先日、お笑い芸人の母親の生活保護受給について、
不正受給ではないかと批判する報道がありました。
一連の報道は、
生活保護の制度としての問題点や、扶養の義務や責任の考え方、
議員が芸能人のプライバシーを公言することの当否など、
さまざまな論点をはらんでいましたが、
文化政策研究という観点では、記者会見での
「これは自分一人だけではないんですが、来年の仕事の保証はまったくございませんし、自分ごとではございますが、その間にも数回、長期的に休まなければならない病気も患ってしまいまして、その分すべて自分の負担になりますし、芸人保険というものもございませんので、パニックになったのはいまの正直な気持ちです。」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120525-00000018-mantan-ent
という発言が印象に残りました。
所属先の吉本興業からのアナウンスは以下に掲載されています。
http://www.yoshimoto.co.jp/corp/news.html
・「親族が生活保護費の受給を受けているという重大なプライバシー情報が報道されていること自体、重大な人権侵害であると考えており…詳細な事情についての説明は、ご容赦いただきたいものと考えております。」
・「本人の収入については一説に述べられているような高額なものではなく、時期によって大きく上下しております。また、様々な事情から生活の援助を行わなければならない親族が複数いるなかで、浮き沈みの激しい業界に身を置きつつ、親族全員に対して将来にわたっても安定的な援助を行えるかどうか、見通しが非常に難しかったという事情もございます。」
・(生活保護費の支給は)「無名の時代に開始されたものであります」。
・「本人は、なるべく親族に負担をかけることがないよう、そして、いつかは生活保護に頼ることなく自分の力だけで養っていける状況にできるよう、担当の福祉事務所などとも相談しながら、懸命に努力してまいりました。現在は、生活保護費を受給しておりません。」
お笑いが「アート」かどうかは意見の分かれるところかもしれませんが、
芸術にしろ芸能にしろ、
「芸」を職業にするアーティストの身分保障のことを少し考えてみたいと思いました。
mihousagi_n
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