2013年8月14日水曜日

高山村「文化振興セミナー」参加の2日間!一挙報告

こんにちは。久しぶりに投稿のMubeです。

私も高山村に行ってまいりました。小林先生がいらっしゃるにもかかわらず天気は晴天!お昼に長野駅に集まり、高山村村役場の方々に案内していただき高山村に入りました。

長いレポートになりますが、現地に行っていないゼミの方々との情報共有ということで、ご容赦を。お時間のある時に読んでみてください。


 89日(金)

◆村の目印
Pugrinさんのブログにもありましたが高山村の目印は「高山グランドキャニオン」(と、勝手に呼んでみました)。石の採掘がさかんなためこのような山肌になっています。
 
 

◆小林先生が二人いるような…
ご案内くださったHさんは、小林先生並みにパワフルな方で、昔高校の校長先生だったこともうなずけます。高速対話の小林ゼミにいても一瞬でなじめそうなすばらしいキャラクターの持ち主です。村の歴史にも詳しく、移動しながらたくさんの解説をいただきました。地元のおいしい菓子パンをご調達いただくなど、お心遣いに大感謝です。男子が夜、おいしそうに菓子パンをほおばっていました。

◆久保田村長と面会
早速に久保田勝士村長に会わせていただきました。「ワインをただ作るのでなく、ここに住んでいる人が潤うワインであってほしい」と、ワイン特区でもある村に「若手五人衆」を呼び込み、休耕地をワインぶどう用の耕作地にするため村が補助するなど、将来に向って村をどうしていくのか、非常に明快なお話をしていただき、皆聞き入りました。

◆アンチエイジング
ひきつづき久保田村長より、長野県全体の漬物の減塩運動、沖縄との交流、白澤卓二順天堂大学大学院教授との連携など、「ただ長生きなのでなく健康に長生き」ということで、高山村の環境が健康に非常によい要素がそろっているともうかがいました。実際、空気が澄んでいるためテレビランキングでも「星空の美しい村」で世界ランキング3位と放映されたそうですし、豊富な果物、金賞になったシャルドネワイン、きれいな風景(ほんとうにけばけばしい建物がなくて落ち着いた風景なのです)…ポテンシャルの高さに参加者一同「ここの村って魅力がある!!」と徐々に高揚感が増してくるのでした。

 

◆公民館
村役場の横に公民館があります。うかがう前に聞いていたように設備はだいぶ古くなってしまっています。講堂では昔、結婚式も行われていたそうで、装飾性の高い天井に、ふすまのような扉、ホリゾントの金屏風など、当時の方々が知恵をふりしぼってどうやって使おうか考えていた様子がしのばれます。それはそれでいとおしいというか、いろんな夢を抱いて設計したのだろうなと思います。今度また高山村の方々が新たな夢をかたちにしていく第一歩として今回の「文化振興セミナー」が開かれるわけです。
 
 
 
 
◆図書館
こちらも狭いながらも新着図書や本の紹介コーナーが設置されています。若手司書のTさんががんばっていらっしゃいました。訪問時は子どもたちが学校の宿題をしていましたが、学校図書館と並行しながらの利用だそうです。安易に他の図書館との比較でここの図書館を語るのではなく、村内の図書機能、隣接する他の自治体の図書館、アクセスなどを考えながら改善策を考えていくべきだなと思いました。
 
 
 
 
◆一茶館訪問
建築学科出身Tさんが「実際に見るとかなりすごい!」と声をあげていましたが、最高裁判所などを設計した岡田新一氏の一茶館は一茶の心情を表現して「曲がって」います。しかし、高山村の文化施設は全体的に山の稜線に沿ったシックなものが多いので、突飛に思えるこの一茶館も周囲になじんでいます。展示機能はすばらしく、ケースや照明も新しいです。館長さんが一茶の全20,000句を中学生のボタンティアとともにデータベースにするなど、ここでも地道な活動がきらりと光ります。展示物をみれば江戸時代から地元俳句結社による句が書き連ねられた奉納俳句の板書があるなど、文化的に豊かだった状況がうかがえます。映像「一茶・こころの旅」は時代劇ファンのわたくし好みの作りでなかなかしみじみします。アニメーション「父の終焉日記」は時間がなく見られませんでしたが、今度はゆっくり訪れたいところです。
 
