昨日2012年7月14日(土)、文化資源学会が東京大学本郷キャンパスで行われました。
<タイムテーブル>
13:00−13:50 第11回総会
14:00−16:35 第11回研究発表大会
発表①:蔵田愛子さん(練馬区立牧野記念庭園記念館)「杉山寿栄男による「原始文様」研究とその普及をめぐって」
発表②:サラ・デュルトさん(大原美術館)「イタリアを展示するーローマ万博(1942)跡地エウルの過去・現在・未来ー」
発表③:小山文加さん(一般財団法人ヤマハ音楽振興会 ヤマハ音楽研究所)「『国民共有の文化財』としてのオーケストラへの転換ー1960〜70年代におけるオーケストラの内部環境および外部環境の変化をめぐって」
16:45−18:00 特別講演会 ペトル・ホリー先生(チェコセンター東京所長)「日本におけるチェコ、チェコにおける日本」
<研究発表大会の感想>
私にとっては今回初めての参加でしたが、様々な経歴や関心をお持ちの方がいらっしゃり、改めて文化資源学の懐の広さを感じる機会となりました。
各研究発表における文化資源学的取り組み方もさることながら、とりわけ発表後の質疑応答に際し、一つの事柄を参加者の方々が色々な角度から捉えていると言う事が強く感じられ、動もすれば凝り固まりがちな自分の視点を解きほぐすきっかけとしてこうした場での発表は重要であると思いました。
また、多様な関心を持つ方が集まる場であるだけに、発表内容だけでなく発表方法についても考えさせられました。
「あなた方は研究者として人類の知的財産を築いていくという社会的責任を担っている」と言うフランス語の先生の言葉を受けて以来、私は、自身の研究の社会的意義についてより一層意識する様になりました。
(私の如き若輩者がこのような事を言うのは痴がましいかもしれませんが、少なくとも意識だけは、その位の気概を持ってやっていくつもりであります)
例えばこういった発表の場で、どれだけ自分のテーマを「面白い」と思って頂く事が出来るのかという事は、研究者として研究行動と同様に真摯に取り組むべき課題であると思います。
この事は実際問題として、研究を行っていく上で必要な資金面・情報面等で協力や賛同を得る為にも重要です。
その点で、今回の研究発表大会は発表資料やパワーポイントの作り方、話し方等から受ける印象の重要さを改めて認識させられました。
<特別講演会の感想>
チェコと日本の文化交流史入門として位置づけられる様な、非常に内容が濃く発見の多い講演会でした。
その中でもとりわけ印象的だったのは、講演後の質疑応答の中で「何故こんなに沢山の建築家が日本との関係を持ったのでしょうか?また、ホリー先生ご自身は何故日本に関心を抱く様になったのですか?」という質問に対し、ホリー先生が「皆、書物を通じて日本に魅せられたのでしょう」とおっしゃっていた点です。
講演の中でも、日本や日本文化について記述した幾つかの書物の紹介がありましたが、両国の文化交流史の中で、ある人達が行った「チェコ語で記録に残し伝える」という行為が果たした役割が大きかった事を知りました。
文化資源学会10周年事業も企画されており、本研究会はこれからますます発展するものと思います。
私もいつかはこういった場で発表出来る様、研究に励みたいと思います。
次回の遠足が楽しみです!
(M.O)
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