2014年5月14日水曜日

吉祥寺からまたひとつ…(追記あり)

人生のほとんどを武蔵野市で暮らし、吉祥寺は私にとって庭のようなものでした。
そこからまたひとつ、個性が消えようとしています。


今月いっぱいで「吉祥寺バウスシアター」が閉館するのです。

「吉祥寺バウスシアター」は単館系作品もロードショーも上映し、
映画好きからも普通の人からも愛される「まちの映画館」でした。
1951年に前身の「ムサシノ映画劇場」が吉祥寺初の要が専門の映画館としてオープンし、
1984年に現在の場所に移り、「吉祥寺バウスシアター」として再スタートしました。
「吉祥寺バウスシアター」になってからは、落語の寄席を行なったり、若い人のロックの練習の場になったり、様々な企画を開催して、様々な人が集まる場所になりました。
60年以上もの間、多くの人に愛され、吉祥寺とともに過ごした貴重な存在です。

しかし、その「吉祥寺バウスシアター」も建物の老朽化や地代の高騰など、様々な理由が絡まって、運営会社は閉館という道を選びました。



吉祥寺というまちは様々な人を受け入れてきたまちだと思います。
「住みたいまち」に何年も続けてランクインし、外からの人を受け入れ、
よそ者を集め、若者がたむろし、年配の方が憩い、
多くの人がここで余暇を過ごすことのできる、そんなまちだと思います。
そして「吉祥寺バウスシアター」もまた多様な人が集まる場所でした。

まちの縮図であるかのようなこの映画館の姿は、
まるでこれからの吉祥寺の行方を見ているようで、心苦しいものがあります。

現在、映画や吉祥寺、そして「吉祥寺バウスシアター」を愛する方が協力して、
「吉祥寺バウスシアター」の存続に向けて動き出しています。
まもなくHPが開設され、本格的に始動するようですが、
その進捗状況はTwitter上で【バウスシアター再生計画】と検索すると、追うことができます。

また現在、吉祥寺バウスシアターでは通常の上映に加え、
最後の特別企画を行なっています。
その一環としてアーティスト・淺井裕介さんによる制作も現在行なわれています(~5月17日)。
私もまだ行くことができていませんが、ぜひ多くの人に吉祥寺の魅力を記憶に留めてほしいと思っています。

(追記)
淺井さんの制作については、詳しくは以下のページをご覧ください。
http://www.tokyoartbeat.com/tablog/entries.ja/2014/05/baus-closing-yusuke-asai.html
制作期間中は、館内への入場は映画を観る人のみに限られているそうですが、
6月4日(水)〜6日(金)の11:00〜13:00は無料で公開されるそうです。


(tantaka)

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