香港の演劇について書くと言いながらすっかり時間が過ぎてしまいましたが、これからはワルシャワで頭がいっぱいになると思うので忘れないうちに投稿です。
6月下旬から7月中旬までの三週間強で観た作品は6つ(東京でも行われている、ロンドンNational Theatre Liveの映画館上映を含めると7つ)でした。ここでは券購入に関して書きます。
日本ではネットあるいは電話でチケットを予約して、コンビニなり劇場なりで受け取るのが一般的です。短い滞在期間で知る限り、香港でもURBTIXと呼ばれるインターネットサービスで予約しますが、受け取りは郵送のようです(実際にはもっと選択肢があるのでしょうが、少なくともコンビニ受け取りはできません)。そこで香港市内に点在する直接購入可の窓口に行きました。
その中の一つ、Jockey Club Creative Arts Centreは庶民的な区域の一角にあります。初めて訪れた夕暮れ時には隣接する運動場で多数のおじちゃんが新聞を広げ、果たしてここが目的地なのかと一瞬不安に。中に入れば八階建ての吹き抜けがあり、子どもたちによる工作が並べられていました。涼しいのでここでも近所のおじいちゃん・おばあちゃんがくつろいでいます。
ここは社宅を改装した建物で100を超えるアーティストや団体が作品制作に利用しているようです。エレベーターホールに多くの教室案内が貼られ、市民にとっては公民館といったところでしょうか。
別の日に行った際にはアートセラピーにまつわる展覧会が開かれ、パブリックアートや患者の手による作品を見ることができました。
現地デザイナーによるお土産店やカフェもあります。スコーンやサンドイッチを提供するカフェと中国茶の喫茶室が向かい合っていたのが象徴的でした。
ここにはさらにBlack Box Theatreという小劇場があり、残念ながら私は予定が合わずここでの観劇はしていませんが、香港の大学に勤めている知人によると、この劇場にはしょっちゅう足を運ぶとのこと。実験的な作品を上演しながらも、やはり地元との交流を大事にしているようです。過去には『走れメロス』公演も行われたそうです(私も福岡から招聘された劇団の公演案内を目にしました)。
最後にお値段に関して。海外の学生であれ学割が適応されるのでほとんどの作品が正規の半額、100HKD(1300円)ほどで観劇できます。とはいえ正規の値段からして3000円以下と日本に比べればお手頃です。これは美術館料金でも感じたことで、香港芸術館や香港歴史博物館は見どころが多いにもかかわらず、どちらも300円以下で入場できました。さすがは英国と縁の深い場所。
(N.N.)
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