2013年1月15日火曜日

ゲキ×シネ

こんばんは、寒がりなM.Hです。今日は関東でも大雪でしたね。毎日通る道にも雪が積もっていて、違う世界に迷いこんでしまった気持ちになりました。

 さて、先週末の話ですが、渋谷ヒカリエにあるシアターオーブで劇団☆新感線による『ZIPANG PUNK~五右衛門ロック』を観劇してきました。そして今週末は同じく劇団☆新感線によるゲキ×シネ『髑髏城の七人』の舞台を映画館で見てきました!
『ゲキ×シネ』では2011年夏に上演された『髑髏城の七人』が映画館で上映されており、演劇を映画館で見る、という新しい観劇形態となっています。長時間の収録には向かないフィルム撮影では不可能だったライブ公演をすべて収録・中継し、大画面で上映するという試みが、デジタル技術の進歩によって実現し、2004年に『ゲキ×シネ』の第1弾『髑髏城の七人~アカドクロ』が上映された当初、デジタル上映が可能な施設はわずか10スクリーン足らずでしたが、年々市場が拡大し、現在では日本全国で総数3340のうち1968スクリーンがデジタル上映に対応しています。1
舞台を映像作品として収録・中継しているものとして、『ゲキ×シネ』以外に松竹株式会社が手がけている『シネマ歌舞伎』、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(MET)で上演されるオペラを映画館で上映する『METライブビューイング』などがあります。『METライブビューイング』は音響の編集にもこだわっていて、日本語字幕も付いているので手軽に海外のオペラを楽しむ事ができます。このように大きな画面で(ライブ)映像を楽しむ文化が浸透し、それに伴い映画館の役割も多様化してきているのです。
 一度しかない舞台、その感動を映画館で再現するなんて無理だ、舞台は生でみるから意味があるのだ、と思う方もいらっしゃるかもしれません。私自身『ゲキ×シネ』は過去に5作品みてきましたが、舞台で感じるような熱気は感じられないものの、劇団☆新感線特有の迫力、興奮は十分感じることができました。18台ものカメラで克明に記録された役者の動きや芝居、目線などは舞台では味わえない体験です。『ゲキ×シネ』では上演機会の少ない希少作品が含まれており、過去の様々な舞台を知ってもらうことできる、さらに興味はあっても劇場まで足を運ぶことができない人々の目に触れることができるというのも、『ゲキ×シネ』の魅力です。
 舞台でも映画でもない『ゲキ×シネ』の魅力を考えながら、映像と演劇について考えさせられると同時に、コンサートホールや劇場に足を運び、生の空間を共有するということについて考えさせられました。これに関しては、次回書いてみようかと思っています。

ゲキ×シネ『髑髏城の七人』
私が劇団で活動していた時に公演を行った作品で、個人的にも思い入れが強く涙が止まらなくなった場面もありました。
笑いあり、涙ありの劇団☆新感線『髑髏城の七人』、映像作品として舞台とは一味違う『ゲキ×シネ』の魅力をぜひ体験してみてください。
http://www.geki-cine.jp/

劇団☆新感線『ZIPANG PUNK五右衛門ロック』
http://theatre-orb.com/lineup/07/

シネマ歌舞伎
中村勘三郎さん追悼上映が1月18日(金)まで行われています。
http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/

METライブビューイング
http://www.shochiku.co.jp/met/

1, http://www.saiyo-info.net/toho/gyokai/digital.html

(M.H)


1 件のコメント:

  1. 情報提供有り難う御座います。
    生かどうかという点は舞台芸術は勿論、それ以外の鑑賞においても非常に重要である様に感じます。
    次の投稿、楽しみにしています。
    余談ですが、この記事を読んでいて、アート系作品世界初の最新3D映画として昨年公開された「ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」を鑑賞した時の事を思い出しました。
    2009年にこの世を去った天才舞踏家ピナ・バウシュ。その友人であるヴィム・ヴェンダース監督のダンス・ドキュメンタリーとも言えるこの映画は、舞台特有の臨場感は確かに失われているものの、門外漢の私でも思わずぐっときてしまうような映像でした。
    とは言え、図らずも「主役」であるピナが亡くなった事によって制作・公開の求心力を得たこの作品は、それによりある種「記録」的側面を帯びる事となったため「生」感に対する鑑賞者の欲求が拡散されているとも言えるかもしれません。
    (M.O)

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