2012年6月11日月曜日

はじめの3冊

文化政策とかアートマネジメントなど、文化と社会の関わりに関心があって、
もっと知りたい!と思ったときに、最初にお勧めの本×3冊のご紹介です。
・・・X年前に、自分自身が読み進んだ順番でもあります。

1.平田オリザ『芸術立国論』、集英社、2001年。
本年度文化資源学研究室で授業も開講されている平田オリザさんの10年以上前の問題提起。
とはいえ今なお通じる(=いまだに解決されていない)指摘も多数です。

就職活動に悩みつつ、たまたま遊びに行ったムサビの友人のうちの本棚で、
この本を見つけたのが、今に至る最初のきっかけでした。

2.小林真理・片山泰輔監修・編『アーツ・マネジメント概論』(三訂版)、水曜社、2009年。
現在流通しているのは内容が大幅アップした三訂版。
研究室の先輩も執筆に加わってます。
私が購入したのは、2001年の初版本だったはず・・・
(と思って本棚を探したら、2004年の新訂版も購入してました。3冊揃い。)

『芸術立国論』の参考文献として筆頭に挙げられていたので読みました。
そして、この本で「文化権」という概念に出会って感動したために、
その後紆余曲折七転八倒(!?)しながらも、いまだに研究を続けている次第です。

3.後藤和子編『文化政策学-法・経済・マネジメント』、有斐閣、2001年。
主に社会科学的な切り口から文化政策学の状況を概観した入門書。
体系的な教科書の決定版というより、
まだ新しい分野である文化政策学の今後の発展を議論するために、
文化政策の現状と可能性について必要な情報をまとめた出発の書だと思っています。
整理されていて必読だと思いますが、2012年6月現在、版元でも在庫切れみたい・・・
こういうときは図書館にgo!です。

上記3冊は、どれも初版が2001年です。

2001年当時、私自身はまだサークル活動に邁進して日々を楽しむ学部生で、
こんな議論があったことはおろか、文化政策という言葉も知りませんでしたが、


2001年は文化芸術振興基本法が制定された年であり、
日本の文化政策を語る上での1つのターニング・ポイント、
文化政策という問題関心について、
一つの分野として議論を深めていこうという意識が高かった時期だったことが、
こうした書籍の出版にもつながっていったのかもしれませんね。

(mihousagi_n)




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