)として保存されています。市民有志の呼び掛けで行われた路線跡の散策は、独立記念日に自然と文化遺産の残る路線跡を歩いてシンガポールの未来を考えましょうという趣旨。国籍も年齢も様々な130名ほどが朝8時半から夕方4時まで、約15キロの道のりを歩きました。
  
 道中には鉄道に関連した鉄橋や家屋、労働者のためのヒンドゥー寺院などが点在し、散策の最終地点が華人共同墓地ブキット・ブラウンとなっています。枕木の撤去された路線跡には緑が生い茂り、色鮮やかな熱帯の花々、トンボ、野生の鶏など都市国家シンガポールのイメージとは程遠い豊かな自然が目の前に広がります。

廃線となった後も残る鉄橋と線路。
 以前「使って守る文化遺産」としてこの路線跡で開催されたマラソン大会をご紹介しましたが、それ以降は大規模なイベントは行われておらず、緑の回廊が将来も保存されるづける保証はありません。参加者の一人が「使う人が居なくなったら再開発が始まってしまうかもしれないと思って参加した」と言うように、このイベントには緑の回廊を自然のままに保存したいというメッセージも込められていました。また他の参加者は「税金を使って遊歩道を新たにつくるのではなく、現存する自然のままの姿を残したい」と話していました。

 さて、ゴール地点にある広大な華人共同墓地ブキット・ブラウンでは毎週末市民ボランティアによるガイドツアーが行われ、道路建設の反対と墓石の文化的価値や埋葬されている先人たちの経歴、自然の豊かさなどを紹介しています。ナショナルデーには建国48周年にちなんで偉大な先人48人の墓をピックアップして献花する特別ツアー“National Deceased Pioneers”が行われ、鉄道跡散策の参加者の一部にツアーのために墓地を訪れた人を加えた約80人が参加しました(ナショナルデー・パレードの略称NDPを文字っている)。

 各々花を手にジャングルに埋もれた墓石を見学した後は、シンガポール国歌を歌い、国民の誓い(National Pledgeを唱えます。多言語社会であるシンガポールの公用語は英語、華語(北京語)、マレー語、タミル語の四つですが、国家は国語であるマレー語で歌われます。人種・言語・宗教を越えて一緒に平和で民主的な国を発展させていくことを誓う国民の誓いは、愛国心育成の一環としてシンガポールの生徒たちが毎朝斉唱しているものです。

ボランティアガイドの案内でジャングルの奥に眠る
華人のパイオニアの墓石を訪れ献花する。
 国家から国民の誓い、そして1分間の沈黙という流れは、前述の政府が実施するナショナルデー・パレードのプログラムに倣っているようです。しかし、それが行われる場所と仕方は大きく異なっていました。シンガポールに移り住むまで多民族社会に暮らしたことのなかった自分にとっては「異なる民族・宗教・言語を越えて一つになる」という概念は言葉として理解できても、実感し難いものであり、美麗美句の域を抜け切りませんでした。独立記念日を共に過ごしたシンガポールの人々は、生まれた場所も外見も宗教も母語も異なります。そんな彼らが上記のような国民の誓いを諳んじる姿は感動的でした。誰彼となく隣の人と手を繋ぎ合って1分間目を閉じると、ジャングルの木々が風に揺れる音や虫の音が耳いっぱいに広がり、所狭しと高層建築が建てられていくこの国で、こうした音の聞ける場所の貴重さが身に沁みます。しかし市民の訴えも空しく、政府は先日墓地を横切る道路建設の計画決定を発表しました。1分間の沈黙を終えると間もなく空軍機が大きな音を立てて上空を横切り現実に引き戻されました。(保存運動サイトの記録)


 墓地でのイベントの模様は、「それぞれのやり方でナショナルデーを祝う人々」として、翌日の無料新聞に写真入りで大きく掲載され、墓地問題への関心の高まりが感じられました(オンライン版は要約のみ)。建国48周年を迎えたシンガポールの人々は、これから先もっと違ったやり方でナショナルデーを祝福するようになるのでは、と思っています。(齋)

