博物館が所蔵しているパブリックドメインの芸術作品の画像へのオープンアクセスについて実践事例が調査された報告書があるので紹介します。
Kristin Kelly. Images of Works of Art in Museum Collections: The Experience of Open
Access. Council on Library and Information Resources, 2013.
アブストラクトはこちら:http://www.clir.org/pubs/reports/pub157
カレントアウェアネスで紹介されています:http://current.ndl.go.jp/node/23823「みんなの翻訳」というサイトで日本語訳が4分割で公開されています。
(1)前置き部分:http://trans-aid.jp/index.php/article/detail/id/36406
(2)調査の詳細:http://trans-aid.jp/index.php/article/detail/id/36651
(3)まとめ部分:http://trans-aid.jp/index.php/article/detail/id/36653
(4)資料編:http://trans-aid.jp/index.php/article/detail/id/36654
以下、日本語訳をもとに。
所蔵作品の画像のデジタル化やデジタルアーカイブの構築など、いくつかの事例がありますが、この報告書の中で取り上げられているのは米国と英国の11の博物館です。
・大英博物館(British Museum)、ロンドン
・インディアナポリス美術館(IMA: Indianapolis Museum of Art)、インディアナポリス・J・ポール・ゲティ美術館(J. Paul Getty Museum)、ロサンゼルス
・ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA: Los Angeles County Museum of Art)、ロサンゼルス
・メトロポリタン美術館(MMA: Metropolitan Museum of Art)、ニューヨーク
・モルガン・ライブラリー(Morgan Library and Museum)、ニューヨーク
・米国国立美術館(NGA: National Gallery of Art)、ワシントンD.C.
・ヴィクトリア&アルバート博物館(V&A: Victoria and Albert Museum)、ロンドン
・ウォルターズ美術館(Walters Art Museum)、ボルチモア
・イェール英国芸術センター(Yale Center for British Art)、ニューヘイブン
・イェール大学アートギャラリー(Yale University Art Gallery)、ニューヘイブン
画像へのオープンアクセスを実現する際にどのような懸念があったのか、提供する際に料金を請求するか否か、営利目的と非営利目的で料金の徴収に違いを設けるか、画像の解像度や提供に伴う手続きなど、それぞれの博物館における状況についての調査結果が示されています。オープンアクセスへの動きを促進するものとして、上層部の支援や館長の指導力が挙げられています。
調査の詳細を知りたい場合は報告書本文を読む方が良いと思いますが、画像の利用を考えている場合は、報告書の最後にある付録Bでそれぞれの博物館の画像の利用条件などが整理されているため、その部分を参照すると便利かと思います。
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