2012年11月27日火曜日

別府をススメるアートフェスティバル考

先日、別府に行ってきました。3年に1回行われる、「混浴温泉世界」というアートフェスティバルに行くため、初めて大分県に上陸したのです。

「混浴温泉世界」では、別府駅周辺を中心に、別府温泉発祥の地・浜脇地区や、鉄輪(かんなわ)温泉地区において8つのプロジェクトから生まれた作品を展示しています。
各展示にいるスタッフの方は、作品や別府について色々教えてくれ、面白い話を聞きながらまわれました。

日本のアートフェスティバルにはいくつか行っていますが、この「混浴温泉世界」が特に面白かったのは、
作品を次々追っていくのではなくて、[作品をたどりながら別府のまちを見る]ように仕掛けられていたことです。
まちにたくさん展示されている作品を制覇するがごとく次々次々と見ていっても、結局は印象に残った作品もなく終わってしまいますが、別府ではそんなこともなく、のんびりとまちを楽しみながら作品も楽しむことができ、それがとてもたのしく心地よかったです。
「ついでにあの温泉まで行っちゃうかー!」とか思ってみたりして。
「アート」以外にも、というか「アート」以外のものこそに、思いがけず色々なたのしいものが見られたなーという感想をもちました。

でも、ですが、
作品以外の要素に興味がわくようなアートフェスティバルって、現在あまりないのではないかと思います。
「アート」フェスティバルなんだから「アート」見なくてどうすんの、というのはもちろんあるのですが、やはりある土地でフェスティバルを楽しむということは、その土地を楽しむことでもあるはずです。
「その土地の雰囲気を壊さないように、調和したかたちでフェスやるべきですよ」みたいな議論はありますが、それは当たり前で。
「アート」を通じてどのようにまちの魅力を来訪者に伝えて楽しんでもらうか、ということこそ考えるべきなのではないかなと思いました。

別府はなんだか昭和な趣をたたえた雰囲気があり、それだけでも別世界に来たような感じがしましたね。魚もおいしいしね。温泉あるしね。別府は、なぜこの土地をフェスティバルの会場に選んだのか、分かったような気がします。
アートフェス飽和時代に向けて走っている日本、このようなフェスティバルが増えれば良いなと思った次第です。

(竹)

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