2013年11月26日火曜日

文化政策を考える研究会 in 小金井

かつて私たちのゼミで深く関わってきた、小金井市ですが、NPOアートフル・アクションが以下のような勉強会を連続で開催しています。今回ご案内するのは第二回目になります。
関心のある方は是非ご参加ください。

http://artfullaction.net/index.php?itemid=201

(M.K)


2013年11月21日木曜日

ご案内:日本文化政策学会第 7 回年次研究大会

大学の銀杏がきれいな季節になってきました。
そして秋は学会シーズンでもあります。

日本文化政策学会第 7 回年次研究大会
研究大会テーマ「グローバリゼーションと文化政策」

■日時:2013年11月30日(土)午前・午後、12月1日(日)午前・午後
■会場:青山学院女子短期大学北校舎
■参加費:会員1,000円・非会員3,000円・学生1,000円(※当日申込は各1000円増です)
※ポスターセッションおよび企画フォーラム、特別フォーラムのみの参加は無料です。直接会場にお越し下さい。
■主催:日本文化政策学会
■協力:公益財団法人 上廣倫理財団
■特別協力:青山学院女子短期大学、青山学院大学



プログラム詳細(開催要綱)は学会HPに掲載されています→こちらをクリック!

小林ゼミの現履修生・過去の履修生はじめ、
文化資源学研究専攻関連の発表者もたくさんいます。

・齋藤梨津子
 「ブキット・ブラウン華人墓地保存運動にみるシンガポールの文化政策と市民社会の発展」
・土屋絢子
 「演劇改良論争における「脚本」観をめぐる考察」
・張依文
 「自治体文化政策形成の仕組みについて再考 台湾宜蘭(イラン)県の「文化立県」への道」
・李知映
 「韓国における米軍政期の文化政策」
・長嶋由紀子
 「1970年代フランスの「文化アクション」と地域民主主義
  ~グルノーブル「文化の家」の活動を手がかりとして」
・菅野幸子
 「英国の文化政策の転換点としての1970年代」
・土屋正臣
 「戦後フィールドワークにおけるアカデミズムと在野
 -野尻湖発掘参加者の多様化を中心として-」
・作田知樹
 「文化権としての「芸術的表現・創造の自由権」の文化政策への反映
  ―人権侵害が懸念される国内事例の調査・監視の必要性―」
・鄭仁善「日韓の「外国映画輸入自由化」政策を巡って
  ―映画産業の構造とインデペンデント映画市場の変化を中心に―」

(以上、開催要綱登場順)
 
発表以外にも
ポスターセッション、事務局スタッフ、コメンテーターとしても登場予定です。

それからゼミ生の企画が採択されて、学会員公募企画フォーラムも開催します。

 日本文化政策学会 第7回研究大会 企画フォーラム
「こどもの城、青山劇場、青山円形劇場を考える ~文化政策の視点から~」
日時:2013年12月1日(日)午前9:30-11:10
場所:東京芸術劇場 中リハーサル室1
詳細は http://since19851101.blogspot.jp/

もりだくさんの2日間、関心のある方のご参加をお待ちしています!
(mihousagi_n)

2013年11月13日水曜日

男の園、福島

おはようございますpugrinです。

備忘録とご紹介のために投稿します。



この週末、福島で100年続く文化を作りたいという思いを持った
男性たちのステージの幕が開けます。

ロメオパラディッソ

http://func.tv/

主催しているのはふくしま新文化創造委員会、
代表者は31歳の男性、まだ勉強不足ですが
まずはネット上に提案書がありました。

http://www.slideshare.net/takanobumorito/2-18448751

クラウドファンドやSNS等を活用する手法で運営しつつ
最終的には震災復興記念館を建設し、大震災を風化させないようにする
という取り組みということで、ものすごくアツい。

ゼミにも修論にも非常に参考になりそうです。

必ず見に行かねば。

2013年11月7日木曜日

紀元後2013年、スーパースターは一人きりか?

