2014年10月21日火曜日

青海省民族歌舞団来日公演


博論に必要になりそうなもの(?)ということで、半年くらい前から筋トレを始め、自分の身体の内側のことなのに外部のようで、感覚が変わってくる不思議で、確かな変化を感じつつあるharukoです(外からみてもわかりません)。このような経験をすると、ダンサーのように身体を使う方は見えている世界が違うと思ってしまいます。

さて先週末後楽園で青海省民族歌舞団来日公演」があり、その前日関係者に予期せず誘われ、チベットの歌と演劇を観に出かけてきました。
民族文化の継承や普及、その展示のあり方など、文化政策の重要でデリケートな問題の一つと思いますが、ブログではひとまず今回みたものの簡単な紹介と感想を書かせてもらいます。

今回来日した歌舞団は、チベット自治区が樹立された1965年に設立され、団員はチベット族を中心に構成されています。ある白書によると、「2000年に、自治区の各級の大衆芸術館、文化館(センター)は計400余りに上り、自治区歌舞団、チベット劇団、新劇団を主とする各種のプロ芸術公演団体は25に、大衆的アマ公演団体は160余り、県ウランムチ(文芸工作隊)公演隊は17に上る」そうです。そして、青海省民族歌舞団は、プロ団体である自治区歌舞団、青海省蔵劇団をより選抜された団員で構成されており、日本で公演を行うのは今回が初めてだったそうです。

公演では全9演目の上演がなされました。おそらく今回の目玉のひとつが、「蔵劇」というチベット族に伝わる民間劇です。蔵劇は、歌、詩、舞踊が一体となった劇で、京劇よりも長い600年以上の歴史があり、2009年にはユネスコの無形文化遺産に登録されました。
個人的に心に残ったのが、「吉祥吟」という演目。これは、蔵劇のような動きや絢爛さはなく、楽器と歌から成るものです。厳格な法会で行われる供養儀式のためのものだそうです。楽器が鐘、大笛、太鼓と手に持つ鈴のようなもの。女声に男声があわさります。
特に、二枚の鐘を打ち鳴らせた後、その音を挟んで共鳴しあわせてできる響きには奥行きがあって、みたこともないチベットの情景が目に浮かぶようで感動してしまいました。その芸能がもともと置かれていた文脈から引き離されると、体験は全く別物になると思いますが、民族文化、地域文化に限らず、現代のあらゆる身の回りの文化体験から受ける感動、情動の根源が何かというのを考えると、そのような側面を持っているのかもしれないなと感じてしまいました。

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