2013年4月29日月曜日

植物病が生む植物の「芸術」



 はじめまして。初投稿となります。Showです。
私は他研究科に所属し、文化資源学を専攻していませんが、私独自の記事を書いていこうと思いますのでよろしくお願い致します。

初めての投稿では、私が学部時代に専攻していた植物医科学に関連し、植物と芸術をテーマに記事を書こうと思います。
私たちは、芸術と言えば美術館や博物館に足を運び文化財をたのしむということを想像しがちです。しかしながら、日本全国に300以上の植物園があるという事実からも植物もまた鑑賞の対象になり得ます。
 1634年オランダ、美しい斑入りの奇形の花を咲かせるチューリップの球根が確認されました。その美しさと貴重さからその模様の花を咲かせるチューリップの球根は評判を呼び、高値での売買が繰り返されました。球根一個で家が建てられるほどであったとも言われ、中には一夜にして億万長者になったものもいました。しかし球根の一部を別の球根に移植するとそのもう一方の球根も同様の模様の花を咲かせる事がわかり(この技術は今でいう“ワクチン接種”です。)、1637年に「チューリップバブル」は崩壊しました。これは世界初の経済バブルであったとも言われています。当時の絵画には斑入りのチューリップの絵画が多く残されています。
 この奇形が生じる原因は植物ウイルスによるものであり、そのウイルスの実態が解明されたのはその300年後の1935年の事でした。

Show

参考文献
都丸敬一(2001)『植物のウイルス病物語』全国農村教育協会
難波成任(2008)『植物医科学 上』養賢堂

外部リンク
Norton Simon Museum
http://wayback.archive.org/web/20021115235418/http://nortonsimon.org/collections/browse_artist.asp?name=Anonymous+Dutch+Artist&resultnum=2

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