2014年5月1日木曜日

文献紹介

文化的な活動に日常的に関わりに行くような人間ではなく訪問記のようなものは書けないので、またしても文献紹介です。
(個人的には、どのような誘因があれば日常的にそういう場所に出向くようになるものなのか少し不思議だったりします)。

ボーン・デジタル資料(最初からデジタル媒体で制作された資料)の収集に関する報告書の紹介です。

Gabriela Redwine, Megan Barnard, Kate Donovan, Erika Farr, Michael Forstrom, Will Hansen, Jeremy Leighton John, Nancy Kuhl, Seth Shaw, and Susan Thomas. Born Digital: Guidance for Donors, Dealers, and Archival Repositories. Council on Library and Information Resources, 2013.

アブストラクトはこちら:http://www.clir.org/pubs/reports/pub159
カレントアウェアネスの関連記事:http://current.ndl.go.jp/node/24725http://current.ndl.go.jp/e1507
「みんなの翻訳」というサイトで日本語訳が2分割で公開されています。

以下、日本語訳をもとに。
報告書本文では、デジタルメディアやデジタルファイルのようなデジタル媒体で作成された資料が、寄贈や購入によりアーカイブなどの機関に収蔵される際に、提供者や取扱業者、アーカイブのレポジトリが考慮するべき事柄について整理されています。
提供者と取扱業者に対する推奨事項と、アーカイブのレポジトリへの推奨事項とが示され、収集のときに考慮すべき事柄やプライバシーと知的財産権の問題、収集範囲や移管方法、資料の取り扱い、物理的状態の記録などの問題が取り上げられています。
付録には、予期せぬ出来事に備えるための推奨事項の一覧や、提供者と取扱業者に対する推奨事項のチェックリストと、レポジトリへの推奨事項のチェックリストなどが載っています。

例えば最近、

MSN産経ニュース 『“世紀の大発見フロッピーから「お宝」アート 30年前にウォーホルがPCで描く』 2014.4.26 11:24

という報道がありました。
現代美術関係の美術館などでは、デジタル媒体で制作された資料を取り扱うこともあると思いますし、図書館や文書館でデジタル資料を扱うこともあるでしょう。
デジタル資料そのものは技術の変化により仕様などが変わる可能性がありますが、報告書で示されている収集の際に生じうる問題などは、そのような変化を経た後でも常に考慮するべき事柄ではないかと思います。


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