2014年5月3日土曜日

合併の善し悪しとは

こんにちは、MKです。またNHK番組の話です。
4/30 19:30〜20:00のクローズアップ現代http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3492_all.html
にて、合併の話が出ていました。ゲストは新藤宗幸氏(後藤・安田記念東京都市研究所常務理事)です。
私自身、約10年前に合併した市に住んでいますので興味津々で見入っていたのですが、そこでは4つの地方自治体が紹介されていました。まずは、事例の簡単な紹介から入ります。(詳しい話を知りたいは、全スクリプトが載っている上記のHPをご覧ください。)
《失敗例》
⚪︎篠山市(兵庫)
地方交付税の優遇措置、合併特例債に期待を寄せて老朽化した施設の建て替え(斎場、ゴミ処理場の統一)をするために合併するも、元々の地方自治体ごとに無駄なもの(市民センター、温泉、図書館、博物館)を建ててしまったために財政難に陥っている。
人口も税収も増えるという甘い見通しがあったのだが合併3年後には人口が減少し、さらに交付税の減額で苦しんでいる。

⚪︎佐伯市(大分)
合併しても、分散して8つあった役場を支所として残しているので費用がかさむ。
南海トラフが心配な地域なので、そこまでサービスを効率化できない。

《成功例》
⚪︎三豊市(香川)
100億の交付税が4年後には60億に減らされることを見越し、「まちづくり推進隊」をつくる。(「まちづくり推進隊」とは業務の殆どを退職した人々によって構成される有料ボランティア。この団体は、事務だけではなく自治会や防犯、交通安全運動にあたっている。運営は「住民の裁量」)
→これによって2億の人件費を削減。
市長の話のキーワード「分権の受け皿としての役割」

《もう一つの成功例・合併しない例》
⚪︎矢祭町(福島)
敢えて合併しない道を選択
3割人件費をカットするため、職員は掃除も自分たちで行う
「もったいない図書館」:44万冊の蔵書を全て寄付で賄う。新聞も役場で朝読まれたもの。
…しかし!
子育て支援に3億を投じている。住民が子育てにかける費用は周辺自治体の半額。
第三子には祝い金として100万が送られる。
「何が地域のニーズにあっているのか」

新藤氏は矢祭町の取り組みを評価し、多世代が住む自治体が理想的であることを指摘していました。さらに、「地方自治」の意味を問い直すべきと締めくくっていたのですが私はそこで、今更ながらハッとさせられる思いをしました。というのも、地方自治という言葉こそ知っていても今まで「自治」という言葉の意味について深く考えていなかったことに
気づいたからです。「どうぜ自治とは言っても名前だけ…」と思っていたのですが、そうではないのですよね。
以前投稿した「わが町の大逆転」では住民が自分たちの町に否定的な意見を持っているところが放送されていました。それに比べて、「まちづくり推進隊」や行政職員の顔が生き生きしていることは印象的だった、《成功例》三豊市と矢祭町の住民の話を直接聞いてみたくなりました。もちろん番組には、良い感想を述べる住民のみが出てきていましたが、意外と「わが町」の住人と同じ感想で、行政の取り組みを知らない人が多いかもしれません。

※ついでにもう一点、篠山市の事例の時に、いかにも「博物館など文化施設が作られてしまったがために財政が立ち行かなくなった」という取り上げ方だったような印象を受けました。(考えすぎかもしれませんが) それよりも、どちらかというとそのハコモノたちの作り方が、あまりに計画的でなかったことの方に重点をおいて報道して欲しかったです。「だから文化施設って無駄だよね」というような感想を持たれるのはよろしくないですし…

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