朝食が<りんご+チーズ&はちみつトースト>になっているyknです。
先週の大町訪問、日帰りした前回より格段に心に残るものとなりました。
魅せられた、という方が実感に近いかも知れません。
まず何よりも「人」に。
そしてさまざまなものが動き始める「タイミング」に遭遇したことにも。
バージョンアップされた市職員発表と、行動する市民の発言を聞き、さらに懇親会で身近にお話させていただくと、まちはやはり人で成り立っているという基本がとてもよく見えました。そして、ここに集まっているのは、人口約3万人規模の市ならではのヴィヴィッドな変化を起こせる人たちだと予感しました。
懇親会で隣席だった市職員の方が「桜守」のボランティアをはじめると自己紹介をされたところ、その直後、「どんな活動?」「いいね!」「行きます!」「どこで?」と水面の波紋のような静かな輪が彼の周りに広がりました。それは草競馬が行われる河川敷の辺りだそうですが、「あの場所のあの風景」が鮮やかに共有されていて、ひと声をきっかけに、実際に身体を動かして大切に手を入れて行く気持ちがつながったのです。ふつうのことだと思われるかも知れないけれど、今の私の日常にはない、羨ましい場面でした。
あの日あの場に居た人たちは、老若男女・職業を問わずみな、この地で他者とともによりよく生きていきたい、人生と地域を豊かにしたい、そのために自分も何かしたい、という気持ちをもともと潜在的に持っていた人たちだったろうと思います。フォーラムは、そうした個人の意志を引き出して自他ともに認めあうきっかけだったのではないでしょうか。
市役所が「地域文化コーディネーター事業」を開始した年に、まったく別の道筋から「おおまちラボラトリ」の活動が始まった偶然も大きいと思います。今の大町市が、何かが変わる、何かがはじまる絶好のタイミングに遭遇していることを知り、とても心が騒ぎました。
これまでにゼミの活動を通して出合った文化のまちづくりを担う「市民」は一様ではなく、発言力のあるcity fatherタイプもあれば、具体的な事業(文化会館の設置、アートプロジェクト実施など)を契機に行動を始めた市民グループもあり、さまざまです。とても個人的な印象ですが、大町の場合は、それぞれの分野で「いかに」生きるかをテーマにする個人がゆるやかにつながってまちの未来をつくろうとしている印象を受けました。
言葉にするのが難しく、一言でまとめようすれば違うものになってしまいそうですが、二日間でお話させていただいた方々の人となり、「わちがい」にみる丁寧な暮らしのしつらえ、「原始感覚」のクールさ、ディテールに本質を追究する「麻倉」の活動、「西丸震哉記念館」の知的なくつろぎ・・・これらに通底する心地よいものを何と呼んだらよいでしょう?人の精神と感覚の両方に働きかけてくるものです。
ゼミ学生としては最後の訪問でしたが、きっとまた伺います。
大町でのゼミの今後の活動にも、ずっと注目しています。
(ykn)
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