2012年12月6日木曜日

喪失感…

歳を重ねると、悲しいこともそれなりに経験してくるわけですが、意外とダメージがあったのが、昨日亡くなった中村勘三郎さんのことです。マスコミ等で大々的に報道していますので、勘三郎さんの人気と歌舞伎界等での活躍を知らない人でもそのすごさを感じてもらえると思います。本当に残念。あの演技が見られないということ自体が信じられない。思いがけない喪失感を味わっているという感じです。この感じは、近所の寺で大きな桜の木がある日突然切られてしまったときの喪失感に似ていて、結構尾を引きそうです。

生の舞台って、やはり生きている役者が新しい試みに挑戦してくれるのを見るのが楽しいのだと思うのです。もちろん映像に残されたもので往時を偲ぶことはできるのだけれど、もう勘三郎さんのチャレンジ精神が見られないのは、本当に大きい。

やはり大歌手のエディタ・グルーベローヴァが、この秋のウィーン国立歌劇場の来日公演「アンナ・ボレーナ」を最後に日本では歌わないという出来事があったときも、それなりの寂しさはあったものの、ある種見尽くしたという感じがあったのに対して、勘三郎さんはまだ何かをやってくれるだろうという期待感があったことから、こんなにも喪失感を感じるのだろうと思います。いや〜、さびしいなぁ。

(M.K)

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