「情報源とデジタルアーカイブを少しと」で書いたものへの補足です。
追加情報ではなく若干の解説のようなものです。
東京大学で利用できる各種データベースを探せるところ。資料タイプや主題などの条件を設定して検索すると、その条件に合った資料を検索できるデータベースを見つけることができます。データベースのデータベースと言うとわかりやすいかもしれません(わかりにくい人にはわかりにくいかも)。個人では利用しにくい有料のデータベースも、大学で契約しているため使えたりするので所属している間に有効活用すると良いと思います。注意点としては、データベースによって学内限定の利用となっていたり、同時に利用できる人数が制限されていたりもするので、利用条件を確認してから利用しましょう。ECCSのアカウントをもっていれば学内限定のデータベースを学外から利用できるものもあります(http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gacos/faq/gakugai.html)。
東京大学で所蔵しているすべての雑誌と1986年以降に収集された図書を検索できるところ。“1986年以前に収集された図書のデータも随時入力中”とされています。1986年以前の図書に関してはOPACでは検索しても出てこない場合があるので、紙の目録カードで調べる必要があります。
論理演算を使った検索では、AND検索とOR検索、NOT検索ができます。AND検索は単語の間にスペースを入れます。つまり「A B」と入れるとAとBを両方とも含む資料が検索できます。OR検索は単語の間に「+」を入れ、+の前後にはスペースを入れます。「A + B」と入れるとAかBのいずれかを含む資料が検索できます。NOT検索は単語の間に「-」を入れ、-の前後にはスペースを入れます。「A - B」と入れるとAが含まれる資料のうち、Bを含まないものを検索することができます。()でくくることで複数の論理演算を組み合わせて使うことができ、詳細検索画面ではプルダウンメニューを使うことで著者名やキーワードなど異なる検索項目の間でも論理演算を使った検索ができます。
(こういう検索方法は知っている人も使っている人も多いとは思いますが、最近自分の常識が通じないことが多いので基本的なことも丁寧に説明することを試みています)。
前方一致検索を使うと、単語の途中までの入力で検索できます(東京大学OPACでは中間一致と後方一致、語中変化の検索はできないようです)。簡易検索画面で検索する場合と詳細検索画面で「全ての項目から」で検索する場合は、特別な操作は必要なく、単語の途中までの入力で検索することができます。詳細検索画面の「全ての項目から」以外で検索する場合は通常、単語の途中までの入力では検索できませんが、後ろに「*」をつけることで単語の途中までの入力でも検索できるようになります。その場合、*の前後にはスペースを入れず、「j*」などの形で検索します。ヘルプで応用例として提示されていますが、雑誌の略称から検索したい場合などに利用すると便利です。
(丁寧に説明すると言いながら論理演算や前方一致検索という言葉を説明なしに使うのは不親切な気もしますが、あまり事細かに書きすぎても煩雑になるだけなので、分からない場合はヘルプを参照するなり自分で調べるなりしてください)。
どのような検索が可能で、どの記号を検索に利用するかはデータベースによってそれぞれ異なるため、ヘルプなどを見て確認して使うと良いかと思います。
MyOPACを使うと、貸出中の本を予約したり、借りている本の返却期限を延長したり(返却期限内で予約者がいない場合などの条件はあります)、他のキャンパスの本を所属している図書館に取り寄せて借りたりすることができます。
国立国会図書館のOPAC。国立国会図書館は納本図書館のため、国内で発行された出版物をすべて収集していることになっています。国内で発行された出版物に関して、資料の存在を確認したいときなどに使うと良いかと思います。ただ、資料収集の方針(http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/collection.html)があり、外国語資料や専門分野の資料に関しては大学図書館の方が充実していることもあるため、場合によってはCiNii
Books(http://ci.nii.ac.jp/books/)やそれぞれの図書館の蔵書検索を使った方が良いかもしれません。また、雑誌記事索引は、一定の選定基準の下に採録誌が決められているため(http://www.ndl.go.jp/jp/data/sakuin/sakuin_select.html)、一般誌に関しては大宅壮一文庫(http://www.oya-bunko.or.jp/)など他のデータベースの方が良い場合もあります(大宅壮一文庫の雑誌記事索引は条件付きですが学内で(ECCSのアカウントをもっていれば学外からも)利用できます。詳しくはGACoSなどで利用条件を調べてみてください)。
調べものをするときに使える資料やウェブサイト、データベースなどを、本の種類や分野などに分けて紹介しています。統計資料の調べ方や地図資料の調べ方、ビジネス情報の調べ方などがあります。分野や資料の種類によって参照するべき情報源が異なることもあるので、不慣れな分野や使ったことのない資料で情報検索をするときに参照すると、まずどこをみれば良いのか、どのような情報源を参照すれば良いのかが分かるので便利かと思います。
国立国会図書館が所蔵する資料だけでなく、他の連携機関が所蔵しているデジタル情報などを検索することができます。前方一致検索と後方一致検索、完全一致検索が使えます。前方一致検索は検索するキーワードの後に「*」をつけ、後方一致検索はキーワードの前に「*」をつけ、完全一致検索はキーワードの前後に「/」をつけることで検索できます。詳しくはヘルプ(http://iss.ndl.go.jp/help/help.html)を参照してみてください。
大学図書館の本を探すときに。検索結果の詳細表示画面からその資料を所蔵している図書館のOPACのページに行くことができるので便利です。検索対象については“全国の大学図書館等で所蔵している図書・雑誌のうち,各図書館がNACSIS-CAT/ILLシステムにデータを登録したものだけが収録されています。大学図書館で所蔵されていない場合,古い本等オンラインで目録データが入力されていない場合,NACSIS-CAT/ILLシステムを利用せずにデータを作成した場合など,CiNii
Booksでは検索できないことがあります”(http://ci.nii.ac.jp/info/ja/books/service_faq_org.html)とされています。どんなデータベースであれ、所蔵していてもデータベース上に入力されていなければ検索しても出てこないので、収録範囲を確認することは大切です。
日本の論文を探すときに。CiNiiに本文が収録されているものや機関リポジトリなどでオープンアクセスのものは本文を無料で閲覧できます。有料のものも学内からであれば(ECCSのアカウントをもっていれば学外からも)閲覧できる場合があります。
どのようなデータベースを使うにせよ、そのデータベースの検索対象(収録範囲)がどのようなものなのか、どのような検索方法が可能なのかなどを把握して、自分の調べたい内容や探している資料の種類に合わせて使い分けることが必要かと思います。TREE (UTokyo REsource Explorer)(http://tokyo.summon.serialssolutions.com/)は、そういうデータベースの使い分けを意識しないで情報を探せる、というのが特徴のようですが、個人的にはほとんど使っていないので便利なのかどうかよくわかりません。 (どうしてこういう情報源や調べ方について何度も書いているかというと、一つのデータベースで適当なキーワードを入れて調べるだけで十分だと思っている人がいたので、きちんと調べようとしたら考慮しないといけないことがたくさんあるのだと示したかった、という理由だったりします。自分で「調べられている」と思っている人はこういう文章を読んだりしませんし、ここで書いているものも不十分なものなので結局何の意味もないのかもしれませんが)。
こういうデータベースの使い方や情報源の探し方というものに興味がある人がいれば、司書資格科目でその関係の授業があるので取ってみても良いかもしれません。司書資格科目の授業は隔年開講のものが多いので、今年度開講されているかはわかりませんが、興味があって時間割の都合が合う人がいましたら是非。
(ne)
0 件のコメント:
コメントを投稿