2014年1月7日火曜日

じゃまもの、のけもの、きわられもの、ですか?


あけましておめでとうございます、本日より授業再開ですね、pugrinです。

昨日は文化資源の名俳優、金世一さんの出演する舞台
「深川ももんが」を鑑賞してまいりました!
http://www.zenshinza.com/stage_guide2/z_next/



金世一さんはメインビジュアルのど真ん中、
鮮通信使の役です。

あらすじはこんなかんじ。(前進座HPより抜粋)
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江戸は辰巳の裏長屋に、奇妙なナリの生き倒れ…。
思いがけない珍客に、右往左往の長屋の面々。
江っ子花咲く井戸端には、人情、友情、おせっかい。
この珍客は、敵か味方か、はたまたただの変人なのか?
太田善也が描く、妖怪画家 鳥山石燕の誕生秘話!? 
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朝鮮からやってきた画家が、長屋の人々の毎日をがらりと塗り替えてしまう
というようなお話なのですが、
これって文化資源学でやってることと似てる!と思いました。

町を変えるものは「よそもの わかもの ばかもの」と言われることもあるように
「深川ももんが」でも、
他の土地から来た人にしか見えないものがあり、
そこのしがらみに関係のない人だからこそ話せることがあり、
その出会いから生まれた言葉や考えが
それまでの当り前を見直すきっかけになる
ということが、
江戸の町人と朝鮮人との遭遇を通して描かれていたのです。

その結果、長屋では朝鮮の漬物を販売できるようになり
大工仕事がはかどるようになり、お年寄りにはベンチができました。
ならず者が更正し、ロクデナシが働き者となって、2つの恋が実りました。

朝鮮人は日本が母国に劣ると思っていたけれど、
江戸にはゴミが無いどころか、
どんなものもぐるぐる回りながら人の役に立っていて
ゴミそのものが無いのだと気づき、日本を好きになりました。


もちろん物語だからこそトントン拍子にうまくいくのであって
現実はそうはいかないことが多いのですが、
2時間の中で笑いあり、涙あり、
登場人物が皆それまでのモヤモヤした思いに決着をつけて
幸せになっていく過程を見ていて、
わたしもスカッとさわやかな気分になりました。

本作の中でも「どっちが上かと言い争って喧嘩になりかける」
シーンがありましたが、
いつもいつも肝になるのは他者との対話だなあ、と思います。
舞台上ではこんなセリフがありました。(正確ではないですが・・・)

「サルというのはいつもどっちが上か下か、優劣をつけることばかり考えている。
私たちは人間なのだから、相手に寛容になって話をすべきだろ」

自分の立場に意固地にならずに、他者をまず受け入れる
ということは簡単ではありませんが、
とりあえず聴く、とか、相手はどういう視点でこちらを見ているのか想像する
ことはできそうです。

今年も「良きよそもの」の視点を忘れずに頑張ろうと思います!


よろしくお願いいたします^^

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