明日から2月ですね。
春が近づくにつれ花粉の気配に怯えるM.Oです。
以前、sweetfishさんより291の投稿がありましたが、今回はパリよりこちら、le 104のお話。
「le CENTQUATRE ル・サンキャトル」と読みます。意味は「The 百四」!
都市再構築計画(2001年-)においてパリ北東のインフラ整備(地下鉄拡張及びトラムウェイ新路線や船の運航延長)と並ぶ核プロジェクトとして、 パリ市長Bertrand Delanoëの指揮の下、「市民生活をより潤沢にする原動力」にすべく19世紀からパリ市営の葬儀場(1998年閉鎖)として使われていた場所を大規模改造、2006年に改築工事に着工。
2年の歳月をかけ、2008年、展覧会やコンサートスペース、アーティストインレジデンス、アマチュア用芸術活動スペースを含む多目的文化センターとして、パリ19区オーべルヴィリエ通り104番地にle 104はオープンしました。
2009年には書店やレストランに加えMaison des Petits(子供用文化スペース)がオープンし、生活と出会いの場へと進化。
当施設の登場を契機として、パリ19区は急速に発展を遂げる事となりました。
これまでパリにおける文化施設は芸術を生活の中にインサートする形で形成されて来たと言えますが、当該施設は生活の中に文化を位置づけるべくして誕生したという点で注目を集めました。
12月のある日の昼下がり、ふらりと覗いてきました。
展覧会の開場時間まで少し時間があったので、施設内をぶらぶらしました。
小粋で「開かれた」本屋さんや、社会的弱者を支えるアソシエーションEmmaüs Défiの初の「店舗」であるガラクタ市を見た後、中央の広場の各所に設置された椅子にぽやっと座っていると、子供達が走り回っているのが見えます。
一方ダンスやカポエイラの練習をする若者達も。
何かとスペースの無いパリの中で、公園以外でこれだけゆったりとした感覚が得られる所は数少なく、貴重に感じます。
展覧会は2つ行われていました。
まず、「感情遺産」を保存・展示するというユニークな視点を持った展覧会「ハートブレイクミュージアム(le Musée des Cœurs Brisés)」で悶々とした気持ちになったり。自分の体験を書いて張り巡らされたロープに吊るす事も出来ます。
ちなみにこの展覧会、今年の2月13日まで開催だそうで、14日までには終わらせてくれるみたいです、良かった良かった。
もう一つは、絶え間ない自然への希求に現代的解釈を与える様々な作品を、施設全体で点在的に配したグループ展。
出展作家は以下の通り。
Céleste Boursier-Mougenot(小鳥ちゃんが展示室を飛んでいます!個人的に良かった)、Moataz Nasr、Hema Upadhyay、Zimoun、Gu Dexin、Christophe Beauregard、Joana Vasconcelos(フェイクのお花畑でトリップしちゃいます)
地域の雇用創出という意味合いもある当施設。働いている人達は皆なんだか楽しそう。
展示室へ案内する時も、何度も同じ台詞を言っているに違いないけれど、作品を楽しがっている様に見えたし、某巨大美術館の職員達の様に露骨に不機嫌な顔をしている人はいませんでした。
私が行った時たまたま機嫌が良かったのかもしれませんし、ちょっとした事だけれど、大切な事ですよね。
展覧会鑑賞を終えて出てくると、広場はダンスや演劇などを練習する若者で一杯、熱気がむんむん。
平日であっても場所取り必須な程です。
皆様、パリに行かれる際には、le 104にて思い思いの時間の過ごし方を楽しんでみてはいかがでしょうか。
(M.O)