2013年8月8日木曜日

告知:シアターでシアターを

最近は殆ど観劇に行けていない日々が続いております。そんな中見つけたのが

シネマート六本木演劇ナイト vol.0

と言う企画。映画館で舞台作品を鑑賞するという企画は今までもありましたが、今回は現代日本の小劇場作品がテーマです。一番新しいもので今年の4月上演(これは実際に観ましたがなかなか刺激的でした)、一番古いものでも2006年の作品。

上演劇団は「青年団」「劇団鹿殺し」「ハイバイ」「庭劇団ペニノ」と演劇界の有名どころが揃っています。それぞれ大いに作風が違うので、何となく気になったものを見るだけでも発見がありそうです。

期間は2013/8/16 - 8/23。vol.0ということでこの先も同じような企画をしてくれるのか?と楽しみ。

小劇場は流行の移り変わりが早く、しかも再演も珍しいのでこういう企画はありがたいです。

(N.N.)

 

 

2013年8月4日日曜日

美術館のおねえさん、はじめました。

「風立ちぬ」を見ようとして満員で
公開初日の特撮映画を見て帰りました、
pugrinです。


夏休み本番、西洋美術館のインターンにて
スクールギャラリートークが始まりました。

第一回目は品川区荏原第一中学校。
美術部12名を2グループに分け、わたしは男子チームのガイドをいたしました。

見た作品は屋外の彫刻、ロダンの「考える人」、
屋内の絵画、マリー・ガブリエル・カペの「自画像」です。

ロダンは、受付から作品の前に行くまでに、すぐ
「考える人だ!」と歓声が沸くくらいやっぱり有名。

本物を目の前にして、彫刻は360度ぐるりと見られるので、
好きな場所を探して教えてね、という問いかけからスタートしました。

よくテレビや教科書で見る角度↑が好き、といってくれた子が半分、
せっかくだから違う視点が良い、といってくれた子がもう半分という感じで、
でもどの子も筋肉の動きに注目してくれました。
そう、「考える人」はただ自然にひざにひじをついているのではなく、
左ひざに右ひじをつけるという、少し複雑なポーズなのです。
これにより、背中の筋肉もぐっとねじれ、
全体に深い思索にふけっている印象が深まります。
わたしはじりじりと夏の日差しに焼かれながら思い悩む
「考える人」の、そんな背中が好きです。




次に見に行った「自画像」は、
「この絵には何が描いてあるかな?何をしているところかな?」と聞いたのですが
「いす」とか「ペン」とか「キャンバス」とか、


ド直球に目の前にある女性の姿については何も言ってくれません。
思春期の男子に女性の自画像は言及しにくかったかな~、ゴメン、男子よ。
と思いましたが、18世紀になり女性がプロの画家として絵筆を取ったという意味では
非常に意義のある作品。
解説をはじめるときちんと目を見て聞いてくれる素直な姿には感心させられました。

しかし時計を見ると予定より10分くらい早い・・・
まずい、と思い、急遽後ろにかかっている国立西洋美術館きっての目玉
モネの「睡蓮」に助けを求めました。
実はガイドのための予習をもちろんしていないのですが、
キャプション片目にありったけの知識で対応。
「さっきの自画像とこれ、何か違うところはあるかな?」
技法に注目してもらったところ、
筆遣いの大胆さ、写実性より雰囲気を大切にしている点などの答えが出てきたので一安心。
終了時間まで、印象派の流れについて話して初めてのトークを終了しました。

なんにせよ気遣いをしたり自意識が高まっている中学生に
活発に意見を出してもらうのは難しい!という感想を持つとともに、
知識を求めて真剣に話を聞いてくれる彼らのために、
次回はもう少し工夫しよう、と思いました。



明けて8月2日はピカソの素描展に伴ったキッズプログラム、「アニマル・ウォッチング」でした!
http://www.nmwa.go.jp/jp/events/fun-with-collection.html

まず素描展の会場でクイズをし、キーワードを集める。
集めると「フェイス」という単語が出てくるのでそこからフェイスペインティングに移り、
完成したらそのままの顔で上野動物園へGO!
職員さんのトークを聞いて、みんなで写真を撮って終了、
というランチをはさんだ長いプログラムです。

