M1のRaeです。
今年の8月1日にびわ湖ホールで行われたオペラ演出家のコンビチュニー氏、沼尻芸術監督、演出家の平田オリザ氏による対談を聞いてきました。
主に日本におけるオペラの演出について話し合いが行われたのですが、日本におけるオペラ演出の位置がまだまだ脆弱というか、そもそも役割が曖昧だなあと感じました。
コンビチュニー氏によると、ドイツでは5,6カ所でオペラ演出を専攻として5年間学ぶことができる大学があり、そこでは哲学、心理学、音楽理論など…多岐に亘る学問を学ぶことになっているそうです。更に演出家志望の学生は歌手志望の学生とともに仕事を行うことが出来るそうですが、日本では全くと言っていいほどそのようなシステムがありません。平田氏は来年以降に東京芸大で演技を教えることになっているようですが、遅ればせながらようやく音大が一歩を踏み出したところということで、これからのオペラ演出の将来に対して不安と期待がないまぜになっているような印象を受けました。
オペラ演出の将来について言えば、平田氏によるとフランスでは演出家を養成するところがないものの演出家が憧れの職業であるそうです。但し大部分の人がなれず、挫折した結果、その人たちは官僚や、公務員になっていくそうでそれは強みだと述べていました。もしこれが事実ならば素晴らしいことですね。しかも、日本でも出来ないことではないでしょう。積極的に採用するために枠を設けてみれば…などと考えてしまいます。更に、以前のブログにも書きましたが劇場が若い演出家を育てる場になっていけば良いですね。昔国立劇場がやっていた小オペラシリーズやびわ湖ホールのオペラアカデミーの行方知れず
というのはなんとも勿体無い話ですね。
取り敢えず、オペラ演出の件だけ抜粋してみましたが、他にも日本のオペラ界に聳える会員制という壁や、演出家になるために必要なコネクションについても話が進みました。今、東大では本郷と駒場の両キャンパスでオペラ演出についての授業が行われています。授業では日本オペラの問題点がテーマではないのですが、一度考え始めると劇場に行くたびにそんなことを考えてしまいます。ある意味、楽しい鑑賞の仕方ではないです。また考えついたら投稿します。
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