2012年11月26日月曜日

デザインの力


久しぶりのブログ更新になってしまいました。
 最近は、来年2月に行われる文化資源学フォーラムの広報活動に取り組んでいます。フォーラムのポスターデザインについて考えていたところ、横浜創造都市センターで開催されている『「伝えるデザインの力」ポーランドポスター’50’60展』が目に入り、先日行ってきました!

 この展覧会では、世界初のポスター美術館、ヴィラヌフポスター美術館所蔵の作品約150点のポーランドポスターが紹介されています。

私自身デザインの知識は全くないのでが、ポップでカラフルなポスターを見ていて、とても晴れやかな気分になりました。デザインの異なる数種類から入場券を選べることができるのもおしゃれです!

ポーランドには独自のポスター文化があり、今回展示されている1955年~1965年代のポスターは『ポーランドポスター学校』といわれるグラフィックデザイナーたちによって作られ、市民に生きる希望や勇気を与えたと言われています。ポーランドポスター学校とは、学校ではなくワルシャワのデザイナーたちが仕事帰りにレストランやバーに集まって議論し、作品を見せ合うことで切磋琢磨していた集団のことをいいます。当時のポーランドポスターは検閲下におかれ、周辺国から見ると表現の自由が制限されているように捉えられていましたが、ポーランドにおけるデザイナーたちは、その時代に相応しいポスターの様々な新しいスタイルを確立していきました。このように制限があるからこそ、斬新で多様な表現方法が生まれたのでしょう。

展示されているポスターはどれもみなユニークで、一つ一つのポスターにそれぞれの世界、メッセージがあり圧倒されました。人々にメッセージを与えるというポスターの機能、そしてデザインという言葉を超えた「伝える力の強さ」を感じました。

また、この展覧会のデザイン・ディレクターである中川憲造さんの言葉が印象深かったです。
「ある時のニューヨークのデザイン学校の新聞広告に、良いことが書いてありました。アートは、クリップのように実用的なものを感情のままに別のオブジェにすること。デザインは、何かわからない針金が紙を閉じるクリップになるということ。このデザインとアートの違いは、常にみんなにも考えてほしいなと思っていますね。アートは、世の中に絶対必要で人々の心を豊かにするわけですけれど、そのことを知らせるためにもデザインが必要で、その役割はとても大きい。」

デザインによって、芸術の魅力をよりよく伝えることができる。今まで意識することもなかったアートとデザインの違いについて考えながら、町をデザインすることでその土地の魅力を発信していく、伝えていくということがリンクしたような気がしました。

 『「伝えるデザインの力」ポーランドポスター’50’60展』

2012113日~123 ヨコハマ創造都市センター
http://www.polandposter.jp/ 
http://instytut-polski.org/event/art/1611/

(M.H)
 

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