今週末(13日〜16日)、半蔵門の国立劇場小劇場にて、公益社団法人日本舞踊協会の新作公演が行われます。今回のテーマは、太宰治の作品『走れメロス』。稽古風景の動画が下記サイトのトップページに公開されていますので、ぜひ一度ご覧ください。
※公益社団法人日本舞踊協会
http://www.nihonbuyou.or.jp
「日本舞踊」というと、何か古色蒼然たるものを汲々と守っているイメージがあるのですが、歴史をひもとくと「日本舞踊」という概念は、明治期に「新しき舞踊」を構想する中で作られたものだ、ということが分かってきます。「新しき舞踊」を作り上げる際に、一方の軸となったのが、「古典」すなわち江戸期までに成立していた歌舞伎舞踊の演目を伝承・復活することであり、もう一方の軸となったのが、歌舞伎舞踊の技法を受け継ぎつつ、時代に合った「新作」を創作することでした。明治〜大正〜昭和初期にかけては、ロシア・バレエ等、諸外国の舞踊文化の影響を受けつつ、数多くの新作が生みだされていきました。
従って、日本舞踊にとって「新作」は非常に親和性の高い言葉です。ちなみに、日本舞踊協会の新作公演は、今年で四回目を迎えます。(参考までに、これまでの演目は以下の通り)
2009年 第一回『戀するフリ~古今舞踊抄~』
2010年 第二回『新 道成寺』
2011年 第三回『かぐや』
稽古ブログを見るかぎりでは、今回の『走れメロス』では、物語に登場するわるい王様を「女帝」と解釈してるようですね。飛んだり跳ねたりといったダイナミックな身体技法はお手の物なので、スケールの大きな舞台が期待できそうです。ご興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください。
(mio.o)
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