授業での話し合いでアーカイブが話題に上ったので、デジタル媒体による個人的な記録の保存に関して、事例紹介的なものと個人的な雑感と。
カレントアウェアネスの記事で個人のデジタル資料の保存に関する米国議会図書館の取り組みが紹介されています:
米国議会図書館(LC)、個人でのデジタル情報保存の際に役立つリソース等をまとめたウェブページを公開(Posted 2012年2月21日)http://current.ndl.go.jp/node/20215
ここにあげたような記事を読むと色々と考えてしまいます。
個人がデジタル媒体で記録した写真やビデオ、録音物などはどれくらいきちんと整理されて保存されているものなのでしょうか。保存先やバックアップを考えたり、保存媒体や再生機器が変更されても記録していたものを再生できるように定期的に媒体を変更したりしている人はどれくらいいるのでしょうか。紙やフィルムはかさばるからデジタルで保存したら便利、とただそれだけでデジタルで記録して、そのままにしてはいないでしょうか。デジタルの永続性はどの程度保証されているものなのでしょうか。保存媒体や再生機器の変更によって記録していたものが使えなくなること、誤った操作や保存環境の変化でデータが消えてしまう可能性があること、デジタルにも欠点があることはどれくらい認識されているのでしょうか。
もちろんデジタルに利点はありますし、紙や他の媒体も保存環境が悪ければ劣化して利用不可能になることはあるのですが、なんとなく、デジタルに保存しておけばとりあえず大丈夫だろう、と考えている人は案外多いのかな、と最近いろいろと見ていて思ったりしました。実際どうなのかはわかりませんが。
他にも、関連するカレントアウェアネスの記事として:
個人のデジタル情報保存を支援するニューカナーン公共図書館:LCが担当者へのインタビュー記事を掲載(Posted 2013年9月18日)http://current.ndl.go.jp/node/24392
というものもあります。カレントアウェアネスでの紹介文を引用すると:
記事では、インタビュー本文に先立ち、公共図書館においては、デジタルリテラシーというと、主にコンピュータやインターネットの利用をさすが、その他の面として、デジタル情報がアクセスできなくなりやすいことや、それを防ぐことができることを理解するという側面もあるとの指摘がなされています。
なんとなくデジタル技術を使いこなせてしまっている人は、他の技術や媒体と同じような感覚で認識していて、そこに含まれている問題を意識化しにくいのかな、とぼんやりと思ったりします。そのような部分を意識化すること、そのための知識が何らかの方法で提供されること、というのが必要とされているのかもしれません。
(ne)
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