2014年11月27日木曜日

11月26日の小林ゼミ公開研究会の報告

11月26日のゼミは公開研究会という形で外部の聴講者の方もいらっしゃった中、
愛知県武豊町のゆめたろうプラザで活動するNPOたけとよの方々に来ていただき、ゆめたろうプラザの建設と運営への住民参加についてお話を伺うことができました。

元の公民館の設備が不十分であったために現在のゆめたろうプラザの計画が始まったそうですが、文化ホールがどうあるべきかについて考えがあり意見表明の機会を待ちわびていた住民が居たこと、そのような住民がホールの建設過程に参加できたことが、きちんと活用されるホールの実現に大きな役割を果たしたとのことでした。

それは一見当たり前のように感じてしまいますが、その当たり前(に見えること)を実現する難しさというのも、説明やその後の質疑応答の過程で感じました。

当事者意識を持つ有償・無償のボランティアの存在を前提とした文化ホールの建設・運営への住民参加は、成功や継続性の保障がないだけに行政の側も実施にあたって少なからぬ逡巡があったと想像します。それだけに、指定管理者制度の導入でせっかくの成功を覆すようなことは、やはり勿体ないなと思いました。

これだけでは感想文になってしまうので、NPOたけとよの持続の観点でもう一つ、私が個人的に気になった点を取り上げておきます。それはホールの運営参加および利用の世代間の偏りです。

名古屋のベッドタウンで立地産業もあり、過疎化とは縁の無い武豊町にあっても、NPOたけとよの構成員は50代以上が3分の2を占めているそうです。
また、そこで行われているプログラムについても、高校生までと比較的高齢の世代の2極が対象になっているのかなという印象を持ちました。
現在はNPOたけとよは比較的順調に運営されているようですが、世代間交流や新たな参加者の加入が実現し、可処分時間や所得など世代による事情の違いを克服することで、今後も継続して時代の要望に応えた文化ホールの運営が実現できるのかなと思います。

個人的には世代間の置かれた状況や嗜好の違い、都市と地方での世代の分布の偏りというのは
今後の文化に関する産業や政策を考える上で不可欠の論点だと思うのですが、世間であまり話題にならないのは何故でしょうか。(K.S.)


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