M1のRaeです。
以前から、上野公園にいるストリートパフォーマーの横に置いてあるホワイトボードは何なのだろう、と思いつつ素通りしていたのですが、先日吉見俊哉先生等が編集された『路上のエスノグラフィ』を読んでそのささやかな疑問が氷解しました。
これは2002年から東京都が文化事業として始めたヘブンアーティスト制度によるものなのです。この制度は、ライセンスを得た「ヘブンアーティスト」達が定められた場所と時間でパフォーマンスを行う(投げ銭可)という仕組みですが、ライセンスの認定と審査が存在します。(昨日上野公園に行って確認したところ、あのボードにはしっかりと「ヘブンアーティスト」と書いてありました。)
映像音声資料による一次審査、都庁前都民広場における実演一般公開の二次審査があって、大衆芸能の専門家が審査をするようですが、「明確な審査基準がなく」、場所、時間(夜間は×)、公序良俗に反するもの、趣味のレベルは×等の規制も多いようです。
そのため、『路上のエスノグラフィ』に出ているアーティストたちのインタビューでは「やりにくくなった」というところがあるようで、間違いなくこの問題は文化資源学で取り扱えるものだな…と思いました。
海外では路上パフォーマーが楽しげに(何時間でも)やっていますよね。ここまで多くの事例で似たようなことがあると、日本の国と芸術の関わりの先が見えるようで、少し息苦しいです。
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