一雨ごとに寒くなり、その寒さに驚くばかりのpugrinです。

先日、お友達の弟さんが劇団四季にて研究生デビューをされたので、
初めて浜松町の自由劇場へ行ってまいりました。

演目はジーザス・クライスト=スーパースター(エルサレム版)です。

http://www.shiki.jp/applause/jesus/

全編ロック・ナンバーに合わせてイエスの最期の7日間を描いた作品です。

彼はアンサンブルでの出演でしたが、イエス・ユダ・マグダラのマリアほか
大きな役のほうが少ない物語ですので、
アンサンブル自体非常に重要な役割を占めていたといっても過言ではないでしょう。

わたしにとっては、中学時代から名前を聞き
写真で見てきただけの男の子でしたが、
上京してきた友人と道すがら
やさしく気弱だった彼がなぜ田舎を出て四季を志したかを初めて聞き、
その彼が舞台でイエスに手を伸ばし、縦横無尽に駆ける姿を見て、
胸が熱くなりました。
わたしと友人にとって、舞台のスターは主役のイエスだけでなく、
アンサンブルの彼ももちろんスターなのでした。

きっと近しい人が出演しているのを見に来たほかのお客さんにとっても同じだと思います。

自由劇場は500席ほどの、四季としては小型の劇場ですが
その分クラシカルな雰囲気が漂うとともに、アットホームな空間です。

入場するとお客さんの多くはキャストボードと記念撮影をしたり、
キャスト一覧表を手に取ったり、
ちらほらと「娘がお世話になって・・・」という話し声が聞こえたりします。

有名な劇団だからこそ、ファンだけではなく
そこに夢をかけた人々、その親類縁者が晴れの舞台を見に集まる雰囲気が
とても魅力的でした。

文化施設経営について、劇団四季というモデルを研究対象として見ていくのも
非常におもしろそうだなあと思いました。
専属劇団を抱える劇場、
キャスト・スタッフ・観客といった関係者のネットワーク、
運営・財政のノウハウ、
次世代育成といったところがカギになりそうですね。

「○○をやりたい!」と思う人が、その希望を少しでも実現できるような仕組みを
都会だけでなく身近な場所に作ることについて、
文化資源学・文化経営が役立つとよいなあと思います。

ひとまず、近々手の空いたときに関連書籍を探してみます^^

もちろん、ジーザス・クライスト=スーパースターは素晴らしい内容でした!
キャストの歌声が心地よく強く響くのはもちろん、
シンプルながら奥行きのある舞台の作りには驚かされました。

わたし自身は人間イエスとユダ、そしてそのほかの信者の関係性が変わっていくような
新しい物語が、これからの社会に求められているのかもしれない、と思いました。
特に最後の十字架と星空の美しさは圧巻でしたので見たことのない方にはお勧めします!
ちなみに学生は3000円で2階席ですがよく見えます。

ではでは。





2013年10月31日木曜日

アジア諸国が文化政策を論じる意義―国際シンポジウム「2013文化的軌跡:文化治理的能動與反動」



熱心に聞き入る観客。シンポジウムは
北京語、英語、日本語で行われた。
先日台湾で行われた国際シンポジウム「2013文化的軌跡:文化治理的能動與反動(International Symposium on Cultural Trajectories: The Dynamics and Counter-dynamics of Cultural Governance)」に参加してきました。このシンポジウムは小林ゼミ卒業生のCさんが所属する国立台湾藝術大学・芸術管理文化政策研究所(Graduate School of Art Management & Cultural Policy)の博士課程の学生が中心となって毎年企画しているもので、今年は台北市と高雄市を会場に小林先生を始めとする世界各国の研究者を招いて開催されました。多種多様な発表が行われたシンポジウムを貫くテーマは、一方的な政府主導の文化政策から地域コミュニティを巻き込んだ双方向的な文化政策への変遷でした。