 

 

◆高山村歴史民俗博物館
こちらは一茶館にくらべて展示設備なども古く、興味のある人には面白いけれどもなかなか人は訪れないかもしれない施設でした。2階には蝶のコレクションもあり、これがどれくらいの規模のコレクションかはわからないのですが、かなりの数の標本が置いてあります。その横に発掘品もケースに入ったまま棚に置かれているなど、やはり資料がもっと活用されるとよいな、という印象でした。

ゆかりの人物に森鴎外と同期の東大薬学部教授勝山教授がいる(Webでは調べきれませんでしたが)、展示物の立体地図?なるハリボテ風な地図は土地争いの裁判訴訟で使用されたとして東大法学部の教科書に掲載されているなど、レアな情報もいただきました。
 
 

◆保健福祉総合センター「チャオルの森」
介護保険の導入にともない建設が検討された施設です。子ども(チャイルド)からお年寄り(オールド)までということで「チャオル」と命名されているように、子育てやボランティア支援関連室、健康管理センター、高齢者福祉センター、障害者等訓練作業場などが広い平屋建ての施設の中に併設されていて、ここにくれば一度に用事が済ませて機能的です。

施設の真ん中に「ふれあいホール」があり、中庭も美しく、ふんだんに天然木が使用された内装はすばらしいものです。しかし肝心のアクセスの足であるバスの運行がまばらであったりするので、利用がそんなには多くないとのことでした。隣には高齢者福祉施設が広がり、都会の施設を見慣れた者としてはうらやましい限りですが、高齢化の進行により施設維持が難しくなることは、ここ高山村でも将来問題になるのだろうなと思いました。

You游ランド
垂涎の施設です。光降り注ぐ大きなプールの水はすべて「温泉」。ちょっとしたジムやマッサージマシン、食堂を兼ね備え、夏休みのためおじい様とお孫さんが楽しく泳いでいます。まさに泳いでアンチエイジング…料金も安いのですが、Hさんによると県外利用者が多い、高山村の人々は働いているのでそんなには来られないとのことでした。確かにお盆前の時期、プールにいたのは高齢者と子どもさんだけでした。
 
 

この施設の外には広々とした芝生公園とちいさな野音(日比谷野外音楽堂)?!みたいな素敵な野外ステージがあったり、屋内ゲートボール場(これも素晴らしい曲木の建築!)があったり、「野外演劇とかできないかな」とみんなから次々とアイディアが湧き出てしまうほどゆったりとした施設環境になっています。

信州高山アンチエイジングの里スパイン
高山村研究でゼミのみなさまにもその名が知れわたっている「スパイン」。
なんといっても「アンチエイジングジュース」、スペシャルブレンドを全員で頼みます。そして名物「にらせんべい」も併せてオーダー。いただいた感想は「いつも走っている小林先生やゼミ生にこそこの飲み物が必要!!」と思えるくらい体にしみいりました。にらせんべいも絶品です。ビールに合います。

高山村の名産物や案内が置かれている施設ですが、山田温泉郷の中にあるので、宿泊客が気軽に立ち寄るかんじで、ちょっとした温泉街のバールみたいで素敵でした。
 
 
 

