2014年12月2日火曜日

公開研究会(ゆめたろうプラザとの協働の取り組み)の感想

 M1のAlです。
 先週のゼミで、武豊町にあるゆめたろうプラザ(武豊町民会館)の設立について、運営しているNPOの方に話を聞かせていただきました。


 ゆめたろうプラザの設立当初から住民の意見を取り入れて、設立の構想段階から、運営まで住民参加という形を取り入れられている珍しい事例です。 
 話によると、その会館を運営している、住民を中心に組織されたNPOたけとよは幅広い事業を取り入れています。会館のホールで定期的に各ジャンル(クラシック、ジャズ、ポップスなど)のコンサートを行うだけでなく、ダンス・伝統芸能などのパフォーマンスも開催しています。そして、子ども向けのアート系のアウトリーチ、関連ワークショップもやったり、科学系の体験教室も開催したりしています。NPOの方々の話を聞いて、住民主役の文化施設として設立されたゆめたろうプラザがまさに住民の要望に即して、町民会館の目標に掲げているように「子ども・若者が育つ文化空間」になれたなと思いました。
 住民参画による市民会館の運営についてですが、台湾でも似たような事例を思い出しました。それは、「白米下駄村(白米木屐村)」という文化施設の設立です。台湾の宜蘭県(台湾北東部)にある白米村は、かつて炭鉱業が発達したため、自然環境が悪化しました。汚染された住居地域を改善するため、住民たちによる市民団体「白米地域発展協会(白米社區發展協會)」は、環境の改善に力を入れるようになりました。その動きは行政側から肯定を得て、政府の支援を得られるようになりました。それから、行政のまちづくり政策の一環として、白米地域発展協会はまちづくり振興の主体となり、まちづくりに努力するようになりました。住民たちの希望で昔ながらの下駄産業をテーマに、文化産業を中心としたまちづくりを進めていきました。そういう経緯で「白米下駄村」という文化施設が誕生しました。「白米下駄村」の目標は下駄を工芸品の一種に転換し、下駄の制作過程を体験することによって、住民・観光客に白米村の歴史的な・文化的・芸術的な価値を伝えようとしたのです。現在、住民団体の運営によって、「白米下駄村」は地域の活性化の役割を果たしています。
 しかし、こういう事例は実は台湾ではまだ少ないと言えます。台湾の文化施設の運営は「行政と民間の協働を取り入れられようになりましたが、やはり政府が主導的な立場に立って、部分的な業務を民間企業、市民団体に委託することが大半です。しかし、そういう形で建てられた文化施設は住民の要望に応えられなく、「ただの箱」になってしまった例も少なくないです。以上の二つの成功の事例を考えたら、改めて地域事業は住民参画が大事だと実感しました。


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