皆様ご存知かと思いますが、2009年4月に大分県別府市で現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」が行われました。2009年に続き、今年は10月6日(土)~12月2日(日)の期間で行われる予定です。
「混浴温泉世界2009」は4月11日から6月14日の間に別府市内で行われ、主催したのは別府市と別府現代芸術フェスティバル2009実行委員会。国内外の8組のアーティストを招き、別府に生活しながら別府の特性を生かした個性的な8つアートプロジェクトが行われました。主なプログラムはアートゲート・クルーズ(会場は古い建物や神社や港)、ベップダンス、ベップオンガク、わくわく混浴アパートメントなど。国内外から約170組のアーティストが集まり、延べ9万人を超える来場者数を記録しました。
開催概要:
湯けむり、混在する聖と俗、移民文化。別府は至る所に不思議が顔をのぞかせる魔術的な港町である。2009 年春、65 日間にわたり、この地で多種多様なアートが展開された。鑑賞者はパスポートと地図を片手に、町に点在したアート作品を探しながら散策し、その途上で、別府という町が垣間見せる、様々な表情と出会った。
精神の旅へといざなう別世界への門=「アートゲート」となる作品は、市内各所に点在し、国籍の違う8 組のアーティストによって制作された。その「アートゲート」を鑑賞者が探しながら別府を旅する展覧会「アートゲート・クルーズ」を核とし、国内若手アーティストが古いアパートで滞在制作する「わくわく混浴アパートメント」、コンテンポラリーダンスが繰り広げられた「ベップダンス」、市内の特徴的な場所を会場とする音楽イベント「ベップオンガク」など、多彩なプログラムが開催された。 (特定非営利活動法人
BEPPU PROJECT 2010『混浴温泉世界:場所とアートの魔術性』河出書房新社: 12)
コンセプト:
大地から湯が湧きだし、窪みに溜まる。それは誰のものでもない。人はそれを慈しみ、自発的に守り維持する。そして、ここに住む人も旅する人も、男も女も、服を脱ぎ、湯につかり、国籍も宗教も関係なく、武器も持たずに丸裸で、それぞれの人生のあるときを共有する。しかし、つかりつづければ頭がのぼせ、誰もそのままではいられない。入れ替わり湯から上がり、三々五々、ここを去っていく。人は必ずここを立ち去り、再び訪れる。ゆるやかな循環。
芹沢高志 (別府現代芸術フェスティバル2009 混浴温泉世界 総合ディレクター)
さらに、「混浴温泉世界2009」をきっかけに、「ベップ・アート・マンス」や「わくわくプロジェクト」などのアート活動が生まれ、いろんな形で展開されています。
実は、私はちょうどこの時期、立命館アジア太平洋大学に在学していて別府市にいました。今思えば、別府と言うと山、温泉、海という感じで、山に行けば温泉と湯けむりがあって、腐った卵の匂いがする。降りたら海があって海藻の匂いがするという感じでした。温泉地で知られ、昔から移住が多かった別府は異文化に寛容で実に外国人にとって住みやすい場所でしたが、多少は不便で余暇がつまらないとも感じていました。私は当時この「混浴温泉世界2009」については恥ずかしながら、まったく何一つも知りませんでした。周りの友達からもそれらしき話題はなかったような気がします。まだ知名度が低かったからか、または地元向けの宣伝が足りていなかったかよく解らないのですが、鑑賞できなかったのがとても残念です。今度機会があれば、ぜひ見に行きたいと思っています。
混浴温泉世界2012
http://www.mixedbathingworld.com/
B・S
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