2013年10月4日金曜日

フランス便り2013 (1) 鑑賞と体験

渡仏して早1ヶ月、煩雑な事務手続きにも動じなくなった今日この頃です。

韓国の投稿ばかりでこの1ヶ月やや消息不明だったかと思いますが、結構色々な事をしていましたので、少しご紹介したいと思います。

最近やや舞台芸術づいているので、文化的活動(鑑賞者が対象)に関する情報を集めたサロン、Culture au Quai 2013-la fête des sorties culturellesに行ってきました。
Bassin de la Villetteは19区にあるパリで一番大きな人口貯水池(1808年完成)で、サンマルタン運河に繋がっています。


この貯水池を挟む形で映画館MK2 Quai de LoireとMK2 Quai de Seineが対面を成しており、この周辺は市民の憩いの場になっています。

本サロンには、250の文化団体や施設(劇場、美術館、劇団など)が参加し、今年のプログラムを広く紹介する他、ミニコンサートや小舞台、トークや子供向けアトリエ、大道芸公演などが無料で開催され、演者やその分野で活動する人達と大衆が触れ合う企画が組まれています。
9月末の週末に開催され、親子連れやカップル、友達同士で来た若者等で賑わっていました。


ふらりと出かけたら丁度即興コメディ劇団の公演に遭遇しました。
この即興劇ではコンダクター役にリードを取ってもらいながら観衆がタイトルやテーマ、場面設定等の選択に適宜参加し、そこで与えられたことに演者が対応して行きます。バックミュージックを担当する人達も即興で合わせて行きます。
今回は、アレルギー体質の飼い猫のためにスペインまで特別な観賞植物を買いに行った女性と旅先で出会った男性が謎の花屋さんで一抹の不安を感じつつも勧められた植物を買って持ち帰ったら、それは国内持ち込み禁止品種だった、というお話になりました。
屋外の仮設舞台で立ち見の中、お客さんのあたたかな反応が心地好く、こうして過ごす週末にちょっとした有り難さを感じました。
最後に普段行っている公演の案内があり、多くの人がチラシを貰って帰っていました。
この白いテントの前に仮設舞台あり

このサロンではCROUSという学生生活をサポートする国民教育省の外郭団体もブースを出しており、こちらでは様々な学生向けの文化活動情報や割引チケットを得る事が出来ます。

滞在しているパリ国際大学都市でも様々な文化活動のオファーがあり、先日はそこで申し込んで勝ち取ったチケットを手にモンパルナスにある小劇場Théâtre de Pocheに行ってきました。
開演時間前になると仕事帰りの人やカップル、年配の方など、わらわらと集まってきます。
今回鑑賞したのはFabio Marre演出・出演のTeresiaというナポリの大衆演劇に着想を得た猛烈な恋愛劇。
もともとはCommedia dell'arte(16世紀に生成した仮面を使って行う即興演劇の一形態)に登場するキャラクターであるプルチネッラとその恋人テレジーナ及びその子供の間で絶えず起こってしまう小気味良い掛け合い(やり合い)の中で、その行方を見守る観客。
赤い背もたれと座席の長椅子が無造作に配置された地下の小さな空間には特有の親密さがあり楽しいひとときを過ごす事が出来ました。

ちなみに、こちらでは鑑賞するだけでなく演じる事も身近な活動の様です。
現在通っている大学に映画の専攻があるためか、大学の文化活動センターが開講している演劇アトリエには多くの学生が参加しています。
何事も挑戦と言う事で、私も入居する寮で開催されているアトリエに参加しています。オランダ人の演劇専攻の学生がインターンシップの枠組でファシリテーターを務めるプログラムで、周りの学生の表現に毎回大笑いしたり感心したりしながら楽しんでいます。
(M.O)

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