2013年5月13日月曜日

伊達眼鏡にだって、目が無え!

入学1か月、ようやく校内PCの電源のつけ方がわかったpugrinです。
(それまで誰かがログオフした後のPCを狙って使っていました。)

わたしは大体外に出るときは眼鏡ネをしておりまして、
しかしその前に必ずコンタクトレンズをしているのです。
つまり伊達眼鏡をしているわけです。

スッピン隠しやなんかでかけているうちに、
メガネをすることで精神的に落ち着くような気がしてきたので
いくつかのメガネを使い分けてファッションとして使うようになりました。
ちなみに自転車通学の際なんかは風や塵をよけられて便利です。
コンタクトレンズをした目にゴミが入ると大変痛いですので)^o^(

ということでふと
伊達眼鏡っていつから流行したんだろう、と考え書籍を紐解きました。
「眼鏡の社会史」白山晰也
白山眼鏡の社長さんです。
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ざっくりまとめると、
そもそも眼鏡は誰が発明したか不明です。
というのは、13世紀のヨーロッパ、ということは記録があっても
当時そうした自然科学の研究は、錬金術=悪魔の仕業の類と考えられたため
迫害を恐れて、きちんと記録に残っていないわけです。

では日本に伝わったのは、というと
大西博士という人が大正時代に研究したところ
フランシスコ・ザビエルが贈答品として持ち込んで伝わった、
ということが通説となっています。
その後ヨーロッパからの贅沢な輸入品として珍重され、
しかしだんだんと日本でも製法が広まり、
それなりに普及していくのですが、

西洋ではすぐに
眼鏡を使う人=学問をする人=偉い人≒金持ち
というような図式でもって
眼鏡が学者のステータスシンボル、
金持ちの社会的地位象徴として扱われたのに対し

日本ではしばらく
眼鏡を使う人=細かい作業をするひと=職人
というように、より実利的な扱いであったのです。
というのは、当時の錦絵や南蛮屏風に描かれた
眼鏡の使用方法の表現から推測されたことです。

しかし、文明開化とともにこれがガラリと変わります。
日本でも眼鏡が学者、金持ちのシンボルとなっていくのです。

モダーン乙彦(このネーミングセンス!!!)
こと荻原乙彦の「東京開化繁昌誌」に
「又文人墨客は旧弊維新相半す、或いは除塵埃の眼鏡を掛けて...」
という一説があります。
つまりヒゲをはやして西洋風に気取った文人の小道具として
眼鏡が登場しています。

また、明治22年にはトンボ眼鏡と呼ばれた大型眼鏡が大流行したようです。
これも
「眼鏡は近視又は老眼の者が、補助の必要上、掛くべき物であるに、
いつしか肉眼に何等の欠点なき者までが掛ける事になつた、
それは虚栄のために素通しの金縁眼鏡を掛けて威張るとか、
勉強読書のために近視眼に成つたらしく装ふなどであるが、...」とあり、
そのころにはすでに実用の眼鏡というより
恰好をつけるための伊達眼鏡が大流行していたことがわかります。

こうした流行は、単に文明開化で
西洋風にすることそのものが流行したというだけではなく、
実際に学問をして、視力が落ちて、眼鏡をかけることになった人に
あやかりたいという気持ちがあったからのようです。

それは官員でした。
官員は安定した生活が営める俸給生活者で、徴兵も免除されたので、
庶民はその地位に憧れ、小道具だけでも真似したいと願って
そのステータス・シンボルとして眼鏡にスポットライトが当たったのでした。

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さて、振り返って現在の眼鏡はどうでしょう。
特に眼鏡をしているからと言って必ずしも博学だとか、金持ちだとか決まってはいません。
伊達眼鏡もかなりデザインが多様化していて、
西洋風に見えるとか頭がよく見えるとかということには限りません。
有名人が変装(?)のためにかけている眼鏡が流行したり、
頭がよく見える、ということ自体遊び心としてファッションに取り入れられる場合もあります。
視力だけについて言えばコンタクトレンズがあり
眼鏡がなくとも矯正することができますから、
眼鏡は腕時計と同じくらい、
使うかどうかについても自由度の高い実用品というわけです。

わたしは今4つの伊達眼鏡を持っていて、
その日の気分で取り換えて使っています。
ふだんと違う変身気分を味わいたいから、
という派手な伊達眼鏡もありますし、
単に落ち着くから、というシンプルな伊達眼鏡もあります。

いずれにしろ眼鏡は「こうなりたい」「こうだったらいいのに」
を叶える簡単な小道具として
明治期以降に流行してきたことがわかりました。
単に実用的なだけでなく、精神面の補助もしてくれるような存在。
さあ、わたしは明日はどの伊達眼鏡で登校しましょうかね。

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