ドイツへ行かれた皆さまが続々と帰国されるなか、いまだ寮にすら帰っておりません。
先週末はプラハにて、ムハにカフカ、人形劇にボヘミアングラスと典型的な観光スポットをひたすらまわってチェコビールも飲むという二泊三日を過ごし、中世に栄華を極めた都の力をこれでもかと見せつけられました(あいにくの雨で走れなかったのが残念です)。明日からは最も行きたかったクラコフへ。
本日の話題はヴロツワフについてです。プラハ‐クラコフは十時間かかるため、まさしく途中下車のつもりで立ち寄りました。結果、来て正解でした。
ズゴジェレッツへ行かれた方は、町の若者が目指す街の一つとしてヴロツワフが挙げられていたのを覚えていらっしゃるかもしれません(町のパンフレットにもこの街への距離が記載されています)。以前からシロンスク地方の中心として栄えていた場所ですが、2016年の欧州文化首都に選出されたことでさらに注目を浴びています。駅前のビルから路面電車、ビールの広告も選出をアピールしていました。
最初に訪れたのはラツワヴィツェの戦い(1794年、コシューシコ率いるジャコバン派と農民軍がロシア軍を破った)を描いたパノラマ館。ポーランド史は蜂起に事欠きませんが勝利に終わったものは少なく、この作品が観衆を鼓舞したことは容易に想像がつきます。戦場を題材にすることの多いパノラマが、観る者に戦争の臨場感や(自国が勝っている)高揚感を与えるための装置だということがよく分かる施設でした。外国語のオーディオガイドも種類豊富。
カフェやレコード店、レストランをまわれば、どの店にもイベントの告知が見つかります。ポーランド映画研究会(英語字幕付き)や20世紀の住宅建築(ひたすら四角い)をめぐる地図など。
最も印象的だったのがKino Nowe Horyzonty、シネマコンプレックスでは見られない作品専門の映画館です。文化首都事業の一環として昨年元々あった映画館を改装したとのこと。往年の名作や実験映画、舞台録画(演劇・バレエ・コンサート)など、古今東西の作品を揃え、何より施設そのものが「通いたい」と思わせるものでした。ポスター美術はポーランドの十八番ですが、その流れは健在だと安心させてくれる売店もありました。
一観光客が早歩きで見て回ったに過ぎませんが、ズゴジェレッツの若者がここへ来たがるのも分かる気がしました。街の中心部は大きくも小さくもなく、生活を楽しむ要素が揃っている印象です。逆に小さいからこそある種の統一感が保たれるのかもしれません。大学があることも大きいでしょう。もちろん中心部を外れると古めかしい建物が立ち並びますが、寂れているというよりはこれも街の一面として面白がりました。
ちなみにここは街中に小人の像が点在していることでも知られているのですが、本日は彼らに脇目も振らずに歩きました。世界遺産である百年記念ホールへは明朝行く予定です。
(N.N.)
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