韓国、シンガポール、イギリス、日本、台湾のパネリスト。
国境を越えた議論とアジアにおける
理論化の必要性が再確認された。
会場の一つ、台湾南部にある港湾都市・高雄は旧植民地時代のまちなみや倉庫・金具店等を文化遺産として保全するNPO活動が成功した場所です。我々が見学した鉄道博物館として保存・修復された駅舎と路線跡や、センスのいい飲食店やライブハウスの入居する赤レンガ倉庫は若者や家族連れで賑わっていました。また、教育普及活動に力を入れてきた市立美術館と児童博物館もロビーコンサートの聴衆でいっぱいでした。その一方で、新しい高層マンションの合間に建つ古い長屋のような建物の住人や昔ながらの小さな飲食店を営む人々がアートのまちづくりから排除されていくようにも感じました。

旧市街にあるまちなみ保全NPOのオフィス。
シンポジウムの発表では台湾の客家文化を展示するミュージアムの事例や、コミュニティの生涯学習の場としての道教寺院の事例、そして原住民の文化権・文化遺産保護等が紹介されました。私自身はシンガポールの華人墓地保存運動を発表しましたが、各々が価値を見出している文化芸術の振興を訴えるだけでなく、いかにして自分たち以外のコミュニティの文化権を尊重していくかを考えるのが文化政策だと改めて感じました。

 小林先生は小金井市の文化振興条例および計画の制定のプロセスを事例に、市民参加の文化政策について講演されました。会場からはどのように市民を巻き込んでいくのか、研究者はどのような立ち位置で市民参加の文化政策に関わっていくことができるかなどといった質問が多く寄せられました。小金井市のプロジェクトは私も院生時代に関わっていましたが、この事業の肝は文化政策のあり方について声を大にして主張しない市民の意向をいかにして反映させていくかにあったことを思い出しました。「100年後のまちに何を残したいか」(小林先生)といった広い視野で文化芸術を捉えるためには、彼らとともに様々な講座やイベント、調査等を積み重ねて対話の場をつくる作業が欠かせませんでした。
日本植民地時代の鉄道跡を保全した広場。
凧揚げを楽しむ市民で賑わう。

 様々な発表を聞きながら、原住民や東南アジアからの外国人花嫁の存在がある台湾、アフリカや東欧からの移民の統合とEUとしての統合を模索するヨーロッパ、そして権威主義から対話重視の文化政策へシフトしようとしている多民族国家シンガポールなど、世界各地で他者への想像力を備えた文化政策が必要とされていることを感じました。小金井市の事例が大きな反響を呼んだように、これからは日本対欧米だけでなく、他のアジアの国々との議論がますます重要になってくることを実感したシンポジウムでした。(齋)

2013年10月29日火曜日

内輪の話(100%私的見解)

こんにちは、文化資源古株・2005年度入学6期生のmihousagi_nです。
育児休学も挟んで今年度末で晴れて満期退学、
博士論文早く出したいんだけど時間に追われる今日この頃です。

先日、
今年修士論文を提出するM2の方と研究室でおしゃべりしていて、
重要度の割に知られていない情報らしいと感じたので、ブログに書いてみることにしました。

内輪の話で恐れ入りますが、
これから文化資源を受験したい!と思う方にも、
関係ない話ではないかと思いまして。

何かというと
「文化資源学の博士課程への進学は簡単ではない」ということです。

外部からの博士課程受験者の合格者も、
研究室発足からこれまでの累計で、
片手で数える程もいなかったりしますが、
(そうした事情もあってか?学生の中には
 他所で修士号を取った後に修士課程を受験してきたダブルマスターの方もいたりします)
今回話題にしたいのは、
文化資源の修士課程から博士課程に進学を希望する、
いわゆる内部進学の場合です。

私も他の大学院をよく知らないのですが、
大学や専門分野によっては、
修士論文は中間試験的な位置づけで、
ちょっと出来が悪かったらもう1年M3をやる場合もあるけど、
希望する学生は基本そのまま博士課程に内部進学、
というところもあるみたいですね。

文化資源学研究専攻博士課程は、そうじゃないです。
少なくとも入学以来これまで、
私が大学院試を観察してきた限りでは。

もちろん年度によってバラツキはありますが、
これまで眺めてきた感覚では、
内部進学希望者のうち、
実際に審査を経て進学を認められるのは半分以下です。
特に人数の多い文化経営はその傾向が顕著です。

