今回は、「ながのアートプロジェクト」について書きます。私の「今度訪問してみたいプロジェクト」ランキング上位のひとつです。
これは、「美術を好きになってもらいたい」という思いから、美術教諭・中平千尋氏が発案し、「中学校を美術館にしよう」を合い言葉に2004年から活動を行っているアート・プロジェクトです。
生徒を「キッズ学芸員に変身させ」、中学校の一角にアートスペースをつくったり、作家とコラボレーションをしたりして、学校の内外で様々なプロジェクトを行っているようです。
面白いと感じたのは、ひとつひとつのコンセプトがはっきりしているところと、あくまで「学校教育」という範囲のなかでプロジェクトを実行していることです。
コンセプトについては、各プロジェクト全体のコンセプトがはっきりしているのはもちろんのこと、生徒がつくった作品に対するインタビューを見ても、生徒がきちんと色々と考えて、制作を行っていることが分かります。
自分で考えて作品をつくった経験があれば、美術館等に行って作品の前で作家に思いを巡らせたり、「これはなんだろう?」と面白くじっくり「鑑賞」するもとになると思います。そういう意味で、この「作品」制作はよりよい鑑賞にもつながってくるのではないかと思います。
「造形/発想/技能/鑑賞」から成る学習指導要領をもとに、各教師の個性にしたがって授業運営をする、という少なからずハードルの高いタスクに苦しんでいる先生方が多いように見受けられる中、以上のような自由な発想で生徒もノッてくる内容をもった美術教育が展開されていることは注目に値すると思います。
私は、学校での美術教育の指導要領は以上のことが最終目標である(と解釈すると面白い授業になる)と勝手に解釈しているのですが、ながのアートプロジェクトでは(美術部の活動でない場合)あくまで美術科教育のカリキュラムとして種々の活動を行っていることもあり、まだまだ続けて活動し、面白い図工・美術教育を発信していってほしいなと思います。
URL:http://www.gakko-bijutsukan.com/
(竹)
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