2012年12月31日月曜日

12月17・18日大町市訪問の感想



121718日大町市訪問の感想
By MP
信濃大町駅に着いた時の山の風景

ポルトガル語では「大町」は「Grande Cidade」と言う。Grandeには英語のGreatの意味も入っている。12月17、18日の大町市訪問後には、私は大町市はとてもいいところだ(Great!)と確かに思っている。
町を見て回った時に市民の方から「大町の誇りは山です」ということも聞いて、その通りだと思う。駅から出て山と出会った時、とてもいい感じだった。
このいい環境の中で、市役所内で職員のワークショップに参加した。このジヨンさんのワークショップがあって、少しでも若手の職員と話すことができた。私が会った人はあまりワークショップに参加することに対しての抵抗を感じていなかった。むしろワークショップのおかげでその人たちとの距離感が少なくなったと思った。
職員の発表はとても面白く、グループそれぞれが大町市にできる楽しみ方や活動を紹介してくれた。そこで私が気になったところは私たちが4月から話した文化施設(西丸しんや原始美術館、大町市文化会館や麻倉など)が皆の発表の中には少しだけしか出なかったことだ。皆知らないかあまり面白くないと思ってるか分からないが、発表の全体からは、多くの職員は大町にあることをあまり把握していないか、感覚は異なるという印象を受けた。少なくとも今回のワークショップには情報共有の意味があって、そこにいた人々は少しでも新しい情報や今まで考えなかった場所や楽しみ方を知ったと思った。
その日の夜には懇親会があって、そこで直接職員と話すことができた。最初に話した人から聞いたのは、大町市には若い人が集まるところがない、それが欲しいという話だった。確かに職員の発表の中には「デートコース」についてのことも出た。そのコースは旅行会社が作るプランのようで、木崎湖観光や美味しいことを食べるコースの案でした。それがないとやはり若者は他のところに遊びに行くのではないか。もしかしたら多くの人は松本市へ行ったり、都会へ行ったりしている。同じ人から今回のワークショップの感想も聞いた。職員は毎日忙しく、あまり一緒に活動することができない。しかし今回のワークショップでそれができてとても良かったと言っていた。複数の人が同じ問題について気になっても、その人たち同士交流する時間があまりないので結局何を考えているかも知らないでいる。しかし今回は職員同士が様々な問題について考える機会があったという感想を聞くことができた。
その後は別の職員と「この町に生まれて育ったから、自分と町には特別の関係性がある」という話から、大町市をよりよくしたいという話を聞いた。その人は大町が好きだという気持ちが非常に強いと感じられて、本当にいろいろ考えている人だった。その一方で「大町には面白いことがあまりない。やることがあまりないからいつも町の外で遊んでいる。都会に行くことが好き。ここにある景色や自然はもう当たり前のことになり、慣れている。」という話もあった。


2日目の朝には大町市文化会館で会議があった。その会議には文化会館の職員と市民の方二人と私たちが出席した。最初は北アルプス雪形まつりについて話があった。ここで非常に気になった部分はそのまつりと関わる市民がばらばらであり、協力してるのではなくむしろそれぞれで活動しているということだった。もともとはもっと統一性があったみたいだが、前にその祭りの中心だった人たちは今は北アルプスと違うところに演劇活動をしている。
その後文化会館の方について話が変わった。私の感じではその時は雰囲気が重くなり、緊張度が上がった。そこで一番気になった話は市民からの話で、職員から冷たい目ではなく少しでも優し目、気持ちを温かくするマナーが欲しいということが出た。少しその気持ちは理解できると思った。自分がボランティアとしてある所に活動をする時には、最初は自分が外の人だと思い、何も分からず、お世話になっている感じや恥ずかしい気持ちになる。そこで職員が丁寧に説明してくれたり、挨拶の時でも優しい雰囲気だと、自分を受け入れてくれる感じがして安心する。そのやりとりはとても重要であり、活動が両者にスムーズに行くためには必要となるだろう。
大町市名店街
大町市商店街



商店街
火曜日は定休のわちがい

2日目の午後は町を見学した。町を回るグループは、私が甘い企画を作ったから麻倉もわちがいにも行かれなくて、蔵の音楽館も道に迷ったため行かれなかった。しかしそのため商店街を回る時間が増え、そこでとても面白いことが見つかった。Re.フォレストというお店にはカフェ、ミニミニシアターと「店のパンフレトに書いてある通り」世界の一番小さな展覧会があった。ミニミニシアターは1000円で借りることができ、90インチの画面で映画や音楽を楽しめるところ。展覧会は無料で展示することができるスペース。こんなに面白い店は私は見たことがなかった。竹内さんのおかげで店長と話すことができた。そこでなぜこんな展示スペースを用意しているのか尋ねた。「多くのところは展示スペースを借りるためにお金がかかる。ここには誰でもが展示できるスペースを作りたかった」と店長が言った。同じ人から「大町の誇りは山」ということも聞いた。こんな意志がある市民がいる町はやはりとても面白い町だと思う。
ここで私が思い出したのはこの間小林先生が見せて下さったDVDのこと。一人の人がイギリスの田舎の町に合唱団を作る話の中に、主人公が町の人とネットワーキングしながらボクシングで少し有名な人と知り合いになって、その結果その人が多くの人を彼に紹介することがあったが、大町市ではこの店長も私たちにとっての一つの入り口になるのではないかと思った。

大町市訪問からわかったことは、いろいろやりたい市民はいるが、まずその市民の事情は多様であるということだ。文化会館であった会議に出たように、市民のグループの力が分散していることもある。もちろん無理やりに一緒に何かをやる必要は全くないが、新たな活動やイベントを作るためも多くの市民を巻き込んでいいのではないか。同じ会議に市民からの「冷たい職員」のコメントもあった。ある面で職員は市民にとっての行政の入り口でもある。その二つの側のやりとりの再確認をする必要があるのではないか。市の係長は今回市民の話も聞いたので、これから文化会館の職員とそれをよりよくするための作業をできる可能性もあると思った。17日の若手職員のワークショップでみた皆の積極的な姿勢は、文化会館の職員からは感じなかった。その人々には私たちや市民との距離感を感じた。

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