まったくの私見ですが、
これは文化資源に学部がない、学部生がいないことも関係しているような気がします。
学部から大学院に進学する場合に先生方がチェックするような事項が、
修士課程から博士課程に進学する時点で、改めて問われているように思えます。
こいつは自分で問題意識を持って研究を進めていけそうか、
その能力があるか、根性があるか、見込みがあるか、などなど。

要するに、修論を出せば博士に行ける、という世界ではありません。
修論の内容、端的にいえば質が問われます。

個人的には、
博士課程進学を希望する場合、
希望がかなわなかったときの身の振り方をどうするか、
全く考えずに博士課程を受験するのは無謀だと思っています。

ちなみに私は、
口頭試問から合格発表の日まで、
落ちたらどうやって就職活動をするか、
ひたすら段取りをシミュレーションしていました。
小心者なので、発表当日は、
受かったらどうする、落ちたらどうする、と
場合分けして、自分の予定を細かく計画していました…

もちろん、修士論文を撤回して留年、
もう1年M3をやって再挑戦という方法もあります。
が、文化経営でそうやって3年目で進学を決めた事例は、
これまで御一人しか知りません。
もちろん、私が知らないだけかもしれませんが…
もう1年かけたからといって、必ず受かるものでないことだけは確かです。

文化資源学研究室は、知的刺激のあふれる楽しい空間です。
修士論文は、そこで過ごした2年間(※社会人長期履修の場合は4年間)に
学んだこと、考えたことの集大成です。
文化資源生活の経験や思い出を胸に、修士号という証を持って、
次のステージに進んでいくわけです。

修士課程の次のステージとして博士課程に進学するにあたっては、
「修士課程の勉強や研究が楽しかったからこれからもここで学びたい」というだけではなく、
文化資源学という発展途上の学問の名の下に、
いっそう研鑽して研究に取り組めるかどうか、
その姿勢とか能力とか素養とか覚悟といったものが、問われているのではないかなと思います。

まだ修論提出まで1カ月ちょっとあります。
提出直前の追い詰められた1カ月は、
その分伸びしろも大きい時期です。
受験される方もそうでない方も、
全力でがんばってほしいなと思います。

修士課程入試は伸びしろ採用、
博士課程入試は根性採用だったと思うので、
博士論文では研究者として知的に評価されたいと思うmihousagi_nでした。

2013年10月24日木曜日

マスクが必要な文化遺産?

修論執筆中のはずが、何故か投稿するNです。

今行っている研究に際して、将来必ず行くことになる街、ポーランド南部のKrakówに関する話題です。この場所はたとえて言うならば「首都ワルシャワが東京、クラコフは古都京都」といったところ。

そのクラコフがこの度UNESCOの創造都市ネットワークの一つである文学都市に選出されました。
古くから学術都市であったこと(国内最古のヤギェウォ大学は1364年創設)、ノーベル文学賞受賞者が暮らしたこと(チェスワフ・ミウォシュやヴィスワヴァ・シンボルスカ)、出版や文学活動が盛んであることなどがその理由であるようです。
ちなみに私の研究対象である劇作家もこの街が国内における活動場所でした。

但し、この街は最近のある調査で「EU内で三番目に大気汚染がひどい街」と報じられた場所でもあります。問題となっているのは世界文化遺産にもなっている中心部ではなく、おそらく郊外。
南部は昔から工業地域であり、林立する工場や発電所が影響している模様。
長期的に見れば自然エネルギーへの転換が望ましいですが、それよりも現状維持の方が現実的なのだろうとも感じます。ドイツ並みの面積とはいえ、経済的にはそうではありません。
今週のゼミで先生から「ドイツから物価の安いポーランドへ、人々が国境を越えて買い物へ行く町」のことを聞いたときにそう思いました。

(N.N.)

追記:Krakówを日本語訳の慣例に従いクラコフと読むべきか、クラクフと読むべきか(óは「う」の音です)、自分の中で時々ごっちゃになります。