2012年6月28日木曜日

おさかなくわえた学芸員♪

実家から食料が届きました。とりやさい味噌があれば冷蔵庫は安泰やわいね……能登ッ子(竹)です。

今回は東京都写真美術館の広報誌を紹介します。
広報誌といっても展覧会情報の『eyes』ではなく、『ニァイズ』のほうです。アルファベット表記は「nya-eyes」。A5版4ページの二つ折りリーフレットです。
どのような内容の広報誌かというと、関羽という猫のキャラクターが美術館で活躍するギャグ漫画広報誌です。「彼らが写真美術館(どうやら「普及係」採用のようです・筆者註)に採用される、という設定でコラボ版ははじまります。カレー沢先生(漫画家)が実際に来館して体験したことを元に、毎回フィクションで構成されます。ギャグ漫画なので、時にはちょっとやりすぎ!? と感じるかもしれませんが、関羽たちを見ていると、人それぞれに想像をふくらませ、もっと自由に美術館を楽しんでもらえたらと思います。まるで作家が自由に作品をつくるように、お客様も自由に美術館を楽しめるストーリーを目指しています。」(美術館ウェブサイトより)
キャラクターは実は、カレー沢薫氏の実在のギャグ漫画『クレムリン』(『モーニング』『モーニング・ツー』で連載)のものであり、『ニァイズ』は『クレムリン』とのコラボとなっているわけです。
今回全号を一気に読む機会がありまして。個性ある学芸員やスタッフが毎号出てきて仕事を紹介しつつ猫たちとのオモロイやりとりで進むストーリーが笑えます。オモロイのですが、カレー沢氏の実際の取材に基づいているのでただオモロイだけではなく、美術館や学芸員の様子がよく分かります。館長・福原義春氏もしっかりネタになっています。結構リアルなネタも。おもしろくてためになりました。

昨年末には「関羽がやってくる ニャア! ニャア! ニャア!」というイベントも開催。友の会入会キャンペーンや館内ウォークラリー、カレー沢氏サイン会などの内容があり、「普及係」としての役割をしっかり果たしていました。
もちろん、美術館に普及系学芸員がいてこれらの企画が実現していると思うのですが、あえて猫たちを表舞台に立つ「普及係」と設定することで、来館者に対して美術館内におけるリアルな存在感を醸し出しているところが面白いなと思いました。
美術館や自治体等にキャラクター的なものがいる例はよくありますが、写真美術館の場合は、よくあるただのゆるキャラではなく、普及係としての役割をしっかり与えられ、現に1年半「雇用」され続けているのですから、大したモンです。全国自治体のゆるキャラも、このくらい本気で「仕事」をやってほしいものですね…。

…と書いてきましたが、実は私、この広報誌の存在は知っていても、手に取ってよく見ずに「なんか美術館にユル漫画が置いてあるなぁ」くらいにしか認識していませんでした。勿体ないですね。『ニァイズ』の存在と(漫画内容だけではない)面白さを知らないと、上記イベントも意義が伝わりにくいので、そのあたりが難点でしょうか。いやーでも美術館の普及事業にも色々あって面白いなぁ。

では、長くなってきたのでこの辺で。
お昼は鯖フレークのおにぎりやな。能登ッ子(竹)でした。

リンク:東京都写真美術館ニュース別冊「ニァイズ」

(竹)

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