◆山田温泉
いい湯です。でも非常に高温です。かつてないほど高温でした。筏流しの歌が飛び出すほど、湯冷ましに必死でしたが、ほんとにいい湯です。おすすめです。

天才栽培家 佐藤宗一さん登場
夜にはワインぶどうのカリスマ栽培家、佐藤さんが宿に来てくださいました。シャルドネとピノノワールのワインぶどうとワインをご持参いただき、栽培の難しいピノノワールで世界一になる!高山村もすごいことになる!と大いに夢を語っていただきました。留学生Mさんの質問も冴えわたり、たくさんのお話をしていただけました。人生に必要なのは「執念 信念 理念」の名言も。運転手で来てくださった若手栽培家の女性もこれからの期待の星で、次世代の人材も育ちつつあるワイン産業に期待大の感触がありました。

 

 8月10日(土)

◆山田牧場
この日は朝8時から移動し、山田牧場、カリヨンホールを見学しました。カリヨンホールは牧草地の中の野外ステージです。しかしここで音楽祭などのイベントをしても車内泊だったり、テントで宿泊してしまったりで、地元への還元があまりないのが悩みだそうです。
キャンプの人たちにも使いやすい清潔な公立トイレも設置されていました。キャンパーにとってはありがたいことです。牧場の牛と開放的な風景につられて男子メンバーふたりはしばしどこかに行ってしまいました。




◆雷滝


渓谷のはざまに出来た滝は、片方の谷から飛ぶように水が落水する…と書いてもわからないくらい面白い落ち方をしています。滝の裏を見てから正面を見ることができます。滝好きの方は必見です。圧巻の情景で、しばし見とれます。高山村にはこのほかにも八滝や七味大滝があります。今度はそちらも見てみたいです。
 

 

そののち村内の中学校、小学校、保育園、コミュニティーセンターをさっと巡りました。

◆高杜神社
古式ゆかしいお社で、秋祭りには7つの集落の神楽がここに結集するそうです。神楽殿をそなえ、諏訪大社系の神社であるため御柱があります。しかしながら神楽の継承も大変とのこと、若手不足がここにもひびいてきます。
 
 

そののち福島正則にまつわる史跡、江戸時代に飢饉にそなえるための「郷蔵」などもご案内いただきました。


◆小布施 まちとしょテラソ
午後の事例報告にも出てくるので、無理にお願いして隣町小布施の「まちとしょテラソ」にも連れて行っていただきました。高山村からの利用者も多いとのことで、新しい図書館として注目を集めている施設を見学できたことは、今後の高山村の施設を考える上でも参考になりました。ひとつ、食事のできるテーブルがあったのですが、案外これが重要で、飲食禁止の従来の図書館の場合、厳冬期に学生などが食事を屋内でできないのは酷なことだそうです。雪や寒さに閉ざされる時期がこの地域にはあることを忘れてはいけないと考えさせられるエピソードでした。

◆買い物について
小布施には大手スーパーが進出し、「6次産業センター」という地元産の食品を取り扱った施設もあります。須坂にも大きなスーパーがあるそうで、高山村の方々はそこに行って買い物するそうです、もしくは農協の宅配、村でひとつだけの魚の移動販売があるとのこと。コンビニも乱立せず、派手なスーパーもないのは景観として外部者にとってはきれいだなと思うのですが、村民の方は不便なこともあるでしょう。高齢者の買物難民の話も出ました。

何がよいかは簡単に論じられませんが高山村のような生活もあるわけです。

こののち午後から文化振興セミナーが行われました。その報告はPugrinさんのブログをお読みください!
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このようにして、非常に短時間のうちに、たくさんの施設、史跡、観光スポット等をご紹介いただきました。今回の文化振興セミナーを企画され、それに伴い私たちの案内コースを計画し、アテンドしてくださった職員の皆様、当日のセミナーの運営でお世話になった皆様に心より感謝申し上げます。貴重な体験をさせていただきました。そしてまた高山村を訪れたいと思いました。どうもありがとうございました。

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そしてゼミのみなさまにも、ゼミでの入念な調査のおかげで高山村組は発表にこぎつけることができました。ご協力をありがとうございました。
 
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