初回の参加者は小学生の女子3名、少ないかな?と思いましたが、
インターンも3名なので、子供一人に対しインターンも一人がついてペアになり、
和気藹々とプログラムが進められました。
しかもその前に2回のトライアル(+神田祭も)があったので、
フェイスペインティングが得意になってしまいましたw
もう普段の化粧なんかよりずっと評判がいいです。

小学生は大人しい子もいましたが、逆のたくさんおしゃべりしてくれる子もいて、
そういう子が引っ張ってくれると、まわりもだんだん打ち解けてくれるのがわかりました。
また、フェイルペインティングをしていると動物園のお客さんが珍しがって見てくれるのですが、
サルの檻の前にくると、ガッシャンガッシャン音を立てての大興奮(威嚇?)!!
少しびっくりしましたが、わたしたちが動物を見るように、
動物もわたしたちを見ていることがよくわかりました(^ω^;)


いろいろなプログラムに参加しておりますが、
この夏でインターンは終了予定です。
他の美術館では1年間で更新もあるそうですが、
西洋美術館はそうはいかない決まりですので、後残りのトークなど、
他のメンバーと一緒に楽しんでいきたいと思います♪

2013年8月3日土曜日

幽霊のアトリビュート ―常呂から日本橋へ―


 無事東京へ帰ってまいりました、(志)です。

 常呂滞在中に近隣の博物館見学の機会を多く与えていただきました。知床の自然とかアイヌ文化とか地域の特徴を生かした展示が多く非常に勉強になったんですがね、その中のあるひとつの展示物を見て考えたことをさくっと書きます。
 その展示物は「むかしの暮らし」的なコーナーの江戸か明治くらいの一般家庭の生活空間を再現した展示の中に置かれていた1本の「ひしゃく」です。
 そのひしゃくを見て思い出したのは船幽霊の一種で「ひしゃくをくれ~」言う幽霊です。ちゃんとしたひしゃく渡しちゃうとそれで船に水を汲まれて沈没させられてしまうから穴のあいたひしゃくを渡さないといけないよ、っていうヤツですね。あの幽霊が想像(創造)されたのってやっぱり「ひしゃく」っていう道具が生活の一部にある身近な存在だった時代だと思うんですよね。でも現代の日本の生活様式ではひしゃくってそんなに身近なものじゃないですよね。神社行ったりした時たまに使うくらいで。だとしたら現代の幽霊って何持ってるかな~?って考えたらですね、例えば貞子は呪いのビデオ(VHS)に映ってて最終的にテレビ(ブラウン管)から出てくるし、『着信アリ』は携帯電話(ガラケー)だし。そう考えていくと幽霊が持ってるものって進化してるんだな~と思ったわけです。逆に100年後の幽霊って何持ってるんだろうなって考えると面白いですよね。要するに幽霊の持ち物には僕らの生活が反映されるわけですからね。空飛ぶ自動車に乗ってたらおばけにヒッチハイクされてびっくり、とか、火星旅行に向かうロケットの窓に手形が!!とか。その状況のせいで全然怖くないですよね。時代時代における「幽霊」像を考えることって人びとがその時代に何を持っていたか、何を知っていたかによって変わってくるんだろうなあ~ということをそのひしゃくを見つけた瞬間考えたわけです。2秒くらいで。

 そんなことを展示を見ながら考えてみたい方は日本橋・三井記念美術館にて開催中の『大妖怪展―鬼と妖怪そしてゲゲゲ―』に足を運んでみてください。江戸時代の百鬼夜行絵巻から水木しげる氏が描いた妖怪たちが出迎えてくれます。時代によって幽霊とか妖怪とかの“もののけ”の類がどんな想像力で描かれているかが明確に反映されていて面白いですよーっと。
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html

 真偽のほどはわかりませんがスタジオジブリの名作『平成狸合戦ぽんぽこ』には百鬼夜行のシーンをはじめ随所に水木しげる先生がデザイン協力をされているそうですな。

(志)