遅ればせながら、私も鶴岡合宿の感想を書きたいと思います。
私的な事情で初日と2日目しか参加できなかったのですが、
やはり初日と2日目しか参加できないM.Hさんと二人で
初日の集合時間前早朝に!
3日目に訪問予定の加茂水族館と南岳寺には行ってきました。
農家の宿・母屋さんや、前後のオプションも参加したかったなあ・・・
小林ゼミ合宿には初回から参加している古株ですが、
今回の鶴岡合宿は、初回の横浜合宿以来の、
「都道府県名・国名ではなく都市名を冠にした合宿」でした。
鶴岡(オプションで酒田)、ひいては庄内地域にどっぷり漬かった今回の合宿は、
広域移動型の合宿とはまた違った面白さがあったと思います。
(注:とはいえ鶴岡は自治体としてはとっても広いんですけどね)
食文化創造都市に名乗りを上げた鶴岡、
その魅力を考えるキーワードは「地産地消」なのではないかなあと、
行く前に漠然と、個人的な仮説を勝手に抱いていました。
本年度のゼミの参考文献:ジェイコブズ『発展する地域 衰退する地域/地域が自立するための経済学』の影響で、地域における生産と消費について考えることが多かったというのもあります。
「都会とちがって地方には何もない」ではなく、
世界に発信できるものをたくさん生みだせる、
地方都市が東京を経由せずに直接世界とコミュニケーションできることを目指す、
というのは、
去年金沢の創造都市の文脈でも聞いた話ですが、
鶴岡の場合は特に、自分たちが地域で楽しく味わっているイメージが強いような・・・
M1の皆さんの丁寧な事前リサーチから、
私が抱いていた鶴岡の事前の印象はそんな感じでした。
なので、1~2日目にお話を伺った方々には、
主にその関心から質問させていただきました。
いただいた回答の内容を、簡単に箇条書きですが、ご紹介したいと思います。
同じような内容を違う人の口から聞くことが多かったのも、印象的でした。
・田舎でないとクリエイティブな仕事はできない!
・人と違うことをやろうとする2割の人が重要
・鶴岡には学術研究の伝統がある
(→それは、問題意識を持って自分で考えて勉強する伝統があるということ)
・リポーター養成「いいものを自分の言葉で発信できるように」、取材の自主企画も実施
(→自分たちの言葉で表現できるのは大事)
・文学と歴史が根付いている
(→次に鶴岡に行く時は藤沢周平記念館はぜひ行きたいと思いました。
昨年の金沢の泉鏡花といい、作家を持てることは地域の財産だと思います)
・進取の酒田に対し、鶴岡は沈潜の風
・戊辰戦争で賊軍となった庄内藩士300人が、維新後松ヶ岡開墾に尽力。見返してやろうという気持ち以上に、国家・社会のために自分たちが頑張るという精神に対し、西郷隆盛が「気節凌霜天地知」の言葉を贈った。
・まちづくり塾、自分たちで産業をつくる、自分たちで考えてつくる気風を育てたい
・「民間でやろう!」&「新しい公共(行政はコーディネート)」
・成果を答申じゃなくて行動で示す研究会
・公益的なことをビジネスマインドでやる
・地域の発展に銀行も責任がある
・半農半映画、庄内に定住して映画作り
(→半農半Xについては、山伏もそういう面があるなあと宿坊のお話を伺って思いました)
・有機農家の主体性が多様性につながる。やり方が違うので、自然災害で一人が倒れても1人が残る。
・鶴岡は月山のようである。つかむのに時間はかかるけど素晴らしいところ。
個人的な仮説に対する個人的な感想としては、
鶴岡を理解するキーワードとして地産地消もあるけれど、
DIYというかセルフビルドというかフロンティア精神というか創意というか・・・
しっくりくる言葉がなかなか出てこないのですが、
鶴岡の底力は、もっと深いところに精神的な源泉があるような気がしました。
それこそ月山のような。
それからもう1つ。
「人と違うことをやろうとする2割の人が重要」という話について。
2割に対し、残り8割がどういう態度をとるかが重要だという発見がありました。
山岳信仰が始まった当時においてもかなり個性的な信仰スタイルだったのではないかと思われる山伏、農薬使用が当たり前という風潮で当初は変わり者扱いだったという有機農家、世間が越前クラゲ騒動の渦中でクラゲを食べることを研究していたという水族館、そういう「人と違う行動」が、鶴岡では少なくとも否定はされなかったから、今日に至るのだと思います。
加茂水族館は展示を拝見しただけですが、
小さな施設いっぱいにぎゅぎゅっと込められた想いがひしひし伝わってきて、
がんばっていて地域からも愛されている施設だということがよくわかりました。
当初の仮説よりも、もっと奥深い鶴岡の魅力を感じることが出来て、
とても楽しい合宿でした。ありがとうございました。
(mihousagi_n)
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