2013年5月15日水曜日

次代を担う子どもの文化芸術体験事業について

今年度初のブログ投稿になります、M.Hです。

現在アルバイト先の業務で、平成24年度に行われた「次代を担う子どもの文化芸術体験事業」の事業調査として、参加されている団体の代表の方に集まっていただき、事業に関して議論していただくグループインタビューに参加しています。
今回は、その場に参加して感じたことを中心に書こうと思います。

「次代を担う子どもの文化芸術体験事業」とは、「小学校・中学校等において一流の文化芸術団体による巡回公演を行い、又は小学校・中学校等に芸術家を派遣することにより、次代の文化の担い手となる子どもたちの発想力やコミュニケーション能力の育成を図り、将来の芸術家の育成や国民の芸術鑑賞能力の向上につなげることを目的とした事業です。」(「次代を担う子どもの文化芸術体験事業」ホームページより)

文化庁が選定した文化芸術団体が、学校の体育館などでオーケストラや演劇等の公演、そして鑑賞指導や実技指導などのワークショップを行う、という巡回公演がこの事業の一つの特徴となっています。

グループインタビューにおいて、論点の一つは「学校で本公演・ワークショップを行う意義」でした。この点に関して、文化ホールでの開催とは異なり、いつも利用している体育館に、その日一日だけバレエや能、歌舞伎、オーケストラなどの舞台が作り上げれられることを通して、子どもが文化芸術をより身近に感じることができるという点が挙げられました。そして意見の中で最も印象的であったのが、生徒とより近い距離で公演を行うことで、ダンサーや演奏者の意識に変化があったという意見でした。ある程度大人になると、つまらなくても愛想笑いをしたり、ごまかしたりできる。しかし、子どもの正直な反応をとても近い距離で感じながら公演を行うことで、ダンサーや演奏者自身、バレエや演奏を通して自分が何を伝えたいのか、という問いを持つようになり、また彼らが関わっているジャンルだけではなく、より広い視点で社会と文化芸術の繋がりについて考えるようになったそうです。この事業の本来の対象であった子どもたちだけでなく、団体員にもこのような影響があったことも、巡回公演を行う意義の一つではないでしょうか。

また、本公演とワークショップを一体で行う意義について、事業費の効率化という問題はあるものの、ワークショップと本公演がそれぞれ予習、実際の学習というステップとして機能しており、ワークショップを通して子どもたちが本公演の内容をより理解しやすくなるということ、そして文化芸術に関する教員たちの知識を補うことに繋がるという指摘がされていました。

この議論を受けて、復習として鑑賞後のフォローアップも大事なのではないか、と感じました。子どもたちが文化芸術を体験・鑑賞することを通して何を感じ、発見したのかを言語化し、他のメンバーと共有することを復習として行うことで、他者との繋がりを見出したり、文化芸術の楽しさを改めて考えるきっかけになるのではないでしょうか。

ただの鑑賞授業ではなく、実際に通っている学校を舞台に文化芸術を体験し鑑賞するというこの事業を通して、今後社会における文化芸術の位置づけや人々との関わり方が変わっていくのではないかという可能性を感じました。

M.H
次代を担う子どもの文化芸術体験事業
http://www.kodomogeijutsu.com/

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