2012年10月14日日曜日

第22回文化資源学研究会及び特別講演会


皆様こんにちは、M.Oです。新学期が始まりましたね。
昨日、お茶の水女子大学に場所をご提供頂き、第22回文化資源学研究会及び特別講演会が開催されました。
タイムテーブルは以下の通りです。

<研究発表>
14:00~14:45
中村雄祐先生(東京大学)
「巨大な絵図の共同調査  ―学際研究に関する一 考察」

14:45~15:30 
松崎貴之さん
「噴水と近代日本」

15:45~16:30
齊藤紀子さん(お茶の水女子大学)
「居間におけるピアノ――住宅改良運動を中心に――」

<特別講演会>
16:45~18:00 特別講演会及び質疑応答
塚谷裕一先生(東京大学大学院理学系研究科教授、植物学)
 「木の表現」

研究発表は多様なテーマが扱われ非常に興味深かったです。
Preziを用いて視覚的にも楽しいプレゼンテーションを行って下さった中村先生の発表内容は、今年度のフォーラムのテーマとの関連もあって、絵図という資源の捉え方を改めて概観する事が出来ました。
松崎さんはさすが「噴水をずっと好きだった」だけあり、噴水からの近代日本考察の手始めとして沢山の画像を用いて発表頂きました。そもそも噴水とは何か、といった所から、人工的な水の利用がある時期をピークに好まれなくなったというご指摘まで、楽しい議論が展開されました。
日本におけるピアノの受容というご自身のテーマから、今回は居間に置かれた調度品としてのピアノについて発表して下さった齋藤さんの発表からは、当時の日本社会における家庭の理想像と実際問題としてピアノがどのくらい弾かれたのかというギャップの考察へ向かって、ピアノという楽器の研究対象としての面白さを知る事が出来ました。
塚谷先生の特別講演は、「日本の視覚文化における木という存在の希薄性」という、私達は全く気付いてもいなかった問題を植物学という見地から明快にご指摘頂き、非常に惹き付けられる内容でした。こんな見方をしたらこんな問題が見えてくる、というのは、まさに文化資源学会ならではなのかなと思いました。プレゼンテーション自体も専門的な内容でありながら非常に分かりやすく、とても面白かったです。個人的には、塚谷先生が終始ご自身やその周りの研究者の方々の事を「生き物好き」と称されていた事が印象的でした。
それぞれの発表については、SさんのFacebookにてリアルタイムに報告がなされていたようなので、そちらも合わせてご参照頂ければ、その場の雰囲気も感じて頂けるかと思います。

次回の研究会も楽しみです!
(M.O)

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