2012年6月12日火曜日

世田谷の温故知新―まちづくりの経験を地域資源に


ゼミの調べ物をする途中、国土交通省のウェブ・サイトに目が留まりました。
「新たな公によるコミュニティ創生支援モデル事業」
http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/aratana-kou/index.html

―地域における住民、NPO、企業等の多様な主体の活動形態が多様化し、公共的価値を含む領域(「新しい公共」)にその範囲が広がってきている。そのような潮流をさらに進めて、多様な主体による地域経営や地域課題解決のシステム構築に向けた活動環境整備をすることが、「新しい公共」の考え方による地域づくりです。―(引用終わり)
という主旨で、平成20年度からモデル事業を募集助成し、分析が行われているそうです。全国各地でさまざまな主体が自分たちの「地域」を見据えて未来にむけたしくみづくりにとりくんでいる事例集として読んでいるところです。

なかでも私にとっては地元での、「世田谷まちづくりツアー」が初年度モデル事業のひとつとなっていたことに興味を惹かれました。1960年代からの長年にわたり、行政とともに歩んできた「住民主体のまちづくり」の蓄積を様々な視点から調査し、その成果をツアーなどの形で多くの人々に実際に見て体験してもらうことで、都市としての世田谷区の魅力を再発見してもらい、地域への関心や愛着を呼び起こし、地域の中でヒト・モノ・カネなどの資源が循環する「地域内循環」のしくみづくりを目指す、というものでした。

モデル事業としてはすでに終了し、残念ながらツアー参加の機会は逸しました。しかし、以前、世田谷パブリックシアターの「前史」を知ろうとしたときに世田谷のまちづくりの歴史に触れ、それによって緑道や公園などの身近な風景を見直したことを思い出しました。私自身はとくに縁のなかった世田谷に転入して区民となった「新住民」ですが、場所の歴史、とくに地域の経験の蓄積を知ることは暮らしの質を変えるように思います。

ちなみに、世田谷パブリックシアター「前史」に関連する文献2点を以下に紹介します。

『SPT educational 02 -世田谷パブリックシアターが考えてきたこと』
世田谷パブリックシアター 学芸 企画・編集(pdfファイル)
http://www.setagaya-pt.jp/wp/archive/archive_book.html

木下勇『ワークショップ 住民主体のまちづくりへの方法論』学芸出版社、2007
http://books.google.co.jp/books/about/%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%97.html?id=2yB0PQAACAAJ&redir_esc=y

(ykn)

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